祭りが終わって

　雨。蝉の鳴き声もカラスの鳴き声もなくなく静かで涼しい朝。天神祭も終わって平穏が戻ったかと思ったら、朝から、相模原市の障害者施設で１９人を殺し、２５人に重軽傷負わせたという無差別殺傷事件発生のニュース。きょう２６日午前２時半ごろ、男が施設のガラスを割って侵入し、就寝中の入所者を刃物でつぎつぎ刺した。犯人は２６歳の同施設元職員で犯行後の３時過ぎ「私がやりました」と車で警察に出頭したという。「障害者がいなくなればいいと思った」と供述しているという。

　恐ろしい残忍な犯行。十何人もつぎつぎ刺し殺す神経の異常に戦慄する。精神異常者のテロ行為ではないか。うっ屈した障害者に対する差別思想はなかったか。犠牲者・ご遺族に哀悼の意を捧げ被害者の一日も早い回復をねがう。同時に、緊急に再発防止策を講じ、凶悪な犯罪の実相を検証してほしい。

　沈痛な気分のお昼前ごろから雨が小やみになり蝉の大合唱がはじまった。まるで犠牲者を追悼するかのように。すっかり蝉の脱け殻になっていたノーやんの身体に怒りの血が沸き昇ってくる。

　南シナ海の中国の管轄権を否定した仲裁裁判所の判決をめぐってアセアン外相会議の共同声明がもとまらず事態を案じていたが、「複数の外相の懸念に留意する」との表現を認めて共同声明が一日遅れで発表されたという。いろいろ心配ごとも多い。お祭り気分は長くは続かん。
　　　　　　　　　　　　　　　脱け殻に魂還る蝉合唱　昇龍子