ノラにゃんが急に姿を見せなくなって
「どうしたんやろう…、何かあったんかなぁ~?」と
何度も窓からテラスを覗いてみたり
家の周りをウロウロと見回ってみたりして
気の毒なほどそわそわと落ち着かないそぶりのオジサン。(笑)
「昨日の夕方4時頃までは玄関で寝そべってたんやけど…」
「晩ご飯をやろうと5時頃見るともうおらんかった…」
「いつも晩ご飯をもらうまで帰らへんのに…こんなこと、初めてや!」
「何でやろ~?」と、昨日のことを関西弁で振り返るオジサン。
ちなみに…オジサンは京都出身なのだ。(笑)
「昨日の晩ご飯も食べてへんし…今朝も来てへんし…」
「どないしたんやろ? お腹空いてるやろに…」
「どこか他の家でご飯もろてるんやったら、ええんやけどなぁ~」
「まさか、事故か何かに遭うたんとちゃうやろな…」
次から次へと想像力を働かせて心配が尽きない様子。
「やっぱり、ボクが怒ったのがあかんかったんかなぁ~」と
今度は殊勝にも自らを反省しだした。(笑)
「あれから、ノラの警戒心が強うなったのは確かや…」
「せっかく2か月かけて築き上げた関係を、ボクが壊してしもたんや…」
「今までの努力が水の泡や…」と、反省しきりのオジサン。
その姿が余りにも気の毒なので
「でも、またフラリとやって来るんじゃない?」と
何の根拠もなく慰めるオバサン。(笑)
「せやろか…!」と、その言葉に希望の光を感じたのか
また外に出て、いつもノラがやって来る坂道で
椅子に座ってじーっと待っている何ともいじらしいオジサン。(笑)
そんなことを何度も繰り返しながら
重苦しい雰囲気でその日一日中過ごしたのだが…
しかし、いつまで待ってもノラは姿を現わさなかった。
うちの飼い猫でもないのに
たかがノラ猫一匹がたった一日姿を見せないだけで
こんなにも心配して気を揉むなんて…。
おそるべしノラにゃんこ!(笑)
いつの間にか、私たちの生活の中に入り込み
まるで家族のように感じる存在になっていたのだ。
その日夕方4時頃まで待ってもノラが来ないので
私は諦めて山から家路へと着いた。
「もう、ここへは来んかも知れへんなあ…」
「せっかく冷蔵庫に美味しい鶏肉を用意してたのに…」と
残念そうなそぶりのオジサンひとりを山に残して…。
ノラにゃんは一体どうしたのだろうか…?