UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十八話part2

2025-03-09 20:06:38 | 日記
「おじいちゃんとおばあちゃんは学校が一緒だったんだね」
「こいつはほんと全くしゃべらない奴だったな」
 
 そんな風に昔を懐かしんでいうとおじいちゃん。するとおばあちゃんが対抗するようにこういう。。
 
「貴方はスカート捲り野郎って女子に毛嫌いされてましたけどね。そのせいで私の事、押し付けられてたしゃないですか」
「お、おい。孫の前でなんてことを!? 小頭ちゃん違うからの。じいじは紳士的じゃったからの」
 
 小頭に嫌われるのはとっても嫌なんだろう、おじいちゃんはかなり必死に弁解してる。てかこの話はお父さんも初めて聞いたのか、寧ろ小頭よりもお父さんの方が「親父……」とか言って頭を抱えてる。小頭は別にそこまで気にしてはない。なにせ小学生なんてそんなものだろう。むしろ小学生時代に思いをはせて『子供だったな』とか思う位だ。もちろんいまでも小頭は紛れもなく子供なんだが、彼女にとっては着実に大人へと近づいていってると思ってるから小学生時代さえ遠くに感じているんだろう。
 
「そんな言い訳してどうします。小頭、おじいちゃんは悪い子だったんですよ」
「違うのじゃああああ!」
 
 よっぽど小頭には良いじいじでいたいようだ。この反応からしてもしも小頭がお遊びでも「じいじなんて嫌い」――とか言った日には魂が抜けたようになるのではないだろうか? 
 
「でもほら、小学生なんてそんなものですよ。私の父も……うん、きっとスカートめくりとかやってましたよ」
 
 なんとかお母さんがフォローを入れようと頑張ってる。けどそれはフォローになってるか? という感じだ。それにそこら辺フォローしても……だ。
 
「おばあちゃんの事押し付けられてたってのは?」
「そ、それじゃ!」
 
 なんか光明を見出した……みたいにおじいちゃんが吠えた。一体何が「それじゃ!」なのかとりあえず話を聞く小頭。
 
「そうなのじゃよ。こいつは出身の性で一人だっだからの。儂がいの一番にかまってやってたんだ」
「押し付けられてだけ……でしょう? それに貴方、なんのデリカシーもなかったですよ。すぐに暗いとか、目が怖いとか、言い方きついとか言ってきてました」
「それは本当じゃろうが!? それに儂はお前にアドバイスをしておったんじゃ」
「男子と女子の扱いの差が同じなのがダメなんですよ。すぐに叩いたり体を障るのもよくないですよ」
「ヘンタイみたいに言うな。そんな目的でやってたわけじゃないわ!?」
「ええースカートめくりするような人の言い分は信じれませんね」
 
 こんな風にやいやいと言い合う二人を小頭は初めて見た。だっていつもは「おい」とおじいちゃんが言えばおばあちゃんは「はい」といって求めてる物を出す……という風な……まさに夫婦の阿吽の呼吸で会話してるからだ。
 こんな風に普通に言い合ったりするのが小頭には新鮮な発見だった。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 194

2025-03-09 19:59:39 | 日記
『ああ、もしも選択の度に未来が、運命が分離していくとなると、一体いくつの平衡世界ができる? 一人一人の選択で、一つ一つ分離していくと、それは一体どれだけの世界になる? 考えてみてくれ』
「そ、それは……きっととてつもない……ですよね?」
 
 ミレナパウスさんの慄く言葉に彼は頷いて返した。ミレナパウスさんも想像したのだろう。もしも……もしも可能性分離で世界や未来が無数に分かれてるとしたら……その無数の未来はまさに無数といっていい程の数になるだろう。数えるなんて不可能。それだけどんどんと分離していくことになる。
 一人でも未来は分離し続けるのに、それが沢山の生命体に当てはまるとなれば……
 
『ああ、可能性分離では未来はずっと生まれ続ける。そこに際限はない。そうだろう? 選択の度に未来は分離し続けるのだから。だが、その再現なく生まれる可能性の逆の世界……それはどこにある? あり続けることができるんだ?』
 
 平衡世界が選択の度に生まれる……としよう。可能性分離があるのなら、そうなるからね。でも……それで生まれる世界はまさに無限だ。彼が言うようにちょっとしたことで選択の世界が分離していくのなら、その世界はどこにある? というのもわかる。
 空間とか次元とか……違えば……とか思うけど、そういう事じゃないの? でも次元ってのも実は私はよくわかってないからね。誰もの選択で分離していくなら、本当に無数。
 
『既に次元の限界、空間の密度の限界。平衡世界の定理……それらは俺がいた時にある程度解明できてた。それが示すのは平衡世界はあり得るが、限界値も見えてた。その数は十億と1056世界だ。それ以上の世界が生まれることはない』
 
 どうやら彼の世界……G-01を作った世界の人々は平衡世界の限界値までも既に出してたようだ。それが十億と1056という数。十億とか聞くとかなり多い思うかもしれない。
 実際ミレナパウスさんは「十億?」と小首をかしげてる。それに対してとりあえず勇者か「とりあえずとてつもない数だよ」といってる。それなら十分では? とミレナパウスさんはおもってるだろう。
 確かに十億となるとアホみたいな数字だ。実際ミレナパウスさんの故郷だけでその数を消費できるのなら、足りそうな気はする。だってあの世界かなり限界世界だったからね。人だって少なかった。
 でもきっと彼の言葉を考えるにその数は全ての可能性分離として枝分かれした世界で生まれ出来る世界の総数……ということだろう。そうなると……どれだけ世界があるかなんて分かんないが、きっと足りないよね。
 そもそもが発展してる世界なら人口だけで億とか超えるだろうし……私が覚えてる世界だって人口は70億とかいってたし……となると十億とか全く足りないとわかる。なるほど可能性分離は破綻してる。