ノーやん日記パート2

吟行

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 大阪・千里を中心に活動する俳句同好会の面々できょう秋の吟行をした。毎年公民館の文化祭に重なる日の句会は、吟行と決まっている。ことしは、万博公園だった。平日の金曜日、小旗をもった老人会らしきグループや小中学校、私立高校の遠足集団と出くわす。どのグループも太陽の塔の前でピースピースしながら記念写真を撮っている。その後ろで太陽の塔も手を広げてピースピースしているようだった。朝の鱗雲が消えて日差しのやわらいだ太陽が降り注ぐ。
 目当てはソラードとコスモスの丘。ソラードを登るといきなりコオロギらしき虫の声。クモの巣が顔に引っ掛かり蜘蛛が首筋に逃げ込んだ。あわててシャツのボタンを外してつまみだす。ちくっと首のあたりを刺されたが毒グモではなかった。紅葉にはちょっと早いが、青いどんぐりが目と鼻の先に連なっている。
 コスモスの丘は三脚を立てたカメラがあちらこちら。ここは年寄りばかり。車いすも見える。時折そよ風にコスモスがこっくりこっくりしている。ミツバチが花の蜜を吸い渡っている。
 10月の太陽が少し暑く感じだした頃、正午を告げる鐘がゆっくりと鳴った。錦鯉がゆったりと沼底を動かしている。ここの時間と空間は喧噪の世界からはみ出た別世界だ。その頃、日本庭園の蓮池で鴨が一羽逆さになって餌をあさっていた。ハスの実でも探しているのだろうか。まじかに見られていることを気にする様子もない。人声はなく時々、ヒヨらしき鳥の啼き声がする。
 日本庭園の万里庵という茶室で吟行句会が開かれた。10人ほどのメンバーがそれぞれ何を見て何に感動したのか。各自4句を投句し、選句する。そこに格別優劣はないが複数得点句から万博公園で何を見、感じたのか、うかがい知ることもできる。そこが俳句の面白さだ。
へのへのや蜷の描きし秋の沼  S
破蓮の勝手気ままの生きざまよ  T
大魚なるらし全天の鱗雲       M     
秋の水浅く動かす錦鯉  N
公園の小流れアートに落ち葉敷く  S
鰯から鯖へとつづく秋の空  Y
秋天へ太陽の塔手をひろげ     N
棘の間(あい)にひそみし枳穀(きこく)熟れにけり S
 帰りしな、拙句の句風が変わってきたね、と先輩からいわれた。開眼するのは、さていつのことか。(24日追記)H先生の添削の結果、上記には入選句なし。得点が1~0の4句が入選した。順不同で紹介する。
ひとり吟行青き団栗拾いつつ N
園児らの日向の匂い秋桜 S
コスモスに埋もれて押す車椅子 H
流れあれば子らは裸足に園小春 Y
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