もんく [とある南端港街の住人になった人]

映画「Perfume -The story of a murderer-」 -鮭の一生

鮭の一生がモチーフか。

鮭は川で卵として産み落とされ成長しやがては大海原を目指す。海で泳ぎ回り大きく立派に成長する。やがて生まれた川に、そのかすかな臭いを頼りに戻りそして一生を終える。鮭から映画の構想を得たわけではないだろうが人の一生も似たようなものだ。


自分が何かを成そうとするときに、その心の奥にある本当の欲求や意図を意識することはほとんど無いように思う。時々、たまに、いやごくごく稀にそれに気づけば良いのだけれどそういったチャンスはほとんど無い。

大きな海にピョンと飛び込んで銀色に輝く鱗を身につけて悠々と泳いだ後に、ふっと虚しさ、不安のようなものに襲われる。これは自分の求めていたものじゃない。本島に欲しかったのはこんな生き方じゃないと。

自分に関して言えば、多分まだまだ(もう少し?)人生は続くだろう。この先どの道を通ってどこへ向かうかは分からないが何処かへ帰って行くことになるのだろうか。


(結果:人の過ごす時間の流れについてよく見てよく考えて作られた作品だと思う。多分香りと言う目に見えない物を絵にするという、その見せ方に目を奪われる人が多いだろう。それも確かに映画としては見ものだけれど、それよりもっと汲み取りたい作品の香りがある。)



追加
実際には無かった過去の映像が2ヶ所入っている。1つは最初に殺した女に見えないものとして扱われる場面。もう1つは同じ女と愛を交わす場面。どちらも主人公の心理描写としてとても効果的だと思った。特に2つめを見た時「ああ、彼はやっと本当に自分の欲しかったものを認識できたんだな」と明確に見せているからそれによってその後の展開に納得感を持たせることになっている。なかなか見事。
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