3年前の事だったと思います。今のように寒い時期だったかもしれません。寝ているときに夢を見ました。どんな夢だったのか、その時でさえ思い出せなかったのですが、誰かとの会話の途中に突然、
「スネヲヒヤスナ」
という厳かにしてぶっきらぼうな野太い声がしました。男性の声です。
「脛(すね)を冷やすな?」
「脛?ふくらはぎじゃないの?」
私は反射的に聞き返しましたが、声は2度としませんでした。ふくらはぎはよく「第二の心臓」とも呼ばれる大事な場所。特に私のように血圧が高めの場合は、心臓から最も遠い足先の血行を良くすることは重要です。そのためには、ふくらはぎが心臓のように要になります。夢の中でさえ、突然の一言に咄嗟に反応したのは、私が普段からふくらはぎの大切さを意識していたからでしょう。
直後に目を覚ましました。 「ふくらはぎじゃないの?」 という問いかけは、本当に声に出していたかもしれません。それぐらいしっかりと目が覚めました。暗闇の中で、
「これは夢じゃない。」
と感じました。同時に、
「これはきっと真実だ。」
とも感じました。忘れないように、
「スネヲヒヤスナ」
「スネヲヒヤスナ」
と呪文のように心の中で唱え、再び眠りにつきました。
冷やさない、逆に言えば温めるとどうなるか?お風呂に入って、血管、筋肉、関節など全身が緩むと気持ちがいいものです。寒かったり冷えたりしている実感がなくても、真夏でもない限りお風呂や布団の中は快適な場所ではないでしょうか?温めて緩むことでリラックスし、それが身体にとって良い状態だからこそ気持ちよく感じるのでしょう。しかし、脛とふくらはぎは脚の裏と表、どちらかだけを温めることはまずありません。あえて「脛」と限定されると気になります。
「なぜ脛?」
長年師事したヨガの先生の口癖は、
"Listen to your body"(身体の声を聞け)
でした。おかげで身体のすみずみにまで意識を持っていく癖を身につけていた私は、脛という指摘を受けてから膝下に意識を持って行くようになりました。その結果、膝下で冷えている部分が足首の前の方、足の甲のやや上から脛にかけてであることに気付きました。そこが足先やふくらはぎよりも冷えやすく、血行が悪くなっているようでした。人間の身体で首がつく部分はどれも細く複雑な構造で、血行が悪くなりがちだそうですが。
なるほど!この発見は合点が行きました。私はブーツが好きで、夏でもよくショートブーツを履いています。しっかりした足元で闊歩している方が、華奢なサンダルでしゃなりしゃなりと歩くより性に合っています。身体は私が気付く前から、弱点を知っていたようです。足首から脛にかけて温めていれば、ミニスカートやショートパンツで脚自体を出していても、さほど冷えないことにも気づきました。
(最近は変形性股関節症らしい股関節の問題で脚全体を冷やさないようにしていますが、これは別の問題でしょう)
(↑勢い真冬にはこんなルームシューズを愛用していました。2、3年で履き潰し、今年はブラックにしましたが今のところ暖冬で出番なし)
「正しい!」
と悟ったら、君主でなくとも豹変します。以来、私は靴下を履いて寝るようになりました。夏は薄手のユルユルの靴下(暑ければ知らないうちに脱いでいます)、冬は「脛を冷やさないよう」ハイソックスです。夫からは不評で、
「一緒に寝る人のことも考えてほしいよ~💦」
と、冗談半分本気半分でブイブイ言っていましたが、私の悟りに揺るぎありませんでした。面白いことに昨年の冬から、夫まで靴下を履いて寝るようになりました。やや口惜しそうながら、「よく眠れる」と効用を認めています。夫はもともと低血圧の冷え症なので、すぐに違いを実感したようです。
経験から言うと、身体に冷えた部分があると、それが腕でも足先でも腰でもトイレが近くなります。その部分を他の部分よりも一段と温めると改善されます。冬の夜中にトイレで目覚めるのはがっかりだし口惜しいので、寝ているときも冷えた部分を作らないように注意しています。特に血圧が高い場合、朝までぐっすり眠れることは非常に重要です。
ご存知のように腎臓は体内の塩分と水分を排出する役目を負っていますが、その機能が低下すると尿の排出がうまくできずに血液量が増え、これがまた血圧を押し上げるという悪循環に陥ります。高血圧症の人は慢性腎臓病も要注意なのです。「ためしてガッテン」によれば、腎臓は通常、夜中は休んでいますが、排出が間に合わないと寝ている間も働き続け、トイレに起きてしまいます。休めないと腎臓はさらに疲弊して機能が低下するので、夜中のトイレは口惜しいどころではないようです。機能低下の原因は塩分の摂り過ぎ以外に、冷えも大いにあると思います。
「スネヲヒヤスナ」というぶっきらぼうな一言は、それをきっかけにいろいろな気づきに至る大きな福音でした。実はここ数年、何年かおきにこの野太い声を聞くようになりました。メッセージは毎回全く違いますが、どれも生涯にわたって従うべき重要なものばかりです。
=============
編集後記「マヨネーズ」
次男(16歳)は夫と外見、性格、食べ物の好み、髪質までよく似ていて、私は自分と共通するところが少ない2人を「一卵性父子」と呼んでいます。次男も多分、低血圧の冷え症体質のようで、勧めなくても自分から靴下を履いて寝ていました。夫は「あれじゃモテない」と心配していますが、子どもの方が見栄を張らず正直ですね(笑)
私は今では靴下からさらに一段進めて着圧ソックスにし、冬でも朝までぐっすりを励行中。
後日談「ふたこと、みこと」(2021年9月):
今や24歳となった次男。22歳のワーキングホリデー中にイギリス生まれNZ育ちのガールフレンドと知り合り、今はオークランドで一緒に暮らしています。冬に寝る時、どんなカッコなのかは不明です
「スネヲヒヤスナ」
という厳かにしてぶっきらぼうな野太い声がしました。男性の声です。
「脛(すね)を冷やすな?」
「脛?ふくらはぎじゃないの?」
私は反射的に聞き返しましたが、声は2度としませんでした。ふくらはぎはよく「第二の心臓」とも呼ばれる大事な場所。特に私のように血圧が高めの場合は、心臓から最も遠い足先の血行を良くすることは重要です。そのためには、ふくらはぎが心臓のように要になります。夢の中でさえ、突然の一言に咄嗟に反応したのは、私が普段からふくらはぎの大切さを意識していたからでしょう。
直後に目を覚ましました。 「ふくらはぎじゃないの?」 という問いかけは、本当に声に出していたかもしれません。それぐらいしっかりと目が覚めました。暗闇の中で、
「これは夢じゃない。」
と感じました。同時に、
「これはきっと真実だ。」
とも感じました。忘れないように、
「スネヲヒヤスナ」
「スネヲヒヤスナ」
と呪文のように心の中で唱え、再び眠りにつきました。
冷やさない、逆に言えば温めるとどうなるか?お風呂に入って、血管、筋肉、関節など全身が緩むと気持ちがいいものです。寒かったり冷えたりしている実感がなくても、真夏でもない限りお風呂や布団の中は快適な場所ではないでしょうか?温めて緩むことでリラックスし、それが身体にとって良い状態だからこそ気持ちよく感じるのでしょう。しかし、脛とふくらはぎは脚の裏と表、どちらかだけを温めることはまずありません。あえて「脛」と限定されると気になります。
「なぜ脛?」
長年師事したヨガの先生の口癖は、
"Listen to your body"(身体の声を聞け)
でした。おかげで身体のすみずみにまで意識を持っていく癖を身につけていた私は、脛という指摘を受けてから膝下に意識を持って行くようになりました。その結果、膝下で冷えている部分が足首の前の方、足の甲のやや上から脛にかけてであることに気付きました。そこが足先やふくらはぎよりも冷えやすく、血行が悪くなっているようでした。人間の身体で首がつく部分はどれも細く複雑な構造で、血行が悪くなりがちだそうですが。
なるほど!この発見は合点が行きました。私はブーツが好きで、夏でもよくショートブーツを履いています。しっかりした足元で闊歩している方が、華奢なサンダルでしゃなりしゃなりと歩くより性に合っています。身体は私が気付く前から、弱点を知っていたようです。足首から脛にかけて温めていれば、ミニスカートやショートパンツで脚自体を出していても、さほど冷えないことにも気づきました。
(最近は変形性股関節症らしい股関節の問題で脚全体を冷やさないようにしていますが、これは別の問題でしょう)
(↑勢い真冬にはこんなルームシューズを愛用していました。2、3年で履き潰し、今年はブラックにしましたが今のところ暖冬で出番なし)
「正しい!」
と悟ったら、君主でなくとも豹変します。以来、私は靴下を履いて寝るようになりました。夏は薄手のユルユルの靴下(暑ければ知らないうちに脱いでいます)、冬は「脛を冷やさないよう」ハイソックスです。夫からは不評で、
「一緒に寝る人のことも考えてほしいよ~💦」
と、冗談半分本気半分でブイブイ言っていましたが、私の悟りに揺るぎありませんでした。面白いことに昨年の冬から、夫まで靴下を履いて寝るようになりました。やや口惜しそうながら、「よく眠れる」と効用を認めています。夫はもともと低血圧の冷え症なので、すぐに違いを実感したようです。
経験から言うと、身体に冷えた部分があると、それが腕でも足先でも腰でもトイレが近くなります。その部分を他の部分よりも一段と温めると改善されます。冬の夜中にトイレで目覚めるのはがっかりだし口惜しいので、寝ているときも冷えた部分を作らないように注意しています。特に血圧が高い場合、朝までぐっすり眠れることは非常に重要です。
ご存知のように腎臓は体内の塩分と水分を排出する役目を負っていますが、その機能が低下すると尿の排出がうまくできずに血液量が増え、これがまた血圧を押し上げるという悪循環に陥ります。高血圧症の人は慢性腎臓病も要注意なのです。「ためしてガッテン」によれば、腎臓は通常、夜中は休んでいますが、排出が間に合わないと寝ている間も働き続け、トイレに起きてしまいます。休めないと腎臓はさらに疲弊して機能が低下するので、夜中のトイレは口惜しいどころではないようです。機能低下の原因は塩分の摂り過ぎ以外に、冷えも大いにあると思います。
「スネヲヒヤスナ」というぶっきらぼうな一言は、それをきっかけにいろいろな気づきに至る大きな福音でした。実はここ数年、何年かおきにこの野太い声を聞くようになりました。メッセージは毎回全く違いますが、どれも生涯にわたって従うべき重要なものばかりです。
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編集後記「マヨネーズ」
次男(16歳)は夫と外見、性格、食べ物の好み、髪質までよく似ていて、私は自分と共通するところが少ない2人を「一卵性父子」と呼んでいます。次男も多分、低血圧の冷え症体質のようで、勧めなくても自分から靴下を履いて寝ていました。夫は「あれじゃモテない」と心配していますが、子どもの方が見栄を張らず正直ですね(笑)
私は今では靴下からさらに一段進めて着圧ソックスにし、冬でも朝までぐっすりを励行中。
後日談「ふたこと、みこと」(2021年9月):
今や24歳となった次男。22歳のワーキングホリデー中にイギリス生まれNZ育ちのガールフレンドと知り合り、今はオークランドで一緒に暮らしています。冬に寝る時、どんなカッコなのかは不明です