『これはきっと希望になる』
『夢のエンジン……理想のシステムを作り上げよう』
『苦難は迫ってます。歪みは修正を求めます。それが世界の……いえ流れというのなら……我々は』
『防ぎましょう。私達は自分たちで考えることができます。だからきっとできます。未来の事も見据えて、システムには命の幅を持たせるんです』
『まずは今できる最高……いやそれ以上だ。希望とか理想とか……そんなのじゃなく、俺は出来ることを全て詰め込んでやる』
『ははは、それは面白い。全部を詰め込もう。夢も希望も、そして明日も過去も……一緒に絶望も。きっといいスパイスになるよ』
誰彼の言葉。それが私の中に入ってくる。そして彼らは言う。
『君は?』
――と。私は……私は何も答える事はできない。だって……何か目的があるわけじゃない。ただ気づいたらここにいて、私はG-01から逃れることができない存在だから。
「今のは?」
視界は元に戻ってた。いきなり意識が深くに潜ってたみたい。一瞬みたいだったけど、気を失ってた? でも……あの中には……私は彼をみる。
きっとあの中には『彼』もいた。そして『彼女』もいた。そんな気がする。という事は今のは……このユグドラシルシステムを開発した人達? 彼らの最初の会話かなにか? 初期のデータがもしかしたらユア・ユグドラシルには残っててそれが私に流れて来たのかもしれない。
彼はそんなに過去を懐かしむような……そんな人物にはみえない。いや、彼女ことはずっと後悔してるが……でも彼女の事だけみたいな? そんな風におもってた。だって彼が見てるのは彼女だけだったようなきがしてたから。
でも私が見た中にはなかったけど、ユグドラシルシステムを作った天才達には彼もちゃんとしたリスペクトをもってたのかもしれない。だからこんなデータを残してた。
『コアの共振に対応するために、プチュオクミへの影響の許可を求めます』
あ、やっぱり私への許可ももとめてくるんだ。でも……
(これって大丈夫な奴?)
それが問題だよね。私は彼をみる。するとわかってたのか、目が合った。さっきまでホログラムのアイと楽しく談義してたのに……私なんて蚊帳の外だったのにね。別に拗ねてるわけじゃない。面倒な話なんてしたくないし?
でも無視されてG-01を弄り回されるのはいい気分ではないってだけ。そういう複雑な乙女心な訳だよこれは。
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