芭蕉を頭に叩きこんだ蕪村

　晴れ。「きょうはましでんな」「そうでんな」。寒からず暖かからず。昼間のごあいさつ。93歳になる独居老人Ｎさんと路上でばったり。「やあお久しぶり」「おたくもちっとも変ってえしませんな」。一時は余命幾ばくかと言われていた人が元気にしゃべりだす。「市役所まで行ってきましてん」。驚いたのなんの。人の命は捨てたもんやない。姉の容態を案じながら思う。

　「蕪村全集」七編著・追善をパラパラ読みする。そのなかに「芭蕉翁付合集」というのがある。「三日、翁の句を唱へざれば、口むばらを生ずべし」。翁とはもちろん芭蕉のこと。「はいかいの継句をまなばんには、まず蕉翁の句を暗記し、付三句のはこびをかうがへしるべし」と。すごい勉強家や。芭蕉の七部集から付け合例を選びだしている。平安5年9月の刊。昼は讃岐うどん。みそと味醂と天汁を使う。具はネギ、ゴマ、ニンニク、ショウガ、肉団子と梅干。

　午後、スーパーへパンと牛乳、納豆、乾麺など買う。写真上＝蕪村の銅像（スマホ撮り）下＝境内左手に蕪村銅像を祀る淀川神社（同）
　　　　　　　　　　　　　　　きょうはましあしたもましか弥生空　昇竜子