散策中の出来事
私、自分には文学の鑑賞能力が全然ないと、ずーっと思っております。
特に古典が苦手です。
なかでも俳句とか短歌などは、学生の時、暗記ばかりさせられていたので、好きではありません。
ところが、ちょっと前、歯医者さんに歯のクリーニングをしてもらいに行った時、
診察台の傍らに置かれていた「シルバー川柳」を読んで、
川柳っていいなぁ、と思いました。
たった17文字で自分の気持ちや境遇をこんなにも表現できるものかと、
先生を待つ間、一人熟読し、感嘆したのでありました。
その時代の社会や環境など、作品の背景を理解していないと、
作品の良さをなかなか理解できないのかもしれません。
(あと文法とか、語句とか。古典はハードルが高いんだよねぇ。)
さて、ある日のこと。
神奈川のとある場所をウォーキングしておりました。
すると、ある貼り紙が目に留まりました。
「一年間 愛し育てた その花の 咲く時見れぬ 悲しさよ」
と書かれています。
そこは「テナント募集」の紙が貼られた建物。
空き店舗の外壁に貼られていたものでした。
作者の無念の気持ちや手塩にかけて育てた花を案じる気持ちなどが強く伝わってきました。
できれば、代わりにお花の世話をすることができたらよいのですが、
それはちょっと難しい状況。
胸が痛むのでした。
…。
短歌のもつ力もすごいですね。