それは 突然 訪れた
中断はあるものの
前職から ひとりの青年と 会うことを
月一度 取り組んできた
僕は行くと いつも不在の青年に
次回の訪問日時 メモに記し置く
それは彼が
僕と 会うか会わないかを
自らの意志で決める
自己決定の余地 作るために
先日も 彼は僕と 会わないを選択をした
はずだった…
その時 僕は父親と 外で歓談していた
「こうして話しとって、息子が帰ってくるとエエですナァ」
父の 微かな望みが 現実となった
青年も 恐らく驚いただろう
もう既に 居ないと 思っていたはず…
彼は 父と僕の 後ろをすり抜け
言葉なく 扉の向こうに消えた
初めて 父親と会った 10年前
「息子は甘えとるんですワ。私らがホイホイ仕送りしよる
と思っとる。だからJUNさん、来月から仕送り減額しよう
思うとりマス」
気持ちは分かるけど 厳しい父親だナ…
昨日のように 思い起こす
あれから 3650日以上を経て…
父は その扉を開ける前
必ず 事前にメールをして 電話をかけて
それから 扉の鍵を開ける
その徹底ぶりは 僕の それを上回る
「半月ほど前、家内が作ってくれたカレー差し入れに来て、
部屋に入ったら、パソコンのディスプレイがまだ温かい。
おそらく、慌ててベッドに横になったんだと思いマス」
「もう、相変わらず何も言わんのですけど、僕も生きてるか
死んでるくらいは、確認する権利はある(苦笑)」
「QちゃんQちゃん言うて、頭撫でながら、その温もり
確かめてきたんですワ」
父は長らく アパレル業界の第一線で
デニムジーンズ 売りまくってこられた
自らは 一生懸命 家族を守り 養い支えてきた
それなのに 我が息子は 何たることか…
その真っすぐな想いは 青年の立場に変換
より洗練され 今に至る
「JUNさん、僕はまだあきらめてへんから。
Qちゃんがひきこもりを抜け出すまで、
死ぬまで、応援するつもりです」
自負を封印 自らの価値観を改めて
なお ご子息のこれからを 想う 願う
そのパスが 出てくる限り
僕は 何度でも
次のトライは
彼の目を見て 話すこと ♬
MISIA - アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)(Lyric Ver.)