“蜃の吐く気は楼閣を成す”
蜃とは砂漠に棲む大ハマグリ、それも特大、怪物級のもののようだ。
もちろん、実際に見たという人もほぼなく(中には九死に一生を得た中で見たという人もあったかもしれず、断言に自身ない(^^♪))、現象面から逆に語られた想像の産物である。
・・お正月の話としては、“ゴビ砂漠で蜃発見!蜃気楼の正体明らかに・・”程度のことがあればうれしいと思う・・
世界ではフランスが現役戦闘機の名称に付けた(ミラージュ)。そんな車もあったかな?
一種ということであれば、夏のアスファルト舗道でどこでも見られる。“逃げ水”というのかな・・?
日本で蜃気楼と言えば、北陸富山の魚津が有名。
そんな冬型蜃気楼が、この海でも見られる。有明海だ。
天草四郎伝説の島、談合島や九十九島(つくもじま)が浮島に見える。
(これは九十九島ではないです・・)
九十九島はともかく、談合島がぽっかり浮くことはないだろうね・・あると困るけど。
前にも書いたことがあるんだけど、思い出したように書く。
年末、インドネシアでコンサートを楽しんでいた観光客が一瞬にして津波に呑まれる映像が流れた。
地震由来の津波だったらこういうことはなかったと思う。前触れもなく突然に襲ったのだ。
同様の災害が襲った場所、それがこの蜃気楼の海域である。
実際に見てたわけじゃない(当たり前・・(^^;)だけど、寛政4年(1792年)に雲仙火山群の一山、眉山(まゆやま)が突然山体崩壊を起こした。
崩壊した山塊は有明海に大量に流れ込み津波が発生、対岸肥後までも押し寄せた。さらに陸地を洗った波は反射して再び島原を襲った。「島原大変肥後迷惑」というらしい。
有明海は大きな海だけど、外海に比べれば小さな池。どっぽ~んと石を投げ込んだら波紋が広がり、ざっぱ~んと岸を洗ったと思えばわかりやすいかも・・
ちなみに山体崩壊の原因は、直接の火山活動なのか、火山活動に誘発された地盤の歪みなのか・・等、今でもわからないらしい。
雲に隠れた頂が普賢岳。プレー式というのかな? 溶岩ドームを形成し、この崩落により大規模火砕流を起こす。
直上の写真中央、カシューナッツみたいな丘が眉山。この裏面にすり鉢状の窪みがある。崩落の痕跡で海に流れ込んだものが九十九島。
1792年と言えば、冒頭の無理無理こじつけでもないけど、フランス革命の年なんだね。
大変な“ご時世”だったんだ。新元号が始まるこの一年おだやかな年であってもらいたいな~
・・と思うのもつかの間、熊本でまた新年地震。
熊本城の修復進んでるけど・・
追い打ちはなしだよね〜!
阿蘇は白い噴煙でおとなしい・・みたい。