On The Road

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2009-12-06 20:50:45 | OnTheRoad第1章
3日後から、僕はピザのデリバリーを始めた。デリバリーは注文があった時だけ働けばいい。深夜のコンビニよりは詩が書けそうだ。何より深夜に働くのはもうウンザリだったから、時給は下がるけど11時から19時の勤務がうれしかった。
ピザ店のキッチンは4人、デリバリーは2人。注文が入るまでは座って待機するように言われた(^O^)

デリバリーには交替で出る。1人で残っている時は詩の素材を見つけるため、僕は店の外を眺めた。でも、花ひとつない冬の景色から詩の素材を見つけるのは難しい。それに、何か思い付きそうになると、デリバリーのナカムラ君かワタナベ君が戻ってくる。ナカムラ君はかなりのおしゃべりだ。だから僕は、ナカムラ君が高校時代には野球部にいて、女子マネと付き合っていたけどその子の性格はあまり良くなくて、今の彼女は性格も見た目もいいということまで1日めに知った。でもグレーのノートに詩が書かれることはなかった。

平日の昼でもピザ店は結構忙しかった。意外だけど、奥さんたちのホームパーティで需要が高まるのだ。
昼間からワインで盛り上がったオバサンに1杯飲んで行くように言われたことがある。仕事中なのでと早急に立ち去ったけれど、女たちを自由にさせておくのはあまりよくない気がした。


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