UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 404P

2024-03-13 23:53:29 | 日記
「「むむむむ」」
 
 二人の助力……それを野々野足軽はきちんと感じる。自身の力ではない、特殊な別の力。それを受け取ってそれと似てる力を大胆に探す。
 
(なんか行けそうな気がする……今なら……)
 
 そう思った野々野足軽はサーチとも言えるその力を日本全国に広げた。本当はそんな事をする必要はない。だっていくら悪魔に乗っ取られてると言っても、彼女自体の力はそんなに大きな力……という感じはなかった。
 きっと羽を生やして飛ぶ……とかはできないはずだ。あの悪魔にできることは自分の気に入った男へと女を貢ぐ為の強力な催眠能力……くらいだと思われる。それこそあの悪魔なら薄い本みたいな、現実にはありえないような、一瞬で対象を催眠状態に陥らせる……って事ができるんだろう。
 だからこそ、見ず知らず、初対面みたいな人たちを集めてこれるんだ。悪魔とは心を惑わす存在――とはよく言ったものである。だから実際あの悪魔の女性はきっと現実的な移動しか出来ないだろう。野々野足軽のような、一夜の内に世界一周を成し遂げる……なんてことはきっと無理だ。
 
 だからこそこの日本全土探知は意味なんてない。この地域……かせめて2つとなりとか……それかもっと安全策を取ったとしてもせいぜい関東全域くらいで全然よかった。
 だって数時間前にはあの部屋にいることを天使っ子や悪魔っ子は確認してる。過去視の範囲でもそれは同じだ。だから、きっと流石に関東から出てる……なんてことはないだろう。用事があるとしても、きっと近所だろうし、もしもどこかに出かけると言っても、ここからならきっと都内の方になる。だから関東だけで全然良かった。
 
 でも野々野足軽は無駄だとわかってて、日本全土を探知した。きっとそれは単純に今、野々野足軽のテンションが高いってことが要因だろう。新たな力を得て、そして一夜にして世界一周できるほどのスピードも手に入れてしまった野々野足軽だ。風の力をもっともっと使いたいという気持ちが、それをさせたということだろう。ただ使ってみたかった。
 今までは力を薄く伸ばして探知をしてた。けどその薄く伸ばすのも均等に伸ばすってのはなかなかに難しかったし、広く薄くってのはそこそこ神経を使ってた。それに……だ。流石に今までのやり方で日本全土に力を広げるなんてことは無理だった。
 
(数日使えば出来ただろうけど……)
 
 そう思う野々野足軽だが、数日ずっと動かずに集中するくらいの覚悟が必要だっただろう。流石にそこまでして、日本全土を探知をしようとは思えなかった。その必要性もなかったしだ。
 いや、今も別にその必要性はない。なにせ悪魔は近くにいるとわかってるからだ。けどわざわざ日本全土探知を行ったのは『できる』と思えたし、それもそこまで大変でも無いかもしれない……と野々野足軽は思ったからだった。
 そしてそれは当たってた。野々野足軽は日本全土の探知を行ったとしても、そんなに疲れてなんかない。それよりもむしろあったのは疲労感じゃない。「感動」とか「達成感」とかそんなのだ。
 世界を一晩で回り終わったときもその感覚はあった。やっぱり新たな力で新たな事をできるようになるってことはとっても刺激的だと、野々野足軽は思った。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1042

2024-03-13 10:06:10 | 日記
 
「一体……いつからだったでしょう……いつから……観た夢だったのでしょう……」
 
 そんなつぶやきが出てた。それに答える者はいない。そんなのはわかってる。彼? いや彼女? は抱えてたものを取り出そうと幾重もの腕を解いていく。まずは細く長く、骨ばった手……その手の先からも腕が出てて……そんな長い長い手をほどいた。3つや4つの腕が連なってるようなそれは背中やら首やらからも伸びてた。さらに二連のくらいの腕は肩や脇腹あたりからはえてた。そしてもっと中心にちかい一つだけの腕がひらく。
 そして最後にその中心のものをなんとか支えようとしてるのは本当に小さい……そしていままでの手とは違ってふくよかな肉がみえてる赤ん坊の様な手だった。
 
「我らの聖典……神の啓示を示した書『シャラスド』。その原典を今、我らの血によって開放しよう」
 
 すべての手を開き、後生大事に抱えてたその本『シャラスド』が光出す。三賢人のリーダー格のその人物の懐から放たれたシャラスドはゆっくりと前に進み、そしてか彼らの頭上へといく。そして一筋のひかりが本に走り、その本は開いた。内側は光がまぶして見ることはできない。
 でもその瞬間……この世界にいきる、この世界の人々にはその内容が頭に入ってきた。G-01はこの世界に息づいてないし、私自身もこの世界の人間ではない。けど、その内容が私にも伝わってくる。
 きっと深くこの世界を知ったからだろう。むしろ……だ。この世界の人達よりも、私はもう、この世界の姿をよく知ってる。だからこそこの本『シャラスド』も気を利かせてくれた……のかもしれない。
 
(いや、本当はただ単に私が盗み聞いてるだけだけどね)
 
 それは間違いない。私は今、世界の解析してる。だからこそ、この世界にとって重要なことは私にもわかるのだ。シャラスドは皆にこう伝えてきてた。
 
『戦え……そして楽園を目指すのだ』
 
 なんとまあ単純明快なことだ。けどこれが教義になってるんだから、ある意味で教会は神の教えに単純に従ってるってことなんだろう。これだけを胸に……行動してきた結果がいまだ。
 皆で楽園を目指す事をしたら、違ったかもしれない。もしかしたら最初はこの言葉を皆に伝えて、皆で楽園を目指そうしてたのかもしれない。でもいつしか……教会は傲慢になった。
 自分たちだけが楽園への切符を得てるのだと勘違いした。神はきっとその言葉を皆に伝えたはずなのに……
 
「儂らも捧げるときがきた」
「ああ……長かった。この時まで……本当に……」
「行きましょう。楽園に……」
 
 そう言って三人は紡いだ。『捧げる』――とすると彼らの姿は砂になる。その場に残ったのは彼らの衣服のみだった。