On The Road

小説『On The Road』と、作者と、読者のページです。はじめての方は、「小説の先頭へGO!」からどうぞ。

6-25

2010-03-15 21:09:26 | OnTheRoad第6章
 「花火を見てタコ焼きや焼きソバやかき氷を食べて、コージ君はひとりで片付けてた」
 「役に立つことをしていればジャマにはならないからね」

 「女子部員のあいだでは、コージ君はけっこう人気あったんだよ。スマップでいえば草薙君みたいな感じで」
 それを知っていたら僕の人生はすこし変わっただろうか。結局、同じだったような気がする。

 「今日の僕たちの道は海に行ってこの公園までで終わりだね」。公園のなかは明かりはあるけど暗くて、入口近くの広場を歩きながら僕が言った。
 「いつか内房へ行こうね」。あずは後ろから僕の腕につかまった。「内房だって北海道だって行くよ」と僕はあずを抱きよせた。「二人で道を作ろう」

 公園に入ったときは真っ暗に見えたけど、目が慣れてくると高い木や低い木が見えた。木から目を離して腕のなかのあずを見た。僕を見上げていたあずは、何かささやいて目をとじた。僕はあずの顔の角度をすこし変えて「ずっと一緒にいたい」と言って唇を合わせた。
 あずは僕の頭に手を伸ばして僕が離そうとした唇を引きよせた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。