貉（むじな）蕎麦を調べる

　きょうは正味の晴れ。風少しあり。欅の枯葉があちこち降る。冬だなあ。木枯らし一号ももうすぐや。きのう、ブログに大阪のきつねうどんとたぬきそばの違いを書いたらメル友から関東には「貉(むじな)蕎麦」があるよ、おいしいらしいという情報を頂いた。さっそくネットで調査。蕎麦に薄揚げを乗せるのは大阪といっしょやけど「むじな蕎麦」は「揚げ玉」を加えるらしい。「揚げ玉」ってなんや。調べたら「天かす」のことらしい。なんや、しょむない。そんなんを「貉蕎麦」や言うて「うまい、うまい」言うてんの。東の人は。半信半疑ながら驚いた。味覚が違うのかね。東と西とは。それとも関東のむじな蕎麦には何か秘伝でも…。

　わが輩はいつのまにか“麺食い”人になってしまった。麺の味の原点は大阪のきつねうどんと思い込んでいる。元祖は讃岐かな。現役時代、いろんな要人に接してきたが「大阪のきつねうどんが食べたい」と言う声をよく聞いた。薄揚げという単純な素材を究極の味に仕上げている大阪人秘伝の業。それを味わいたいという。麺の究極の味とは。確かめたくなるのはよくわかる。

　「まいど」は大阪人の平凡な日常語。あいまいな意味を含む枕詞。京には京の特有の含意あることばがある。滋賀も和歌山も、奈良も兵庫もそれぞれ違う。ひとすじ縄に表現しかねる関西文化の多様性をぼくは日々体験している。もっと掘り下げれば食文化も豊かさいっぱいに楽しめるに違いない。「関西麺あるき」からでもいい。すでにだれか挑戦しているのかな。写真上=千里東町のハゼノキ。下=千里東町のツワブキ。

　　　　　　　　　　あほらしや天ぷらかすの貉蕎麦　昇龍子