帰宅して、コーヒーを沸かしながら、一茶句を読む。山本健吉氏の「俳句鑑賞歳時記」の冬の部に2句抽出されている。「是がまあつひの栖か雪五尺」と「南天よ炬燵やぐらよ淋しさよ」。前句はよく知られている句。後句は余り知られていない。俳句の体裁も悪い。三つの名詞を並べただけの3段切れ。なのに山本氏は、一茶の「略筆画」と評し、「無性に淋しさがこみあげてくる」という。俳句の鑑賞の仕方も勉強になった。
岩波の日本古典文学大系「蕪村集一茶集」から、国文学者・川島つゆ氏の解説を読む。「一茶の生活と現実にいどんだあらあらしいタッチは、芭蕉の至りえぬところであったが、既に芭蕉晩年の傾向の中にきわやかにあらわれていた。すなわち、身辺に詩を求める軽みの境地である」。この評論に思わず目が留まる。きのう愚老が書いたことと同じ一茶論や。青年時代修行を積んだ一茶のひたむきな生き方はどこかわが輩と似ている。お昼はきょうもペペロンチーノパスタ。われながらうまかった。きょうも一茶に元気をもらう。写真上=ヒメツルソバ、下=冬薔薇。
楠の実をこぼすはたれぞこぼれみち 昇龍子
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ノーやん
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