UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十四話part1

2025-02-03 18:26:08 | 日記
「あれでよかったの?」
 
 小頭は気になってた事を自転車をこぎながらきいた。
 
「何が?」
「えっと……あの角」
 
 小頭はぴょんぴょんと跳ねてる鬼男を気にしつつ、背後で二人乗りしてる育代にきいた。空を飛ぶ自転車で次に目指すべき妖怪の元へと進んでる状況だ。どうやってそれを察してるのかというと、なぜか色々と鬼アイテムをもってた鬼女のおかげである。それも今はこの自転車についてる。
 それは自転車のフレームに取り付けられてる。まるで生々しいセミの形をしてるそれは自転車のフレームにまるで木に張り付いてるような……そのままの姿で取り付けられてる。
 どうやら大きな『妖気』? を感知して「ミンミン」となくのだ。なので今もミンミンと鳴いてる。はっきり言って、うるさいなこれ……と小頭はおもってた。
 
「角?」
 
 育代は小頭の言葉に頭をコテンと傾ける。今のおばあちゃんは育代となって若返ってる。だからそんな仕草もただただかわいらしい。
 
「いや、ほら砂浜にさして放置してきたじゃん?」
 
 そうなのだ。あの角、あのまま浜に放置してきた。別になにか育代は詠唱とかもしてなかった。つまりは角を受け取って、それを砂浜に不法投棄してきたみたいな……そんな感じである。なので小頭はきになってた。
 
「ああ、あれ。あれはあれでいいのよ。彼もいってたでしょ? 魔除けだって」
「それは言ってたけど……」
 
 なんか納得できない小頭である。もっとなんかすごいものを小頭は期待してたのかもしれない。でもただ砂浜に刺しただけ。
 
「確かに海坊主は上手くやれたわ。けどこの町には今妖怪が溢れてる……そうでしょ?」
「うん……」
 
 周囲……というか下をみると、屋根で寝てる妖怪とか、道路を走ってる妖怪とかみえる。走ってる車の荷台に乗ってる妖怪とかもだ。人よりも妖怪が多い。だから育代の言葉に小頭は頷く。
 
「そんな妖怪たちが海坊主を助けようとするかもしれない。それかその力を狙って襲うかもしれない。だからそれを防ぐために――」
「あっ、だから魔除け?」
「そう」
 
 なるほど――と思った。小頭はあんな角の扱いでいいのか? とか思ったけど、どうやらよかったらしい。寧ろ正しかったみたいだ。ああやって砂浜に刺すことでそこへの侵入をあの角が阻んでくれるのだという。それだけの力というか鬼の強力な気配……って奴があの角には籠ってるという事だった。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 170

2025-02-03 18:19:06 | 日記
『これはきっと希望になる』
『夢のエンジン……理想のシステムを作り上げよう』
『苦難は迫ってます。歪みは修正を求めます。それが世界の……いえ流れというのなら……我々は』
『防ぎましょう。私達は自分たちで考えることができます。だからきっとできます。未来の事も見据えて、システムには命の幅を持たせるんです』
『まずは今できる最高……いやそれ以上だ。希望とか理想とか……そんなのじゃなく、俺は出来ることを全て詰め込んでやる』
『ははは、それは面白い。全部を詰め込もう。夢も希望も、そして明日も過去も……一緒に絶望も。きっといいスパイスになるよ』
 
 
 誰彼の言葉。それが私の中に入ってくる。そして彼らは言う。
 
『君は?』
 
 ――と。私は……私は何も答える事はできない。だって……何か目的があるわけじゃない。ただ気づいたらここにいて、私はG-01から逃れることができない存在だから。
 
「今のは?」
 
 視界は元に戻ってた。いきなり意識が深くに潜ってたみたい。一瞬みたいだったけど、気を失ってた? でも……あの中には……私は彼をみる。
 
 きっとあの中には『彼』もいた。そして『彼女』もいた。そんな気がする。という事は今のは……このユグドラシルシステムを開発した人達? 彼らの最初の会話かなにか? 初期のデータがもしかしたらユア・ユグドラシルには残っててそれが私に流れて来たのかもしれない。
 彼はそんなに過去を懐かしむような……そんな人物にはみえない。いや、彼女ことはずっと後悔してるが……でも彼女の事だけみたいな? そんな風におもってた。だって彼が見てるのは彼女だけだったようなきがしてたから。
 
 でも私が見た中にはなかったけど、ユグドラシルシステムを作った天才達には彼もちゃんとしたリスペクトをもってたのかもしれない。だからこんなデータを残してた。
 
『コアの共振に対応するために、プチュオクミへの影響の許可を求めます』
 
 あ、やっぱり私への許可ももとめてくるんだ。でも……
 
(これって大丈夫な奴?)
 
 それが問題だよね。私は彼をみる。するとわかってたのか、目が合った。さっきまでホログラムのアイと楽しく談義してたのに……私なんて蚊帳の外だったのにね。別に拗ねてるわけじゃない。面倒な話なんてしたくないし? 
 でも無視されてG-01を弄り回されるのはいい気分ではないってだけ。そういう複雑な乙女心な訳だよこれは。