ずいぶん前置きが長くなってしまったが
ようやく”若草物語”の舞台であり
作者のオルコットが暮らしていたという
オーチャードハウスにやって来た。
この家はマサチューセッツ州のコンコードという
緑に恵まれた自然豊かな町にある。
オルコット家は1858年~1877年にかけて
ここに住んでいたそうだ。
ちょうど南北戦争や西部開拓時代の頃である。
ルイザ・メイ・オルコットがこの家で
”若草物語”を書き、出版されたのが1868年。
ここに移り住んで約10年後…
彼女が36歳の時だった。
バスを降りた私たちが目にしたのは
全体がグレーの色調で如何にも時代を感じさせる
質素で落ち着いた建物だった。
( これが、あのオーチャードハウスか… )
屋敷の裏手は鬱蒼とした森に囲まれ
道路から家へと続く前庭には緑の芝生が広がっていた。
そんな緑一色の中にオーチャードハウスが
大地にしっかりと立っていた。
このオーチャードハウスは現在
オルコットの業績や暮らしを伝える博物館として
世界中から”若草物語”を愛する人々が
見学に訪れる人気スポットになっている。
私たちが訪れたこの日もたくさんの見学者がいて
家の中に入るのに順番待ちするほどだった。
それも、老若男女を問わずなので
今でも多くの人々に愛され続けている
児童文学の名作なのだと改めて実感した。
ちなみに、オーチャードとは果樹園という意味で
この家に移り住んだ当時
まわりを広大な果樹園に囲まれていたことから
オーチャードハウス(果樹園の家)と
ルイザの父が名付けたそうだ。
屋敷の入口付近には見学者を迎えるための
説明ボードや芳名帳、テーブルには果物が入った籠など
入場の順番の待ち時間に見て回る。
待ち時間と言っても、実はほんの僅か…
日本の観光地に比べると可愛いもんだよね。
今日はここまで。
続きはまた次回。