まあでもオーバーモードも使うのもいざって時だ。一応用心に用心を重ねて行動してるから指を独立させてるんだ。そして時間対策までして指をユアの卵へと発射する。はじかれる? とか思ったけど、そんなことはなくちゃんとユアの卵のぶよぶよとした外周に入っていく。
そして爪の部分に光が走って、こっちとの通信を確立する。ピコーンとG-01へと爪がアクセスをしてきたのだ。よかったなんの問題もなく通信出来てる。時間的な影響は別にない? わからないけど、とりあえずデータを受け取れるのなら問題ないだろう。
けど……
「うん、私にはさっぱりだね」
次々と指からこっちにデータが渡されるわけだけど、それを表示させたとしても、私には意味がわからない。やっぱりこれは当人に確認してもらった方が良いだろう。
でもどうやって外にいる彼にこのデータを見せるのか……ここはアイを活用するしかないだろう。確かにアイは独立してしまってるが、元々がG-01の為のアシストAIだけあって、データのやり取り位簡単にできる。
『アイ、これを彼に』
そんな風に声を出して、私はデータを丸ごと……というかリアルタイムで送ることにした。そしてそれをアイが彼にみせればどうにかなるだろう。いやどうやって外に表示するのか知らないが、アイなら、仮想ディスプレイとか出せるだろう。それを共有してくれればいい。
私は滞りなくデータを受け取ることに集中する。いや、集中するひつようなんてないが……彼の元に近づくアイは手を差し出す。握手を求めてる感じじゃないよ。
手のひらを彼に向けてるのだ。それに対して彼も手のひらを向けて二人の手が合わされる。なんかなんの躊躇いもなかった。そうされたら、「ああなるほど」みたいな感じで、納得してしてるというか?
あれで良いの? とか思ってたけど、どうやらちゃんとデータは彼に受け取られてるみたい。
「なるほど、これは……」
みたいなことをアイと手を合わせたまま彼はいってる。きっと指から送られてきてるデータをみてるんだろうってわかる。あれで何がわかるのか私はさっぱりだけどね。でも天才である彼にはきっと何かがみえてるんだう。
どうにか解決法を見つけてくれることを願うしかない。いや、あのまま放置でもいいのかな? あの状態のまま周囲に影響がないのなら、時間をかけてもらっても構わないけど……
「でもそっか、メタリファーがあの状態だとここから私達出られないかも?」
それは困る。下手にここからまた研究に十年とかかかっちゃうのは流石に……ね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます