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その心がけの結集が、戦いの幕を引き寄せるだろう

2020-04-28 13:02:09 | 『コロナ:考』新しい試みです(2020年4月より)

■その心がけの結集が、戦いの幕を引き寄せるだろう

(本文)【読売新聞 編集手帳 令和2年(2020年)4月27日より】

 

◆太宰治が、自身の帰郷を題材に綴った紀行小説『津軽』は、

 戦時中に発表された。 南方から戻った知人のT君が登場する。

◆戦地で一番うれしかったことは? 主人公の問いに、お酒が好きだった彼はビールの配給を挙げる。 「途中でコップを唇から離して一息つこうと思ったのですが、どうしてもコップが唇から、離れないのですね」 その心理は戦争の経験がない身にも、わかる気がする。

 もっとも周囲を銃弾が飛び交えば、T君とて、飲むのを中断したに違いない。

◆小説から現実に視線を移す。 今どこかで人が混み合えば、戦場の銃弾さながらにウイルスが飛び交う可能性が高まる。そんな場所で、遊興にふける人が絶えないのは、危険が目に見えないからだろう。 パチンコ店にナイトクラブ…地域ごとに様々な事例が報じられてきた。

◆政府が先週、休業要請に応じない事業者に、店名公表などの措置をとるための、指針を通知し、大阪府はパチンコ店の名前を公表した。 クラスター(感染集団)発生への、各地の危機感は強い。

◆見えない危険に目を凝らし、聞こえない音に耳を澄ます。 その心がけの結集が戦いの幕を、引き寄せるだろう。

 

 

【動画 】太宰治の小説『津軽』(戦時中)と大阪のパチンコ店(今)                   

【URL】 

 

コロナ対策として、日々感じたものを”ブログ”できたらと思考しているところです。

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