フランス・LYONの街中でもよく目にする「SUSHI」の人気店、「SUSHI SHOP」に行ってきました。
フランス国内のみならず12か国で約165店舗を展開する最大のSUSHIチェーンです。
テーブルには通常のしょうゆと「甘ダレ」的な2種類の醤油が置かれていました。
生姜とワサビはレジで注文の際に必要かどうか聞かれました。
店内はモダンなインテリアのなかに、ところどころ和のテイストをちりばめています。
職人的な調理スタッフは、全身黒づくめでした。
写真では空いてるように見えますが、来店時はちょうど昼時だったこともありレジには黒山の人だかりでした。
WEBで調べたところによると、テイクアウトが売り上げ全体の32%、デリバリーが55%と主に持ち帰りの比率が高いようです。
今回注文したのは、「BOX FOR TWO」と、「MAKI YELLOWTAIL」。
つまり2人用盛り合わせとブリの巻物1人前ですね。
こちらがメニュー表の盛り合わせ。
巻物6種×6、握り4種計6カン。
4人で食べてもボリュームは満足でした。
定番のカリフォルニアロールから、ライスペーパーで巻いたスプリングロールまで。
魚はサーモン、マグロのさまざまな味付けバリエーションで。
こちらはブリ。
実はブリって日本にしかいない魚だってご存知でした?
脂の乗ったブリにポン酢ソース、コリアンダー、つまりパクチーと生の青唐辛子。
この感じはちょっと伊豆諸島の島寿司を思い出しました。
食べてみて感じたのは、まずはちゃんと美味しいということ。
フランスで目にしてきた市場やお店の魚はほとんどが日本では通用しない鮮度レベルであり、正直厳しいと思っているのですが
このお店で提供されている魚は鮮度は良く美味しかったです。
きっと専用の流通網を持っているんでしょうね。
もともとアメリカの寿司チェーンのサービスを参考にフランス国内で20年前に創業されたのが始まりだそうですから、
大切にしているのは日本の寿司のような「鮮度」や「技術」だけではなくて、「食べやすさ」や「ヘルシー」、そして「ビジネスモデル」も含まれるのだと思うのです。
いろんなシェフとのコラボで斬新なメニュー提案もしていて、見た目からもとても興味を引きます。
ヒントは先日食べたすごく料理の美味しいカフェでのランチ・丼(Bowl)だったのですが、
地域の農家の野菜を使って米以外にもキヌアなどの食材が使われていて、いわゆる「丼」てきなルックスではありませんでした。
でも他の食材やソースとすごく調和していて、ヘルシーかつ美味しい「丼」料理に昇華していました。
それと同じで、ここで食べたスプリングロールやカリフォルニアロールは、野菜と動物性たんぱく質としての魚が彩りよく
盛りつけられ、最高に食べやすく提供されます。
酢飯というと寿司の世界では深いこだわりがある世界ですが、酢は弱めで香りも薄めなのはローカライズの結果でしょうか。
それも「RIZ(米) VINAIGRE(酢)」という表記を見て感じたのですが、野菜や魚が加わればこれはサラダそのものだと思いました。
先ほどお伝えしたとおり、テイクアウトや宅配のニーズが多いのは「弁当」だけではなく「パーティ」「飲み会」での使用も
多分に含まれていることでしょう。
ヘルシーで、見た目もよくて、つまみやすくて、ほどほどに非日常感のある料理。
さらにはフランスの食文化の中で考えると、saladや前菜entreeとしても十分に通じる。
そりゃあ受けるわな、と思うわけです。
既に完全に確立されているこちらのお店は、日本の寿司と比べて云々言うべきものではなく広い世界に「SUSHI」を提供する素晴らしいサービスだと思いました。
そこまで絶賛したうえで気になったことは、
①なぜマグロ(THON)、サーモン(SAUMON)につぐ推し食材が「ブリ」なのか、ということ。
なんとなく日本政府のブリ輸出推進の方針の影を感じざるを得ないのですが、だとすればこれは成功例なのかもしれませんね。
②アルコールメニューにワインはなく、ビールはアサヒとCOEDOのみ。日本酒が有りますが、「SHIRAKABEGURA」なる酒と「RIHAKU」のみなんですね。
なぜにここにきて島根の酒「李白」なのかと。
誰か教えてください。
はっきり言ってなめてましたが、「SUSHI SHOP」すごいと思いました!
海外で初めて食べたカリフォルニアロール、とっても美味しかったです。実は後日Picardという冷凍食品専門店にもお寿司があったので興味本位で食べてみましたが、こちらはそれなりでした。カリフォルニアロールという技法を使って日本人の味覚に合う料理が出来たらそれも楽しいだろうなと想像しています。