ノーやん日記パート2

春雨

 きのうの夕方から降り続いた、シトシト雨が今朝方あがった。春雨や。先々週の終わりごろからちょくちょく降っている。今週もまだ続きそうや。春雨は「草の芽をのばし花をもよおす雨」(平凡社「俳句歳時記」)という。花を待ち望む心を起こさせる雨なんや。雨が上がって花壇へ行くと、マメカミツレやオランダミミナグサなど雑草がヒナゲシといっしょにのびている。引き抜いていると、マンション住民に声かけられた。「雨があがりましたなあ。それヒナゲシですか」「ハイ、こぼれだねです、ちゃんと春をおぼてまんねん。えらいもんですなあ」。横でチューリップが芽を伸ばしている。
 ところで俳句は春雨をどない詠んでるんか、手元の歳時記をひっくり返してみた。意外にも、そんな花を待ち望む乙女チックな句なんぞ見当たらん。

浪華津のきたなき堀や春の雨 草城

春雨や蓬をのばす草の道 芭蕉
菜のゆだる湯の湧口や春の雨 一茶
芭蕉にしても一茶にしても、このとおり。

西東三鬼は
貯炭場の細き眞黒き春雨なり 
 これが著名俳人の春雨の心持ちか。ちょっと驚いた。
王朝趣味の蕪村は、
春雨や同車の君がささめごと
と、きれいに詠んでいて、田辺聖子はんが大好きな句やいうてはります。この句もちろん、芝居好きの蕪村の王朝絵巻空想の作ですけどね。
私もちょっと真似て、
水鳥のささめごとかな春の雨 拙句 ({%笑いwebry%})

コメント一覧

いずみ
こんばんわ!コメありがとうございます。
これはまた風情のある記事ですねェ。
文学の意味を理解できるってソンケイしちゃいます。

なんか和のココロに少し触れられた気がしました。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「インポート」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事