いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

デジタルとアナログ 最終回

2009年08月19日 | シンセことば
(写真は、YAMAHA EOS B2000。1998年発売。小室哲哉プロデュースのシンセで、鍵盤のすぐ上にある8つのパッドにサンプリングして、効果音的に音を出すことができた。私の教えているレッスン会場では今も現役で、音、使い勝手両方にすぐれたキーボードだ。スピーカー搭載で重いのが難点)


「デジタルとアナログ」も今回で、終わりですが、
 書き出すと、いろんなことが、思い浮かんで、
 結局、全6回になってしまいました。


 デジタル・オーディオの特徴としては、

「リミットがある」

 というのもあげられるでしょうか。


 なるべく大きな音で入力する方が音がいい、
 というデジタルの特徴があるんですが、
(極小音量では歪んでいるという説もあります)
 音の容量と言いますか、大きさには、
 リミットがあります。

 なので、ピーク成分(急に音が大きくなる部分)を
 コンプレッサー、リミッターなどで押さえて、
 なるべく大きな音になるように音を入れます。

 マスタリング、という言葉を聞いたことがありますか?

 CDを作る時の最終段階なんですが、
 ここでも、そういう処理が行われます。

 最近は、マスタリング技術が発達してきているので、
 CDの音量がどんどん大きくなっています。

 2000年以前に発売されたCDと
 最近のCDを聞き比べてみると、
 あきらかに、音量が大きくなっているのがわかると思います。

 ただ、こういう処理(トータル・コンプと言います)を
 しすぎると、音が平坦で、聴いていて疲れることになります。


 では、アナログはどうだったかというと、
(もちろん、コンプレッサー処理もあったのですが
 ピークを完全に押さえるのは難しかったようです)
 レコードなどでは、溝を掘っていく時に、

 大きな音の時には、溝が大きくなるので、幅をとって、
 小さな音の時には、溝が細くなるので、つめて掘る

 みたいな職人技で、作られていたんですね。


 テープなどでは、過大入力があると、 
 自然にコンプレッサー的に音を抑える効果があって、
(これをテープ・コンプと言います)
 それが、自然な歪みと相まって、
 音楽にパワー感を与えていました。

 そして、デジタルになって、気づいたことは、
 
「ノイズと歪みが大事」

 ということです。

 アナログ時代は、なんとか避けよう、避けようとされていた
 この二つの問題児が、
 実は、音楽にパワーを与えていた、というのが、
 そういうものがほとんどないデジタルを通って、
 わかってきたわけです。


 アナログ時代は、
 デジタル、というハイファイを目指していたのですが、
 今は、
 アナログの風味をデジタルが真似しようとがんばっている。

 そんな、皮肉なことになっています。


 ありきたりな言葉で終わりますが、

 音楽は、音は、深いです。



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