カレーパンは具だくさんのものが大好きであります。
よって、中身に何が入っているか、これが重要ポイントでありました。
ところが、こちらのカレーパンをいただいて、その評価を変えました。
ガツンとパンチを食らったような気分であります。
札幌の名店「とんかつ玉藤」さんのカレーパンであります。
中はこんな感じ。
厚さ 8mm ほどのパンの中にカレールゥがしっかり詰まっています。
とても具だくさんとは言えません。
せいぜい荒く刻まれた玉ねぎが、時々感じられる程度です。
本来なら、到底、私の好みとは言えないのです。
ところがものすごく美味しい。
小腹が減った時のおにぎりに匹敵するぐらい、ボリュームがある良いお惣菜パンであります。
なぜなのか、真剣に考えました。
まず第一に、パンの厚さが良いと思います。
大抵のカレーパンは、これよりはるかに薄いか、厚いかのどちらかであります。
薄いと中は空洞、ぺしゃんことなります。
故に食感のないカレールゥだけがやたら目立つこととなり、食感的につまらなくなります。
だから色々な具が欲しくなる。
反対に、パン生地が厚くなると、今度はパン生地の食感が強くなる。
カレールゥは味のアシストだけ。
表面のパン粉が食感のアシストをしますが、同じ食感が続くので単調となり、やはり飽きてしまう。
他の具が欲しくなります。
しかし、玉藤さんのパン生地は絶妙な厚さ。
程よくパンにボリュームがあります。
こちらを食べていると、一瞬、カレーライスを食べているのかと思ってしまうほど。
（不思議な感覚！）
そう感じさせるくらい、良いボリュームであります。
すなわち、パンとカレールゥの比率が良いと、具が入ってなくても美味しいのです。
第二に、その大きさであります。
カレーパンにしてはちょっと小ぶり。
ちょっとでかくしたクリームコロッケのような形と大きさであります。
よって、食べ飽きる前に完食してしまいます。
どのくらいの大きさにするか、これもまた大事なポイントであります。
第三に衣であります。
さすが、とんかつ屋さん。
このカレーパンは冷めても、油でべちゃっとなりません。
カラッと上がっており、油切れが完璧であります。
冷めても美味しくいただくことができます。
これは本当にカレーパンなのかと思うくらい、衣がお惣菜の揚げ物のような感じで、思わずご飯にのっけてみたらどうだろう、なんて考えてしまうのですが、それはやはり、とんかつ屋さんならではであり、カレーパンの定義からそれていないのなら、カレーパンなのであります。
この揚げの技術は、パン屋さんにはなかなか真似できなかろうと思います。
第四にカレールゥのおいしさであります。
結構辛いので、苦手な方は躊躇するかもしれません。
しかし、それよりも特筆すべきは、スパイスの香りの良さでありましょう。
飲み込んだ後も、しばらくは胃からスパイスの香りが立ち上ってくるほど。
このカレーのかかった、カツカレー はさぞ美味しいに違いありません。
今度は是非、カツカレーもいただいてみたいと思います。
以上のことから、具だくさんではないのに、「とんかつ玉藤」さんのカレーパンは大好きとなりました。
先日、MY LOVE「エスタ」が閉業に向けてのカウントダウンを始めました。
「エスタ」には、ホント、たくさんお世話になったので、閉業すると聞いた時は衝撃が走りました。
別れを惜しむため、できるだけ「エスタ」を利用しようと、10階のレストラン 街にある「とんかつ玉藤」さんに伺い、カレーパンの存在を知りました。
今回は「梅おろしロースカツ」を注文。
相変わらず、練がらしがフレッシュ！すごくツーンとくる突き抜けた辛さと香り。
とんかつ屋さんのカレーパンってどんな感じなのだろう、そんな興味本位で注文したのですが、非常に良い買い物をしました。
テイクアウトのみでの販売。
エスタの閉業により、「とんかつ玉藤」エスタ店も閉業することになってしまいます。
札幌中心街のどこかに移転していただけるとうれしいです。
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