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もんく [とある南端港街の住人になった人]

キナコにとって最悪の日(かもしれない)

今日は記事の中身と写真が珍しく合ってるよ。

キナコ、いつものように排水池にいた。多分木の根元で涼んでいたかオシッコしていたかウンチしていたか、時々するように虫か何か追いかけていたんだろう。この排水池の周りは人が入れないように柵で囲まれていて池の周囲はぐるりと一周土手。さらにその周りには中くらいの木が何本も茂っている。

キナコはそこが好きだ。なぜ好きかと言うと、そこしかキナコには無いのだ。以前から近所のオス猫たちに何度もいじめられ最後に逃げ込んだのが柵の向こうだったと言うわけだ。柵の中には人は入れないが猫が入る隙間は1ヶ所だけ空いている。よくもそんな穴を見つける事ができたものだと思うけれど、キナコからすると何かあったのかもしれない。

今日も天気は良く、キナコはそこにいた。が、いつもと違う事が1つだけあった。それは犬だ。3匹の小型犬、小型と言ってもキナコより大きい、柴犬ほどある犬がその池の周りをうろついていたのだった。

普段からキナコ、犬にはあまり動じない。と言うのも紐につながれて散歩する犬にしか出会った事がないのだ。いくらキャンキャン吠えて来ても首輪に紐が繋がっていて半立ちになる程度で怖く無い。多分安心して自分の陣地に入って行ったろう。

そこで犬たちに追いかけられた。そして住宅側の斜面を駆け上りついでに4mほどある細い木に登った。下ではワンワン、ワンワンもうキナコどうにもしようが無い。風に揺られてユッサユッサ、ユッサユッサ、足を滑らせてはまた細い枝に爪をかけ、下では犬がワンワンワンワン、木がユッサユッサユッサユッサユッサユッサ。そこに駆けつけたキャサリンさん犬を追い払おうとギャンギャンギャンギャン叫ぶ叫ぶ、犬はワンワンワンワン、木はユッサユッサユッサユッサユッサユッサ、キャサリンはギャンギャンギャンギャン、犬はワンワンワンワンワンワン、木はユッサユッサユッサユッサユッサユッサ、キャサリンはギャンギャンギャンギャン、犬はワンワンワンワンワンワンワンワン。これじゃ何ともならないとキャサリンさん家からバケツに水汲んで来てバッシャバッシャバッシャバッシャ、犬に向かってバッシャバッシャバッシャバッシャ、犬はワンワンワンワンワンワンワンワン、木はユッサユッサユッサユッサ、バッシャバッシャバッシャバッシャ、ユッサユッサユッサユッサユッサユッサユッサユッサ、ワンワンワンワンワンワンワンワン。それでも懲りない犬たちに向かってキャサリン石を投げる投げる投げる、ワンワン、バッシャバッシャ、投げる投げる、ユッサユッサユッサユッサユッサユッサユッサユッサ、ワンワンワンワンワンワンワンワン、投げる投げる投げる投げる、ユッサユッサユッサユッサユッサユッサユッサユッサ。

まあ、結果的には助かったんだけどね、キナコ。それにしてもキナコにとっては生まれてこの方最大のピンチだったかも。
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