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脇線袋縫い+シームポケットの縫い方手順の覚書き

2022-04-22 | recipe@手で創るもの

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ひとえ仕立てのコートは、ボタンを開けて着たりすると、脇線やポケット袋布の縫い代部分がとっても見えやすい。


なので今回は、
脇線も、ポケット袋布も、縫い代を袋縫いでぜひとも仕上げたかったのです。
(縫い代をロックミシンで始末して割ってしまえば話はとっても簡単なんだけど)



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以前から活用したおしているFLWのソーイングとスタイルという本に、同じ仕様があったのを思い出し、それを参考にしながら順を追って縫っていく…


が!!

どっちが表か、どっちが前身頃側か、どっちがどう???あれ??なんで??????

と、それはもう何度も何度も、繰り返しまして。
ほんとにね、なんであんなにわけわかんなかったんだろう??と今思い返すとちょっと不思議なくらい
迷宮にはまりこんじゃったのですなー。


しまいには、この仕様をあきらめて、ネット上でもう少し縫いやすいやり方を探してみたり。


紆余曲折の末、結局もともともくろんでいたこの仕様に戻ってきたのですが、
何度も何度も縫ってはほどいていたのですでに脇線もポケット布もよれよれに…涙。


最終にはようやく着地できたんだけど、
ちょっと仕上がり完成度納得しきれないまま…というか今回はここが限界。涙。



そんなわけで、いろいろいろいろ試行錯誤している中で、
本とは手順を変えた方がやりやすかったとこを自分用に覚書メモ。



⓪準備

ポケット布の縫い代はポケット口も含めて周囲ぐるっと1.5cmつける。
布目はポケット口のラインで。

※身頃側のポケット口縫い代に接着芯を貼ると仕上がった時に厚みが出てしまうので、
芯は貼らず、ポケット布側で布目をタテにとることで伸びどめ代わりにする方がすっきりする。



●縫製手順●

①ポケット布の周囲を、
外表で縫い代0.7cmで縫った後、中表で縫い代0.8で縫い、袋縫いを仕上げる。

上下4cmずつ縫い残しておく。

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仕上がったこの段階で、
外側に出ている方が裏。内側、手の入る方が表。

これを間違えると大変!



②脇線を、外表縫い代0.7cmで

・脇(袖下から脇を続けて縫う場合は袖下から)~上側のポケット布つけどまりまで(オレンジの丸白抜き)
・すそ~下側のポケット布つけどまりまで(オレンジの丸印塗りつぶしてある方)

縫い、縫いどまりの部分の縫い代を縫い目まで切り込みをいれておく

※補足記事あります。
補足と訂正!!脇線袋縫い+シームポケットの縫い方手順の覚書き


③ポケット布の表(ポケットの内側=手が入る方)が外側に来るように返し、

ポケット布の上端から下端まで(オレンジの丸印間)、身頃と外表で縫い代1.5cmで縫いあわせる。
端の折りかえっている部分は折りかえったまま縫う。

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④ポケット布と身頃のはぎ部分を折伏せ縫いで仕上げる。

ポケット布側の縫い代を0.7cmにカットし、身頃側の縫い代でくるんで始末。
(縫い代がポケット布側に倒れている状態)

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⑤脇線の縫い代の袋縫いの準備。

はみ出そうな部分などをカットして整え、縫い代を割ってアイロン。


⑥脇線の袋縫いを仕上げる。合わせて、ポケット布の縫い残した部分を仕上げる。

・脇線上はし(袖下から脇を続けて縫う場合は袖口)~ポケット口の上側あきどまり(青い印)までと、ポケット布上部の縫い残した部分
・すそ~ポケット口の下側あきどまり(青い印)までと、ポケット布下部の縫い残した部分


脇線から続けて、ポケット布縫いどまり位置(オレンジの丸)→ポケット口あきどまり(青い印)まで縫う。
縫い目の上を落としミシンで。

そのままポケット布縫いどまり位置手前まで返し縫いし、ポケット布の縫い残した部分をぐるっと回って脇線とぶつかるところまで一筆書きで縫う。




ポケット



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⑦ポケット口の上下を何度か返し縫してかんぬきどめして完成!


※③と④の工程、ポケット布上下の端の部分がとっても縫いにくいので、無理そうならポケット布の縫い残し部分を多少多めに調整。

※ゆっくり丁寧にやらないと、いろんなところがずれやすい。




次回同じ場面が来た時に覚書したことを思い出しますように!


ひとえ仕立てのコートをリネンで。

2022-04-20 | 試行錯誤@手で創るもの

Mさまからのオーダー、リネンで創るひとえ仕立てのコート。

パターンは、スワニー鎌倉のオリジナルパターンNo.650をベースに、
肩幅やポケット、丈など、ご希望に応じてアレンジ。


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今回は丈は80cm。
膝上のハーフコート、という感じ。

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丸いスタンドカラーが特徴的なデザイン。
衿を立てて着てもよし。


もともとのデザインよりも方幅を狭め、
ポケットは外付けのパッチポケットを、脇線を利用したシームポケットに変更。

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が、
この、ひとえ仕立て、かつ、シームポケット、というのにものすごくものすごく手こずりました(涙)。

他の用事があったりもして、作業が細切れ時間にはなったけど、縫うだけで3日もかかってしまった…。
ポケットと脇線だけでも何度縫ってほどいたことか…。
思い出すだけで肩こります。


その涙の紆余曲折からの覚書きは後日~。


パンツの股上股下ライン問題

2022-04-03 | 試行錯誤@手で創るもの

ウエストゴムタイプのタイパンツパターンを改良しようと思ってあれやこれや検討中の続き。

通常の、布をたたんで紐でとめるタイプとは根本的に違う形にした方が
全体のラインがきれいに出る(特におしりのあたり)だろう、ということがはっきりしてきた。


というか、紐でとめる通常タイプも、もしかしたらこっちの形の方がきれいに履けるんじゃない??

…そうすると、もうタイパンツというよりも、「タイパンツ風」ですが。

でもシルエットがきれいに履ける方がいいしなぁ。


動きやすさという点ではどうなのか?も含めて検討が必要そうです。



そもそも、
普通のタイパンツのパターンというのは、前後同型で、前後の中心にはぎがない。
そうなると必然的に股下のところをカーブさせることで、脚がはいる2つのスペースを作ってパンツの形にさせてる。

タイパンツ中心パンツ製図

これがパンツの中心部分の製図。
ななめのラインが前&後ろ中心線。

中心線はまっすぐで、股下がカーブになっています。
それによって、中心線に縫い目が無い状態を作れるわけです。



一方、ワイドパンツの型紙。

ヌノコトワイドパンツ2
nunocoto fabric 2つのパーツだけで作る、リラックスワイドパンツの作り方

この製図は、脇線を縫わずに前後のパンツをつなげてしまうタイプ。

タイパンツとは逆で、股上(青い丸印)がカーブになっていて、股下(赤い丸印)が直線になってます。



ちなみに、
すそに向かって細くなっているシルエットのパンツでは
ヌノコトテーパード
nunocoto fabric テーパードゆるパンツの製図・作り方(大人)

股上も股下もカーブになっている。
そして、脇側もすそに向かってカーブになっている。


というのはどういうことか???


実際に履いてみた時、
股上部分はタイパンツの方がゆとりがある状態。
悪くいえば、ちょっともたつく。

そして股下部分、
ワイドなシルエットながら股下でカーブを描いているタイパンツは、
悪くいえば、ちょっとO脚っぽいラインになる。


…こうなるとまるで悪いとこだらけみたいですが(笑)、それがタイパンツのシルエットの特徴でありかわいさでもあるわけで。


いやいや、いいところもあって、
股上部分に縫い目が無いことで、
一番力のかかるおしりのとことかが丈夫なのだ。

漁師さんが履いていたパンツらしいから、きっと強度が大事だったのだ。


ヨガの時なんかは脚を大きく開くことが多いので、おしりのとこが裂けるとか、無いわけでもない。



前回の記事で写真をアップした赤いタイパンツ風ワイドパンツ。

CIMG2583.jpg
これね。


これは実は、上のリラックスワイドパンツのアレンジで、
ワイドパンツの型紙そのまんまの上に、切り替えをつけたものなのです。


これをベースにして寸法を調整することで
シルエットがきれいな「タイパンツ風」になるんじゃないかともくろんでます。

動きやすさは、パンツのすそ幅と股上の深さをたっぷりとることでフォローする作戦。


型紙ができたら、ウエストを紐でとめて布を折り返すタイプのものもそっちで作ってみようかな。


タイパンツの裾幅問題

2022-04-02 | 試行錯誤@手で創るもの

ウエストゴムタイプのタイパンツパターンを改良しようと思ってあれやこれや検討中。

通常の、布をたたんで紐でとめるタイプとは根本的に違う形にした方が
全体のラインがきれいに出る(特におしりのあたり)だろう、ということがはっきりしてきた。



どういう形にするにせよ、
パンツのシルエットを決める大きな要素になるもののひとつがすそ幅

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この赤い線の寸法。


すそ幅を大きくしようとすると、自動的に切り替えのラインでたたむ布=でっかいプリーツの部分の分量が多くなる。

すそ幅が小さいと、でっかいプリーツはそこまで大きくなく、そこで布がかたまってよれちゃうことはなくなるけど、
中途半端に小さすぎても前から見た時に股上ラインにへんなラインが出ちゃう。


そもそもそのでっかいプリーツがタイパンツのデザインのかわいいとこなので、ある程度のでかさは欲しいし、
ある程度のワイドさが無いとタイパンツっぽくないし。


すそ幅の広さとでっかいプリーツの分量はイコールなのだった。


ちなみに、
家にあるワイドパンツやタイパンツのすそ幅をいろいろとはかってみたら、
だいたい30cm前後。

この写真のタイパンツも30cm。

30cmあると「ワイドパンツ」的なシルエットが確保できる。

ここから先は好みの問題ですが、
わたしはもう少し広くてもいいかなあ、と思ってた。


持ってるパンツで一番すそ幅がワイドなやつが45cmだったんだけど、
こうなるとシルエットとしてはもはやスカート。

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巻きスカートのような雰囲気だけど

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でっかいプリーツをめくるとパンツ。

CIMG2582.jpg
後姿はこんな。
写真だとわかりにくいですが、股上はかなり深めの約43cm。


このパンツについては次の記事でもう少し詳しく。


上のグレーのパンツと比べるとでっかいプリーツの分量もだいぶ違うのがわかります。
赤いパンツの方はプリーツで布がたたみきれず、余った分を後ろ側でちょっとだけギャザー入れて納めてます。


ということで、
ワイドパンツのすそ幅としては
30~40cmくらいがちょうどいい感じになるのではないかな、と思います。

パンツ丈にもよりますが。