On The Road

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6-24

2010-03-14 20:44:04 | OnTheRoad第6章
 あずの家は僕の家や高校やなでしこのある駅より2つ上った駅から、木村さんの高校のほうに行ったところにあるとあずが教えてくれた。お父さんは公務員でお母さんは専業主婦だそうだ。
 神社には関係ないおまつりが開かれる公園には、駐車場も売店もない。僕はバスが通らないわりと広い道に車をとめた。花火の夜は路上駐車の車がズラーッと並ぶけど、冬の夜に公園に来る人はいないみたいでとまっている車はない。
 道路側から降りるあずはドアミラーを見てドアをあけた。僕はあずが歩道に来たのを見とどけて車を降りた。

 「1年の夏に花火を見たんだよね」。あずは小さいバッグにハンカチを戻しながら言った。そういえば人気のあった短距離のモリ君が女の子たちに声をかけて、花火を見にきたことがあった。女の子たちはモリ君と話したくて、モリ君と中学からの友達だった僕はシートやジュースを持って女の子たちのあとを歩いた。
 有望な新人だったスズキさんは女の子の後ろのほうを歩いていて、僕とすこし話した。「私は走るのが楽しいだけなんです」
 17歳の僕にはわからなかったけど、あずはホントは記録にしばられて走るのはイヤだったのかもしれない。


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