SSF 光夫天 ~ 詩と朗読と音楽と ~ 

◆ 言葉と音楽の『優しさ』の 散歩スケッチ ◆

軍艦マーチ 鳴りやむべし

2020-04-25 15:31:42 | 『コロナ:考』新しい試みです(2020年4月より)

~ 軍艦マーチ 鳴りやむべし ~

【動画】(3分6秒)

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読売新聞 編集手帳より ~令和2年(2020年)4月25日~

(本文)

◆自宅から駅に向かう途中の歩道に、カラスが時々えさをあさりに来るゴミ置き場がある。人や自転車は散らばった生ゴミをよけるため、危うくも、道路側にはみ出して行く。

◆だが、今年初め頃、近所の高齢の女性が、ほうきで片付けているところに行き合った。安心して歩道を進むことができた。収集車が来るまでの数時間のこととはいえ、女性のおかげで、事故に遭わずに済んだ通行者が、いたのではないかと思った。

見知らぬ人にそれとは気づかないまま、助けられている―― そんなことが今、じつは、至る所で起こっていそうである。

◆感染を広げないため我慢して家を出ない人、苦渋の決断で店を休んだ人…息を吸い込んで苦しさを感じないでいられるのは、100%自分の心がけによると言える人はいまい。

何とか、医療崩壊の寸前で踏みとどまれているのは、医療従事者の、命がけの戦いはもちろん、市井の人が誠意を束ね続けているからでもあろう。

◆ところが、である。パチンコ店の開店に合わせ、朝から密な行列を作る人たちもいる。誰かに助けられていることに、気づいているのか、いないのか。

軍艦マーチ、鳴りやむべし。