ユズとカラス

　晴れ。きょうも寒い。「寒なりましたねえ」。にこにこ顔で「ホント」。同じマンションのKさん。まだ、顔を顰めるほどやなかった。「百歳の読書術」(津野海太郎著)つづきを読む。「次第に死に馴れ親しみはじめたようだ」という著者の動作に手の震えが出た話がちょろっとある。わが亡父はずうっと手が震える文字だった。そのせいか手紙は2.3行しか書かない習性だった。愚老にもさいきんその手の震え症状が表れた。ということは、「死に馴れ親しむ」べき齢になったということか。新聞の死亡記事欄が毎日気になるのもその表れかも。きょうも明るい「読書術」には至らず。

　最近、若い世代は本を読まなくなったらしい。そうかもしれない。電車のなかで本を読む若者の姿はほとんど見かけないし若者の活字離れで経営が厳しくなった新聞出版関係のニュースも耳にする。本を読む世代と読まない世代、戦争や搾取・不正と団結して戦う世代とバラバラで戦わない世代という時代のウェーブのようなことが起こっているのか?

　世代論は支配層の分断の論理に乗りやすいので注意が必要だが、時代的青年論は研究に値するテーマだと思う。昼は新装開店した町内のスーパーで100円のアナゴ天を見つけざる蕎麦に即決。5切れ150円の巻寿司もあったのでプラス。午後、天神の杜音楽祭の実行委員会へ。メンバーのNさんが自宅で採れた柚子の実をどっさりみんなに配った。それを頂く(写真上)コンビニで飴玉を買って出たら、烏が一羽、愚老に威嚇する鳴き声を上げた。何を生意気な!(写真)下
　　　　　　　　　　　柚子の香をごそっともらう日暮れどき　昇龍子