ゴンブリッチさんの「世界史」はヨーロッパ中心の歴史。中国・日本・アメリカなどの歴史はざくっと一括りにされているだけ。ウィーンの美術史家の書いた本だから仕方ないだろう。逆に、ヨーロッパの歴史など、大学受験のための知識として暗記したに過ぎない愚老にとっては、人の尊厳や人権思想がヨーロッパで普及した歴史に括目する。たとえば、17世紀後半にイギリスで起こり18世紀のヨーロッパに主流となった「啓蒙思想」のこと。ぼくの受験勉強的知識では啓蒙思想家とはヴォルテールのことだった。しかし、そんな答は不正確だった。ジョンロックはじめ多くの思想家がいたのだ。
学生時代、「ストアサークル」というメンバーに入り、ルソーの「社会契約論」などを輪読し議論を交わしたことを思い出す。そのころ、アリストテレス、カント、ヘーゲル、ロック、モンテスキュー、マルクス、エンゲルスなどの古本を買いあさって読んでいた。「啓蒙思想」に三原則があったとはゴンブリッチの「世界史」ではじめて知った。「寛容」「理性」「人権」の三原則。そのうち「人権」論が日本でも謳われるようになったのは福沢諭吉が最初ではないか。それでも日本は1947年の日本国憲法施行まで国民は臣民にすぎなかった。いまも人権後進国ニッポン。冷たい風の中を歩くと腰が痛む。写真上=上新田4丁目の葛紅葉、下3丁目マンションのエントランスに瞬くクリスマスツリー。
腰痛むころなり寒風やんわりと 昇龍子
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ノーやん
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