中堅ゼネコンに就職したN岡君。仕事があるので見積りしてくださいとのこと。協力会に所属していないわが社になんとか仕事をだそうと、必死に上司を説得して、見積依頼しているのが手に取るようにわかり、ほんとうにかわいいやつであります。
彼は、バスケット部ではありません。中学校3年の夏休み。宗教関係、地域団体、そんないろんな人から相談を受け、1ヶ月わが社で働いたという、経験の持ち主であります。大手の現場や危険と思われる仕事をさせるわけにはいきません。日当も払うわけにはいきませんが、払わないわけにもいけません。銀行の通帳を作り1日、1日日当を振り込み、1ヵ月後の通帳には中学生では考えられないお金が明記されていました。「いいか、この通帳は苦しい時、面白くない時、必ずお前を救ってくれる。お金は、ここだという時まで決して使ってはいけないょ。」
夏休みを終え約束どおり髪を黒に戻し、ピアスもはずし、あすから学校に行くと約束してくれました。
しかし、心無い教員の暴力で病院に入る羽目になってしまいました。自転車通学してはいけないと、けり倒されて、頭を打ってしまったという、事故ではなく、事件であります。
手をつけれない子供に一生懸命指導したということで、親御さんも、申し訳ないと、先生を非難することは、ありませんでした。
意識が戻った何日後、病室で、涙ながら彼といろんなことを、話しました。
その後なんとか、高校に入り、春休み、夏休み、冬休みと必ずうちの会社でアルバイトをし、そして、建築の専門学校に行って、今の彼があります。
「ありがとうな。あわてるな。今に必ずお前の仕事するから。」「いろんな流れや、からみで今は仕事できないけど、必ずその日が来ることを信じてがんばろう。」
と、誓い合いました。