自分の目で「見る」って、難しいなぁ

『自由の哲学』の中身を一言で言うと、
「自由になっていくために、自分で見て考えて動け」
ってことに尽きる。

真面目に一文ずつ読んできて、
すでに自分は、自分で見て考える姿勢が身についてる、と思ってた。
なのに、自分のことでまた気づいたことがあった。
嬉しいなぁ。

それが、おととい考えた「怒りたい！」について。

言語造形のために自分が選ぶテキストが、
ことごとく自分の性質の「水」じゃなくて「火」のテキストだったことを
こないだ、話をしているうちに人から指摘されて
「うわっ！　ほんまや～～～！」と気づいたのでした。

宮本武蔵の五輪の書だったり、
幸田文が露伴からガンガンやられながら家事を身に着けるところだったり。
自分じゃ意識してなかったけど、
実は、こっそりあこがれてたのね、火の性質に。

太宰の人間失格のくよくよした冒頭を選びかけた時は、
読みながら、「あ、私、実はこっち方面の性格だ。
こっちを強化してどーする？？」と思ってやめたもの。
とことん理知的なシュタイナーの講演も、
どーも気持ちが乗らなくて、１回でやめたもの。

容赦なく、妥協なく、命がけでキラキラ生きる、
火の性質。
そういえば、岡本太郎の本から選ぼうと付箋もいくつか付けたっけ。
そういうのに憧れてたのか～。なるほどなー。

本気。命がけ。熱。火山。爆発。勇気。覚悟。
穏やかな、穏やかすぎる私に欠けているもの。

火と水、風と土は、それぞれ対極だから、
両方を手に入れるのは難しいと思うんだけど、
円周の周りをウロウロしてることないもんね。
中心に寄っていけばいいんだ。

バランスのいい人間は、
地水火風の円のコンパスの針のところにいる。
いろいろ偏った性質のど真ん中に立って、
それぞれの場面にふさわしい性質を
自由に繰り出せるイメージ。

とは言え、自分に重ねられる「火」のイメージは、
火山になって不用意に爆発するんじゃなくて、
せいぜい、普段穏やかなのに、
必要な時にはガンコに従わない、というくらい。

ああ、それだって、果てしなく難しい。
私が、遠藤周作の「沈黙」に出てくるキリシタンだとして、
踏み絵を踏むか。
外からの強制には耐えきれず、踏み絵は踏んで、
内なる自由の中で、教えは守っていくやろうなぁ。

あれ？
大体、火山を爆発させる必要があるのって、
外からの強制に対してやんな？
すでに「外のことは仕方ない」って負けてるやん(^^；)。

せめて、意識できる時は、
モメるのを嫌がるクセ、やめてみよう。
すぐ調整役になるクセ、やめてみよう。
自分はこう考える、ってところを静かに表現していこう。