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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十七話part5

2025-03-04 23:41:46 | 日記
「えっと、おじいちゃん?」
「うん、なんだいこがしら?」
 
 おじいちゃんは小頭の言葉に双眸を崩してまるで精一杯の優しい顔をして聞き返してしきた。
 
(うわっきも……)
 
 とか思う野々野小頭。普段は結構厳し目の顔をしてるおじいちゃんだ。それに畑仕事をしてるだけあって日にもやけてる。まあ体はガッチリしてる……というよりもは痩せてはいるが、それでも小頭よりは全然高い背のせいで普通には見上げると顔に影がかかってるように見えて正直最初は怖い印象があった。
 でもまあ、実際にあったらこれである。お父さんの話とかを聞いてる限り、本来ならばかなり厳し目な昔気質な質みたいなのは確か。でもだからこそ? ともいうべきなのか、孫に対してはダダ甘である。
 それは女の子である小頭に対しては特に顕著だ。確かに足軽にも甘いが、小頭を前にしたらもうデレデレという表現がハマりすぎるくらいにはただの孫バカに成り下がる。
 実際その態度の違いを逆に不審がってしまうくらい。これで性格がネジ曲がった子なら、そんな孫バカの祖父をうまく使ってお小遣いとか欲しい物をねだったりするんだろう。
 でも幸いなのか、家族にはそこそこ反抗的であるものの、小頭は良い子に育ってたようだ。そんな祖父を利用しようなんて気は思ってもなかった。まあただちょーと、ちょっとだけお小遣いをねだったりするくらいだ。
 でもそのくらいは可愛いもの。おじいちゃんだってそう思ってる。
 
「おじいちゃんとおばあちゃんは幼馴染なんだよね? えっと……」
 
 チラチラと小頭はおばあちゃんをみる。過去のことを聞いてみたい……と思ったけど、おばあちゃんは恥ずかしがるかもしれない。だから聞いてもいいのかな? という意味合いを込めて視線で確認してるわけだ。
 けどどうやらおばあちゃんはまだそっぽ向いてパクパクと箸で夕飯を運ぶの夢中らしい。てか意図して気づかないようにしてるだろう。なにか話したいことがあると察したおじいちゃんは小頭に対して「ん? なんじゃ? ほれ、なーんでもじいじに聞いて良いぞ」――とかいってる。
 じいじことおじいちゃんは小頭が話しかけてくれて大層嬉しいみたいだ。もう、ほっぺが崩れ落ちそうな程といっていい。おじいちゃんは小頭にはなんでも答えてくれそう。
 おばあちゃんには悪い……と思いつつも思いきって小頭はおじいちゃんは聞いてみることにする。
 
(でもどういうふうに聞くのがいいのかな?)
 
 ちょっとだけそれを思案する小頭。そして努めて明るく、さらには子供っぽく聞いてみることにした。
 
「おばあちゃんの実家があったところって呪術師がいっぱいいたんでしょ? すごいね!!」
 
 その瞬間、和やかだった食卓が一気に冷え込んだのはいうまでもない。ガツガツと変わらずに箸をすすめてたのは足軽……いや、お母さんたちが足軽と思い込んでる鬼男だけだ。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 191

2025-03-04 23:29:13 | 日記
「どうやらこれは困ったことになったみたいだね。どうしよう」
 
 まさか彼が用意してた対策が尽くだめとは……天才なんだからどうにかしてほしいが実際本当の彼はもう故人なわけで……本物が用意した対策がすべてだめになった今、彼に期待をするのは無理だろう。となると……
 
『アイ、どうにかできないの?』
 
 私は秘密裏な通信でこそっとアイにそんなふうにいうよ。私? 私がこのレベルの会話についていけるわけはない。確かに目覚めたときよりも色々と学習はしてる。それに脳を拡張してきたことで、一度覚えたことはなんか忘れないし? 知識だけなら、私はそこそこなものを持ってるだろう。
 でもだからってそれを活かせるか? は別の話だろう。知識を持ってることと、知識を活かすことは別の能力なんだ。もしかしたらそのうち思考加速とかできないかな? それがあればまだなんとか? でもな……それにはもっと複合的な知識も必要になるだろうし、さらなる深いことを理解しないといけなくなるだろう。 やっぱり現実的じゃないような? 
 
「運命を限定的にできれば、システムが進むということですよね?」
『ああ、メタリファーの命が今のままではこの世界に降り立つことができないんだ』
『ですが、運命なんて最初から決まってるものなのですか?』
 
 アイの彼への質問に便乗して私は気になることを聞いてみた。だって運命って……ロマンチストがいう戯言みたいなものじゃないの? だって運命が確定されてるというのなら、私の運命もすでに決まってるし、他のみんなの……アイはそもそもAIだから命ではないから除外するとして、勇者とかミレナパウスさんの運命も決まってることになるよね? ポニ子はしらん。
 そんなのははっきり言って嫌だ。私は自分の運命は自分で切り開くのが好きなんだよ。運命の王子様を待つとか、そんな女の子らしい夢はないからね。
 
『そうだな。どうやら運命の認識が君とは違うようだ。だがどういうことだ? プチュオクミならインストールされる知識は俺の世界の知識のはずだが? 知らない間に運命の認識への更新があったのか? 君はどういうふうに【運命】を考えてる? 知識ではどうなってるんだ?』
 
 なんかちょっとギクッとしたけど、別に彼には教えても問題ような? てか、プチュオクミが何かを知ってる風なのに、私が異世界の知識を持ってるとわかってない? おかしな話だ。とりあえず私は自分が持ってる運命の知識? 知識というほどのものじゃないかもしれないが、印象を伝えてみる。
 
『運命はその人の人生に敷かれたレールと言うか? その人の人生が予め決まってるということじゃないのですか? その人が生まれて死ぬまで……その定めが運命でしょう?』
『なるほど……それは科学的じゃないな』
 
 そんなこと言われても……と私は思った。