UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 409P

2024-03-20 23:53:19 | 日記
「何をしてる? 嫌がってるじゃないか!」
 
 救世主……そんなのは意図して現れるものじゃない。そう……まさに運命の様にそこに……その場に導かれてるような……そんな存在なのかもしれない。そいつは大きかった。
 周囲の大人たちよりも一回り……いや二回りくらい横にも縦にも大きい。休みなのに学ランの様な服に身を包んで、けどその袖は破り捨てられてる様にギザギザ。それになぜか足元は下駄で頭にはハチマキといったどこぞの応援団みたいな格好をしてる。
 はっきり言って関わり合いたくない人間……でしかない。けど今やこの街にはこのくらいの変態は多い。むしろこのくらいは序の口である。なのでそんなで驚く人はいない。けどそれに慣れてしまったからこそ、朝倉先輩たちにもなかなか声をかけなかった……というのはあるかもしれない。
 
「うるさい」
 
 つまらなそうに、悪魔が宿った女性が声をかけてきたそいつをみた。彼は桶狭間忠国……その筋肉が特徴的な心優しい男子である。彼は変な集団を率いて、この街の治安を守るような……そんな活動をしてた。
 だからこそ、困ってそうな彼女を見捨てることができなかったのだろう。桶狭間忠国はなるべく穏便に……と思って声をかけた。きっと同じ学校の先輩だと言うことにはきづいてない。なにせ朝倉先輩は制服をきてない。最初に声を荒げたのは、まずは意識を自分に向けさせるためだ。
 その後は二人の間に入って話を聞こう……と思ってた。けど……悪魔の宿った女性の目は怪しく光る。相手はか弱い女性である。それがたとえ成人した女性であっても、2メートルを超えてる桶狭間忠国とは大層な格差がある。普通ならいきなりそんな大男から声をかけられたら、女性なら誰であっても怖がるものだろう。
 けど悪魔が宿った女性はそんなことない。それをすぐに桶狭間忠国は察した。彼の危機感知の感覚が鋭く警告をならす。それは彼がこれまで鍛え上げてきた肉体と共に獲得してきた精神。
 武道を通じて鋭い感覚を彼は磨いてきた。だからこそその女がただの女性ではない……とわかった。異様な圧力……それを感じる。
 
(これは……)
 
 でも何をされるのか、出来るのか……それはわからない。それに下手に桶狭間忠国が手を出すわけにはいかない。なにせ桶狭間忠国の体は鍛え上げられた鋼といっていい肉体だ。それに対して二人の女性はとても華奢だ。これが脂肪でもついて横とかに太かったら、まだ簡単に掴むとかできたかもしれない。それでも問題にはなるだろうが……それでもちょっとやそっとでは折れないとは思えた。
 でも桶狭間忠国が割って入った二人の女性はどちらもとても細かった。桶狭間忠国からみたらどっちの体もまさに小枝のようだ。下手に体を抑えるなんてできないし、ちょっと触れただけでもポキっと折れそうと思えるほど。
 だからこそとりあえず二人の間に……それだけでも抑制にはなるとの判断だ。でも……
 
「うっ……」
 
 視界が霞むような目眩。そして頭に入ってくるなんらかの思考。それが桶狭間忠国に語ってる――
 
『ここは大丈夫』
 
 ――と。そしてなぜか口から「そうか」とついて出てた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1048

2024-03-20 23:48:06 | 日記
「何だあれは?」
「よそ見してる暇はないですよ。まずいのが来ます」
 
 アイがそんな事をいってくる。確かにそうだな。アレはまずい。今は腕を切って、そしてやつの主要な攻撃手段だった髪も大半を同時に切ったことで、扉から出ようとしてる化け物の攻撃手段は大きく減ってる。
 でもそのくらいで止まる存在ではなかった。そいつのポッカリと空いた口……そこに強大なエネルギーか集まってる。それも今まで感じたことがないくらいの量であり……質だ。
 あんなのが放たれたら最悪世界が崩壊する。それでもいいとあの存在は思ってるのか? それはつまり、この世界の役目はおわったということだろうか? わからないけど、迷ってる時間はない。腕から発生した化け物も気になるが、それよりも自分たちはこっちだろう。
 地上の方は地上の者たちに任せるしか無い。G-01殿が動けない今、これを抑えることが出来るのは我々しかいない。少なくともあれを撃たせるわけには行かない。
 
「チャージ率120%。撃ちます!」
 
 そういってアイは自身よりもかなり大きなその銃から特大の光を放つ。それはこれまでよりもより強く……そして自分が見た中では一番太い光だった。そしてそれが化け物の口に収束してる光へとぶつかった。
 これで暴発してくれれば……あわよくばヤツ自身を倒せるかもしれない。けど……どうやらそんなに上手くはいかないらしい。そんな安々と倒されてはくれないってことだ。
 
 どうやらあの扉の化け物はぶつかる直前で向こうもそれを放ったらしい。それによって、なんとか口内ではなくその外で拮抗することができたらしい。
 
「っ……」
 
 アイが苦しげに歯を噛む。それもそうだろう。最初はそれこそ後一歩だった。あと一歩でヤツの頭を吹き飛ばすことが出来る……そんな位置だった。けど化け物の放った光線は一気に大きくなった。それによってアイ嬢が放った光線を押し戻してる。
 まさかアレだけの攻撃を、あそこから押し返すなんて……
 
「いや、まだだ!」
 
 そうだ。まだ! 自分がいる。すでに髪もまともに機能してない。そして腕は言わずもがな……光線はアイ嬢が引き受けてくれてる。なら自分がやるのは何か。最大の攻撃を無防備な奴へと叩き込む! そういこうことだろう。全力全開だ。ここで足し惜しみなんてしない!!
 
 聖剣と心を通わせ、そして自身の中のノアにも力をださせる。新たな形態を取り出す聖剣。自分は化け物の頭上からそれを振り下ろす為に動く。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1047

2024-03-20 04:59:11 | 日記
「なあ、俺達って……」
 
 だれかがそんな事を言おうとしてた。けどその言葉は最後まで紡がれることはなかった。なにせ……
 
「やめろ! 俺達にだってできることはある。それにまだ、戦いは終わってないんだ! 気を緩めるな!」
 
 激が飛ぶ。皆は一時的に勝利の高揚を味わった。けどまだおわってはないらしい。たしかに俺達は長年俺達を食い物にしてきた教会には勝った。けどそれでも違った。
 教会にとっては死は終わりじゃなかった。奴らはここに来た時点でその覚悟を決めてたようだ。奴らはみな、楽園への通行券を得てるみたいなことをいってた。だから死ぬことにもうおそれはない……まあそれでも震えてた印象が彼らにはある。実際ただ静かに自分が殺されるのを待つなんてできようか? となったらできないだろう。
 ここにいる死を覚悟したも者たちだってそうだ。たとえ今は、ミレナパウスとかいう魔女のお陰で死は限りなく遠いものになってる。だから積極的な行動ができるが、でもだからとっていって痛いものは痛いし……怖いものは怖いのだ。それに注意喚起として頭とか心の臓とかは守れと通達が来てた。
 
 流石に即死はどうしようもない……ということだ。けど、それ以外なら、魔法は何でも直してくれる。絶対に治る……即死さえ避ければいい……とわかってはいても、その瞬間に恐怖はどうしても顔をのぞかせる。
 それはきっと生きているものが抱えてる根源的な恐怖なんだろう。死への恐怖……それは,きっと生きてる限り絶対になくなることはない。
 
「どうやら、我らの出番もまだあるようだ……」
 
 なにせさっきから勇者殿やそれに付き従ってるアイ殿の戦闘には我々は加わる事なんてできなかった。なんとか役に立とう……と思っても、空の扉から伸びてる腕には我々ではどうしても届かない。せめてあの手が砂についた時くらい。
 
 その時に一斉に突撃をして武器で傷つけるってことしかできなかった。あの扉から出てきた髪も最初はすべての者にむかってたが、今や勇者殿とアイ殿にほぼむかってる。
 あの二人しか脅威になりえないと扉から出ようとしてる化け物は判断したのかもしれない。
 
 事実、勇者殿は化け物の腕を切り落とした。自身の何十倍も太いその腕を……だ。それにきっとただでかいだけ……なんてことはないだろう。けど切った。そしてそれが落ちた振動に我々はてんやわんやした。あれだけでかいからしかたない。けど負傷書はいなかった。
 ――が、何やら落ちた腕がモゾモゾとうごめいてた。そしてそこから、何かが大量に這い出てくる。砂銃……じゃない。あれは一体?