カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

マッシュルーム&コーンチャウダー

2011年11月07日 | Food

これからの季節、我が家の食卓にはサラダに変わってスープの登場回数が増えて参ります。

生の野菜は身体を冷やしてくれますので、暑い季節には嬉しいものですが、

食によって冷やされた身体は、芯から暖まるまでに時間がかかります。

ですので沢山のお野菜を一皿で摂ることの出来るスープは寒い季節には嬉しいお料理です。

本日は旬の茸の旨味を活かした、マッシュルームとコーンのチャウダーをご紹介。

 

ダイスにカットしたジャガイモは水にさらして灰汁を抜きます。

マッシュルーム色々、今回はエリンギ、生椎茸、ホワイトマッシュルームを使います。

タマネギのみじん切り、コーン、ブロッコリー。

煮込み用の鍋に少量のオリーブオイルバターを熱して、キノコとタマネギを炒めます。

茸とタマネギを入れるや否や塩を少量加えます。これで脱水作用が増します。

この場合、サッと炒めるのではなく、中火でひたすら延々と炒める必要があります。

こんなに沢山のキノコが・・・・・

これくらいになるまでです。ここまで余裕で20分。

これはイタリアンでよく使われる技法ですが、

キノコの食感を楽しむ為のものではなく、

キノコの水分を完全に抜き切ることで、キノコの持つ土の香りを引き出すものです。

時間はかかりますが、本当に味わい深く、時間を掛けて損のない行程です。

そこに小麦粉を投入。仕上がりはサラッとしたスープですが、滑らかさを出したいので使用。

今回はホワイトソースなどを別に作る必要は有りません。

火を少し弱めて、小麦粉の粉っぽさが無くなるまで、

鍋を木べらで擦るようにしながら炒めます。

ここに冷たいミルクを一気に流し込みます。

もたもたしておりますと小麦粉がダマになってしまいますので手早くお願いします。

どんなミルクでも構いませんが、私は低脂肪のものを使います。

これは脂肪分を気にするというより、牛乳を沸騰させた時に出る臭みが少ないからです。

このミルクを生クリーム少々に変えまして、塩こしょうで味を整えますと、

すばらしいパスタソースになります。

特にマッシュルーム・ラビオリのソースとしてイチオシ。

パスタ好きな私はいつもこの段階で心が乱れますが、今日はスープじゃ。

ミルクが温まりましたら水を切ったジャガイモ、コーン、ブロッコリーを一度に加えます。

ブロッコリーは別茹でして色鮮やかに使う方法も有りますが、

このスープでは、充分に柔らかく、溶けてしまう程煮込んだ方が、

ブロッコリーの青臭さが消えて、まろやかになります。


お気づきかと思いますが、私はここまで最初にキノコを炒める為に少量の塩をしただけで、

塩分を全く加えていませんし、今後も加えません。加える必要がないのです。

お料理番組などを見ておりますと、何かにつけて中華スープのもと

洋風スープのもとなどが材料に挙げられてれておりますが、

このもとという部分が実は料理のキモでございまして、

この一番大切な部分を他人の作った味で仕上げてしまうのは、私は不本意です。

そんなことをしなくても、食材にはそれぞれの旨味がございますので、

そのような市販品を使うことは極力致しません。

私は決してアンチ・インスタント食品派ではありませんが、

せっかく手間をかけて作る家庭料理の仕上げを、

大手メーカーの既製品に任せたくないと思う次第です。

確かにそれらは料理にコクを加えてくれるものでは有りますが、

コクを加える役割は、別の食材にも出来ることが多いのです。

今回はそれがこちら。

ブリー・チーズです。外側の堅い部分を取り除いたものを4片程。

あくまでもコク出しの為ですので、入っていることが判らない方が上品に仕上がります。

クセのあるチーズがお好みでない方は、クリームチーズで代用出来ます。


チーズを加えたらすぐに火を止めて、

静かにかき混ぜ、チーズが溶けるのを待って出来上がり。

仕上げにドライハーブ、”ハーブ・ド・プロバンス”をパラパラと。

今日はこのスープに、面白い薄焼きパンを添えます。

表面に胡麻が沢山乗った、" Sangak Bread "でございます。

元々はペルシャ、今はミドルイースト広域の方々が召し上がるパンです。

幸運なことに、近くのマーケットで一日中、大きな石の窯で焼かれた焼きたてが買えます。

あらゆる民族が共存しているカリフォルニア暮らしの一番の醍醐味は、

世界中の料理を、その国の人々が食べているものに限りなく近い形で味わえることだと、

常々感謝を込めて思います。

王様と比較すると判り易いかと思いますが、

スゴーク大きなパンです。本来はケバブ系の肉料理などを包んで食べる為のパン。

私はそれを、食べ易い大きさに切って、

こんな風に直にコンロに乗せて、両面を焼いてしまいます。

モッチリと香ばしく、結構色々なお料理に合うので、我が家の冷凍庫の常備品です。

インドのナンに似ていますが、もっとグルテンを感じる粘りのある食感です。

ゲストにご紹介すると、皆一度でファンになる素朴な味です。

これにバターではなく、敢えてマーガリンを塗って食べるのが私は大好き。

 

主役級のスープのレシピ。

スープ好きな私は沢山持っていますので、

これから少しずつご紹介して行きたいと思っています。

 

では

 





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