私はあの人が嫌い、大嫌いだから、あの人を殺してほしいの。
不自由な体が、コンプレックスで、男にモテない女が言った。
あいつとは、女の隣に住む女だ。
その女は、たいそう不細工で、デブで醜いが、それなりに楽しく生きている。
そんな女を、殺すなんて、無理だろう。
やくざは、断った。
その女はイラつき、覚せい剤を昔からやっていたので、たびたびした。
幻覚作用で、余計イラつき、それ以来人間らしさがない廃人になっていった。
女の好きなことは、男にモテること。
男に、ちやほやされて、セックスをすること。
お酒を飲むこと。
それから、架空の相手とメールして、美人に成りすますこと。
結婚はできなかった。
それは、この女の姿が醜いからではなく、心が醜いからだった。
また、覚せい剤を打って、いつも隣の女を憎んでいた。
そのうち、覚せい剤の常用のために、いくらやっても、満足しない体になった。
人の悪口や、欠点を言うのが趣味だから、毎日隣の女の悪口を言っていた。
そののち、その女は覚せい剤中毒で、警察に捕まった。
隣の女は、殺されずに、たすかりいまもいきている。
そして、いつものように、不細工でも、デブでも、まじめに生きている。