ノーやん日記パート2

雨の中之島

 きょうも梅雨は明けそうにない。
朝、マリーゴールドの花がらを摘み、用事を済ませて昼から中之島図書館にでかけた。
ネットの予報では雨の心配はなく傘を持たずに家を出た。
ところが、梅ヶ枝町の宇治電ビル前あたりで灰色の雨雲からパラパラしだした。裁判所の西側あたりになると、急にどしゃ降りになった。 「またか。千里のゲリラ雨といっしょや」。水晶橋の高速道路下に駆け込んだ。
 5人ほどが雨宿りしていた。「どこまで行きまんねん?」「そこの図書館ですわ」。わずか数十メートル先。傘を二本持って雨宿りしていたオヤジさんが「これ一本貸してあげる」。「それはありがたいけど、どこへお返ししますの?」「いや、返さいでええよ。だれかにまた貸してあげなはれ」。親切な人がいるもんや。
 雨脚激しく路面は煙立ち、中之島界隈のビルも煙って見える。高速道路の上からは車の跳ねる雨水がザバッザバッと堂島川に落ちている。傘を借りてもずぶ濡れになりそうだ。小止みになるまで待とう。
 行きずりのオヤジさんと立ち話した。堂島川を2日前天神祭に使った舞台船が何隻もタグボートに曳航されて行く。川のゴミを浚える船や水上バスも行き交う。「祭の準備で一人川に落ちてなくなったんや、カナヅチやのうてズブズブと沈むブンチンさんやったらしいよ」と聞かされた。ズボンのかけつぎ屋の話から正札を値切る方法までしゃべりまくるオヤジさんだった。「値切るからには二つ三つ買うてあげないかんよ」。ただぼくは「へえ、へえ」と感心するばかり。東京の落語家長屋話を綴った林家木久蔵さんの「昭和下町人情ばなし」[生活人新書]を電車の中でひとり笑いしながら帰ったが浪速の下町ばなしも探索してみたくなった。借りた傘を杖に帰宅する。千里もやはり雨だった。
梅雨の傘つきつつ人にまぢり得し 沐石
船渡御をちらり天神のギャル神輿 愚句
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