安全は確率

またまた出ました、世界の正義アメリカ合衆国の高慢ちき発言。
ベン農務次官『BSEの危険より、交通事故の危険の方がすっと高い』
http://www.asahi.com/life/update/0125/001.html

そうです。確かにそのとおりです。
BSEに感染して死んだ人の話なんかほとんど聞かないし、
逆に交通事故で死んだってたいした記事にもなりゃしない。
さすが世界の正義、的を射てます。

だから米国は自国ではＢＳＥの検査をほとんど行っていないんですよね。
たいした確率じゃないもの。
でも、しっかり検査しているカナダ産の牛肉は輸入禁止なんですよね。
発病した事実を確認しているから。
自国では検査なんてろくにしていないから当然発病の事実なんてない。
事実がないからとっても安全ですね。
すばらしい危機管理です。

捻じ曲げられた統計と頓珍漢な確率によって世界の正義は保たれてます。
交通事故の死者に比べれば、銃による死者なんてものの数ではない。だから禁止しない。
全世界の交通事故による死者から比べれば、イラク戦争の民間人の死者の数なんて微々たるもの。
自動車が発明されてから交通事故で死んだ人の数と、核兵器が発明されてから被曝して
死んだ人の数ではどうか。


話を戻して
日本国民周知のことだが、今回の騒動で米国側の検査体制が良くなるなどとはゆめゆめ思ってはいけない。
彼の発言でもわかるとおり、向こうは『今回は偶々だよ』と思っている。
万全を期そうという考えなど毛頭ないのだ。
さらに、米国でも日本の【農協】のような半ば公的な機関が管理していると思ったら大間違いだからだ。
米国の農業、いや農産物は数社の超大企業の支配下にあるといっていい。
この力は強大で、おそらくベル次官の首もあっという間に吹き飛ぶほどのものだろう。
その企業がBSE検査に消極的なのだから、今後の検査体制が改善される見通しはほとんどない、と思う。

自国の都合≒正義とすることは、間違った考え方ではない。たぶんね。
だって、正義なんて立場で変わるから。
でも、それが力によってごり押しされると反発もしたくなる。
でも、やっぱり一番怒りを感じてしまうのは、飼い犬のポチだな。