ノーやん日記パート2

あじさいのはなし

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 晴れ。雨が上がり、アジサイが日々青くなる(写真上と下=同じ木の7日前とけさ)。6月の花。梅雨の花。日本の花。紫陽花と書くから中国原産の花と人は錯覚する。アジサイ博士のような医学者・シーボルトも中国原産と誤った。もとをただせば、平安歌人の源順(みなもとのしたごう)が931~938年ごろの「倭名類聚鈔」に、白楽天の唐詩から引用して「紫陽花」と書いたことがはじまり。そのまんま21世紀の今まで使われているというのが真相のようや。ちなみに中国名は「綉球花」というらしい(湯浅浩史著「花の履歴書」)。「大言海」によれば、アジサイは集(アヅ)真(サ)藍(アヰ)に由来するという。このことは以前にも書いた気がする。

 アジサイは古今東西、変化する花とイメージされている。万葉集で大伴家持は「言問はぬ木すら味狭藍(あぢさゐ)諸兄等が練の村戸にあざむかれけり」と詠んだ。色変わりを示唆したうた。白楽天は824年,杭州の招賢寺で名も知らぬ紫色で気が香り芳麗な花を見つけ、これを「紫陽花(しようか)」と名付けた。これがアジサイと同じかどうかは怪しいが。ドイツのリルケは「新詩集」の中で、「青いあじさい」と「薔薇色のあじさい」の詩を詠んだ。わが俳人も「紫陽花や帷子時の薄浅黄」(芭蕉)、「紫陽花や白よりいでし浅みどり」(渡辺水巴)と変化を詠んでいる。

 白から青、青から赤、赤から紫へ変化する花なので名前もいろいろや。「七変化」「四葩(よひら)」ともいう。「フロラ・ヤポニカ」を著したシーボルトは、アジサイ属の12種を詳述し、日本の愛人お滝さんの名を冠してハイドランジェア・オタクサを発表した。有名なはなし。アジサイは園芸種で母種はガクアジサイ(写真中)。房総、伊豆、伊豆7島、足摺岬などに自生する。
          青年のいろ保ちかね七変化 昇龍子



コメント一覧

ノーやん
https://55926699.at.webry.info/
{%笑いwebry%}それはどうか承知していませんが、牧野先生の「牧野植物図鑑」にはアジサイの学名は「Hydrangea macrophylla Seringe var.Otaksa Makino」とありますよ。
fm
さすがノーやんさんはお詳しい。牧野博士はシーボルトが芸者風情の名をつけたのを怒ったという話は本当ですか。
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