「あぁ~。いるいるぅ♪」
数日前の会社帰りに、袖をちぎったTシャツに短パン姿のやたらムキムキの白人のおニイさんたちが、4、5人でそぞろ歩いているのを見かけました。
「そうか、今年もそんな季節になったんだなぁ・・・」
と、ジワッと感慨。
彼らは香港の初夏を告げる渡り鳥。この季節の風物詩の一つなのです。それはすなわち、これまで半年にわたったラグビーシーズンの終わりと、これから半年にわたる長くて暑い夏の始まりを意味しているのです。その境目の3日間を彩るのが、「香港セブンス」です。
7人制ラグビーの国際大会であるセブンスは、香港の白人社会にとって年間最大のイベントで、
「これなくして香港生活は語れない!」
「この週末だけは親が死んでも帰れない!」
と言わしめる一大行事です。今では世界各地で開催されているセブンスの草分け的存在でもあり、アジアでは最も長い歴史を誇るそうです。
「香港ってこんなに白人がいたの?」
と驚くほど、毎年おびただしい数の白人たちが、会場の香港スタジアムに続々と集まってきます。香港人はスポーツと言えばサッカーなので、観客の過半数は日本人等も含めた外国人で占められます。私も例年、初日の金曜日はオフィスから直行し、週末はお弁当持ちの一家総出で、日曜夜のカップ(最高ランク)の決勝戦までどっぷりラグビー漬けになります。
今年は3月22、23、24日の3日間の開催で、その前には10人制のテンスもあり、今週1週間は完全なラグビー週間です。夫も趣味の(?)出張をことごとく諦め、万全の態勢で臨んでいます。友人もイギリス人の夫が、
「今週は何を言っても上の空。あてにならないし、いつ帰って来るかわからないし・・・」
という状態らしく、ため息まじり。
香港でかつて暮らしていた外国人の中には、
「この季節は絶対、香港!」
と本国から毎年はるばるやってくる人も珍しくありません。そういう古い友人と連れ立って試合の後もどこかで盛り上がって・・・と、結局、「昼も夜もどっぷりラグビー」という人が結構いるのです。
なので、この時期に街を跋扈し始めるやたらムキムキのラグビー関係者と思しき人たちを見るにつけ、
「また1年たったのか・・・」
という思いを新たにします。彼らは外の天気がどうであれ、年によっては結構肌寒かったりしますが、丸っきり頓着なく練習着のような格好で歩き回ってます。雨が降っていても、もちろんお構いなし。まあ、香港の冬なんて彼らにしてみれば本国の夏のような陽気なのでしょう。香港は真冬でも10度を切る日はほとんどなく、切れば寒さで死人が出ます(冗談でなく)。
このたくましい渡り鳥たち、タットゥーを入れていてもスキンヘッドでも、こういうものが持っているネガティブな暗さが微塵も感じられません。これにミラーのサングラスなんてかけていたら迫力満点ですが、外見が少しも恐そうにならず、ナイスガイに見えるから不思議。野球選手のおカネのかかった玄人っぽさや、サッカー選手のイマドキなプロっぽさに比べると、セブンスに来る人たちはとにかく単純明快に強そうで健康的です。
ラグビーは防具もつけずに身体と身体がぶつかり合う、激しく、危険なスポーツです。それゆえにプレーが比較的きれいな気がします。ダーティーなプレーには観客からもブーイングが起きます。「礼節」とか「フェアネス」といった英語にしても日本語にしても、ちょっと古風な形容が似合うスポーツのような気がします。特にオールブラックスのフェアプレーは、王者としての自覚がそうさせるのか、本当に感心するほどです。それがまた、彼らの風格を高めてもいるのでしょう。
去年のNZはセブンスの帝王キャプテン、エリック・ラッシュの怪我による欠場を埋めたカール・テナナの神業に近いプレーで優勝をさらいました。彼が優勝後のメディアのインタビューで、
「これは全部ラッシー(ラッシュのこと)のために」
と言っていたのが印象的でした。そのラッシュも香港セブンスでは今年がプレーヤーとして最後の年になるそうで、是非ともいつまでも語り継がれるファインプレーで有終の美を飾ってほしいところです。
=============
「マヨネーズ」
NZのサマータイムが終わろうとする頃、香港は一足飛びに春を越え夏を迎えます。季節の変わり目の風情のかけらもなく、冬服をまとめてクリーニングに出しに行く時には、すでにTシャツにミュールという真夏のいでたちです。
ラグビー関係者はその体格、短髪、肌の露出度の高さから街中でもすぐに分かりますが、時々アウトレットに出没して大きいサイズの服を探していたりします。セブンス期間中もファンのサイン攻めにも嫌な顔一つせず、無限に差し出されるラグビーボールに黙々をサインをしています。エリック・ラッシュの勇姿(ハカ姿も)最後で(涙)、しかと目に焼き付けながら、今年も楽しみます!
数日前の会社帰りに、袖をちぎったTシャツに短パン姿のやたらムキムキの白人のおニイさんたちが、4、5人でそぞろ歩いているのを見かけました。
「そうか、今年もそんな季節になったんだなぁ・・・」
と、ジワッと感慨。
彼らは香港の初夏を告げる渡り鳥。この季節の風物詩の一つなのです。それはすなわち、これまで半年にわたったラグビーシーズンの終わりと、これから半年にわたる長くて暑い夏の始まりを意味しているのです。その境目の3日間を彩るのが、「香港セブンス」です。
7人制ラグビーの国際大会であるセブンスは、香港の白人社会にとって年間最大のイベントで、
「これなくして香港生活は語れない!」
「この週末だけは親が死んでも帰れない!」
と言わしめる一大行事です。今では世界各地で開催されているセブンスの草分け的存在でもあり、アジアでは最も長い歴史を誇るそうです。
「香港ってこんなに白人がいたの?」
と驚くほど、毎年おびただしい数の白人たちが、会場の香港スタジアムに続々と集まってきます。香港人はスポーツと言えばサッカーなので、観客の過半数は日本人等も含めた外国人で占められます。私も例年、初日の金曜日はオフィスから直行し、週末はお弁当持ちの一家総出で、日曜夜のカップ(最高ランク)の決勝戦までどっぷりラグビー漬けになります。
今年は3月22、23、24日の3日間の開催で、その前には10人制のテンスもあり、今週1週間は完全なラグビー週間です。夫も趣味の(?)出張をことごとく諦め、万全の態勢で臨んでいます。友人もイギリス人の夫が、
「今週は何を言っても上の空。あてにならないし、いつ帰って来るかわからないし・・・」
という状態らしく、ため息まじり。
香港でかつて暮らしていた外国人の中には、
「この季節は絶対、香港!」
と本国から毎年はるばるやってくる人も珍しくありません。そういう古い友人と連れ立って試合の後もどこかで盛り上がって・・・と、結局、「昼も夜もどっぷりラグビー」という人が結構いるのです。
なので、この時期に街を跋扈し始めるやたらムキムキのラグビー関係者と思しき人たちを見るにつけ、
「また1年たったのか・・・」
という思いを新たにします。彼らは外の天気がどうであれ、年によっては結構肌寒かったりしますが、丸っきり頓着なく練習着のような格好で歩き回ってます。雨が降っていても、もちろんお構いなし。まあ、香港の冬なんて彼らにしてみれば本国の夏のような陽気なのでしょう。香港は真冬でも10度を切る日はほとんどなく、切れば寒さで死人が出ます(冗談でなく)。
このたくましい渡り鳥たち、タットゥーを入れていてもスキンヘッドでも、こういうものが持っているネガティブな暗さが微塵も感じられません。これにミラーのサングラスなんてかけていたら迫力満点ですが、外見が少しも恐そうにならず、ナイスガイに見えるから不思議。野球選手のおカネのかかった玄人っぽさや、サッカー選手のイマドキなプロっぽさに比べると、セブンスに来る人たちはとにかく単純明快に強そうで健康的です。
ラグビーは防具もつけずに身体と身体がぶつかり合う、激しく、危険なスポーツです。それゆえにプレーが比較的きれいな気がします。ダーティーなプレーには観客からもブーイングが起きます。「礼節」とか「フェアネス」といった英語にしても日本語にしても、ちょっと古風な形容が似合うスポーツのような気がします。特にオールブラックスのフェアプレーは、王者としての自覚がそうさせるのか、本当に感心するほどです。それがまた、彼らの風格を高めてもいるのでしょう。
去年のNZはセブンスの帝王キャプテン、エリック・ラッシュの怪我による欠場を埋めたカール・テナナの神業に近いプレーで優勝をさらいました。彼が優勝後のメディアのインタビューで、
「これは全部ラッシー(ラッシュのこと)のために」
と言っていたのが印象的でした。そのラッシュも香港セブンスでは今年がプレーヤーとして最後の年になるそうで、是非ともいつまでも語り継がれるファインプレーで有終の美を飾ってほしいところです。
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「マヨネーズ」
NZのサマータイムが終わろうとする頃、香港は一足飛びに春を越え夏を迎えます。季節の変わり目の風情のかけらもなく、冬服をまとめてクリーニングに出しに行く時には、すでにTシャツにミュールという真夏のいでたちです。
ラグビー関係者はその体格、短髪、肌の露出度の高さから街中でもすぐに分かりますが、時々アウトレットに出没して大きいサイズの服を探していたりします。セブンス期間中もファンのサイン攻めにも嫌な顔一つせず、無限に差し出されるラグビーボールに黙々をサインをしています。エリック・ラッシュの勇姿(ハカ姿も)最後で(涙)、しかと目に焼き付けながら、今年も楽しみます!