旧庁舎
北千住にウォーキングがてら出かける時は、
東京拘置所の前を通ります。
東京拘置所(東京都葛飾区小菅)は地域の景観に配慮した新しいタイプ(都市型)の施設で、
外塀がありません。
そのため、圧迫感はなく、整然としていて、風通しの良い感じで、
敷地内にある道場なんかは、中で剣道や柔道の練習をしている様子を通りすがりに見ることができます。
そんな拘置所にあって、以前から気になっていた建物がありました。
薄い水色の建物で塔のようなもののてっぺんに時計が付いています。
(稲荷門前の通りからちょこっと見えます。)
先日行われた「東京拘置所矯正展」にて、遂にこの建物の正体が分かりました。
これは拘置所の旧庁舎で、1932年に「喜劇王」チャーリー・チャップリンが来日してこちらを訪れた時、
「世界一の設備」と絶賛したそうです。
現在は使用されておらず、今後どうするか正式には決まっていないので、
もしかしたら取り壊される可能性もあり、「矯正展」で見ることができたのはラッキーでした。
(保存を求める声も上がっているそうです。)
ところで、この旧庁舎について、もう一つ記しておかなければならないものがあります。
「開かずの門」です。
(「東京拘置所矯正展」でちびっ子刑務官制服試着・撮影コーナーの所に貼られた「開かずの門」の写真)
これは小菅集治監の監門(獄の内外を仕切る門)です。
関東大震災の際、集治監は全壊しましたが、
1929年(昭和4年)、小菅刑務所(旧庁舎)が建てられるにあたり、
集治監の象徴とも言えるこの門を外塀の一部に記念として残したのだそうです。
決して開けられることがないことから、「開かずの門」と呼ばれているのだそうです。
この地の略歴については東京拘置所と史跡(1)をご覧ください。
この「開かずの門」の写真は旧庁舎の内側から撮られたようですが、
「矯正展」では、外側から確認することができました。
実物はとても大きいものでした。
明治・集治監時代のもの。保存を求める声があがるのも当然のように思いました。
記念資料館としてなんとか残せないものでしょうか。
(資料館として公開するのは大変かもしれませんが・・・。)
現・東京拘置所のある地は、非常にユニークな歴史を持っています。
この旧庁舎もまた、私は史跡の1つのように思えるのです。