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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第九話Part1

2024-08-18 19:11:53 | 日記
 田舎の道を歩く。左は山、右は田んぼ、そんな道が続く。田んぼの中では都会では見れない虫が色々とうごめいてる。そこらにあった棒を拾って田んぼの端っこの部分にさしてみる。そしてぐりぐりして泥がぶわーと広がった。それをとめて、かきまぜた泥が再び沈殿すると綺麗な水になっていく。そこにはまたオタマジャクシとかトンボの幼虫とかなんかいた。
 
「うわ、きも……」
 
 そんな事を覗き込んでいってくるのは小頭だ。何故かついてきた小頭は麦わら帽子をかぶって白いワンピース……まさに夏の少女の格好をしてる。小頭がかぶってる麦わら帽子はつばの所がなんかとてもわしゃわしゃとしてる。綺麗に組まれてなくて、ほつれてるというのか? けど足軽がそれを指摘すると「おしゃれなの!」と言われた。
 
「ねえねえどこ行くの?」
 
 足軽はそんな小頭の言葉には返さない。野々野足軽は田んぼと田んぼの間の不安定な場所を歩いてる。実際どこの誰の田んぼかわかんないから、ここも誰かの所有地なんだろう。けど周囲には誰もいない。だから大丈夫だろう。それに別に荒らすつもりはないんだ。
 ただ田んぼをこうやって堪能してるだけだ。流石にかってにバシャバシャと入りだしたらだめだろう。田んぼは独特な感触があるし、田舎だけでしか堪能できないようなことかもしれないが、流石に他人の田んぼではできない。水面から顔を出す稲はまだまだ小さい。でもこれが大きくなって、秋には稲穂になるんだろう。でも野々野足軽は実際この状態しか見たことなかった。だって田舎に帰ってくるのはこの時期かもう収穫されてしまった時期か……しかないからだ。
 
「よっほっ……」
 
 段々畑だから奥にいくと段差が出来てた。足を踏み外すとバシャーンと田んぼにダイブすることになるだろう。そこまで段差があるわけじゃないけど……せいぜい数十センチ程度だ。こんな田んぼが続いてる。それに綺麗に四角いわけでもないから、収穫は大変そうだなってなんか漠然と足軽はおもった。
 
「ねえ……まってよ」
 
 段差を下りたりしてた野々野足軽へと小頭が後方からそんな風にいってくる。別に無理矢理についてくる必要性はないんだが……しかも小頭はスニーカーじゃない。もっとおしゃれなサンダル……ではなく、足が見えるような涼しそうな靴をはいる。ちょっとヒールもあるし、どう考えても田んぼと田んぼの間のせりみたい所を歩くのにはむいてない。
 だから小頭は途中から止まってた。しょうがないから、ちゃんとした道路の方を目指すことにした。どういうルートをたどったとしても、その道にはちゃんとたどり着けるようになってるし、足軽と小頭は互いを視線にいれながら、田んぼを進む。
 長閑で静かな時間……まあ小頭とセミがうるさいが。


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