立場が上になればなるほど、先を見据える力が必要になると思います。
そのことで、上司だった小島さんとはよくもめました。
小島さんは、目の前の仕事を片付けるために必死になる傾向があります。
次の仕事が舞い込むと、社員の適性やほかの仕事とのバランスなど考えずに、その作業ができる社員に仕事を振ろうとします。
そのため、極端に忙しい人とそうでない人が社内に存在してしまいます。
管理職の人間の仕事は、常にバランスを考えることです。
時には、その人の能力以上の仕事をさせて、育てることも必要です。
そうでないと、いつまでも同じ人に作業をさせることになり、結果、チームの実力は平行線のままです。
むしろ、下降線をたどることになりかねません。
だからこそ、先を見据えて、時には違う人に作業をさせることが必要だと思います。
その事を告げても、小島さんは首を縦に振りません。
こんなこともありました。
先々を考えて、小島さんにある提案をしました。
それは、社員の教育方針でしたが、当時、小島さんにはピンとこなかったようで、必要ないと一掃されてしまいました。
それから1年ぐらい経過した時でした。
1年前に私が提案した教育方針そのままを、私に提案してきたのです。
私が提案した時から1年経過して、小島さんは、その教育が必要だと判断したのです。
こうなることを想定して、必要性を小島さんに伝えた時には想像できなかったようです。
要するに小島さんには先を見据える力がないのです。
現場で働く社員は、実際に経験しなければわからない事が多いのは、仕方のない事です。
でも、そんな社員を管理する立場の小島さんは、それでは困りものです。
問題に直面してから対応を考えていては遅いのです。
そんな事はお構いなしで、1年前に私が提案したことはすっかり忘れている小島さんは得意気になって私に提案してくるのです。
本来であれば、こんな事を言う上司と仕事をしたくないと思うのでしょが、その時の私は別な事を考えてました。
私の考え方は間違ていなかったのです。
その事で自信をもった私は、先を見据える力に磨きをかけることを今まで以上に大切にするようになりました。