秋分の日の落し物

　薄曇り。きょうは秋分の日。昼夜が半々になる。といっても昼間が16分ほど長いらしい。けどきょうから秋の夜長や。お彼岸の中日。先祖供養の墓参や法要がピークを迎える。収穫への感謝の行事も行われているだろう。わが先祖墓は遠方だし家に仏壇はない。朝からインゲン豆と南瓜を炊く。仏事ではなく健康保持のため。

　朝、外出しようとして自転車の鍵の紛失に気付く。ズボンの左ポケットに入れていた。どこで落としたのだろう。ハンカチかカードを取り出したときに違いない。そんな動作をしたのはどこか振り返る。ドングリのキイホルダーを付けていた。劇場や電車の忘れ物センターなどに問い合わせる。ない。

　しょうことなしにまちの自転車屋さんまで鍵のかかったまんま運び、新しいのに取り替えてもらう。タイヤがパンク寸前に傷んでいるのに気づく。それも取り替えや。とんだお彼岸や。昼は三度豆入りパスタ。

　彼岸とは悟りの境地に到ることやそうな。南千里の図書館で「ベーシック労働法」を借りて帰る。夕日が沈むころ六甲山に向かって「なかなか悟れまへん」と懺悔するか。マッコリでも飲んで認知症を予防するか。写真上＝上新田3丁目墓地の臭木の花、下=千里東町3丁目路傍に色づく柿の実
　　　　　　　　　　朝茹でて夕日に拝む莢隠元　昇龍子