「え? これってどっちの……」
私はモニター越しに見える光景にそんな事を思った。だって今の、どっちがそのエネルギーを開放したのかよくわかんなかった。だってどっちもあり得るじゃん? 確かに一気にエネルギーが急上昇したのは計測してた。
でもどっちかはなんかわかんなかったんだよね。本当ならわかる。いつもならどっちかなんてのは高性能……いや、超性能なG-01ならわかるものだ。けどわかんなかった。もしかしたら一気に急上昇したエネルギーはどっちも……だったのかもしれない。
だからこの光が収まったとして、その時に立ってるのが勝者となりえててもおかしくないかもしれない。光が収まっていくとともに、周囲には代わりに白い煙が満ちる。
爆煙……にしてはキレイなそんな煙の中……ボスン――ボヨンボヨン――とそんな柔らかなそうな音が聞こえた。
(これは……)
まずいかもしれない。そんな事を思ってると、ピピピッ――G-01が危険を知らせてくる。私はG-01の腕を前に出してそれを受け止める。おかしな感触。ムニッとした後で、直ぐにズムニュン――と更に腕が沈んだ。でもG-01がこのくらいで揺らぐわけはない。とりあえずこれが何なのかは感触でわかってる。
だから私は上手く勢いを殺すために後方に飛んだ。下手に腕を突っ込んでいって、このポニ子の外装をネナンちゃんから引き剥がすなんてことはしたくなかった。
でもG-01がこっちに掛かりきりになると、勇者とアイに任せることになる。ふっとんだのが大型のポニ子なんだから、さっきの光のぶつかりを制したのはメタリファーだ。
高まった力を開放して、絶好調になってるかもしれない。なにせああいう存在って、そんなに並び立つようなやつがいないだろうし……そもそもがメタリファーはG-01の資料にだってあまり詳細がわかってないくらいの貴重な存在だ。戦う……なんてこともそんなにやってないと思う。
どうしてメタリファーがさっさと元いた時空間へと戻らないのか……体を明け渡してまで、教会の魂に肩入れをしてるのか……もしかしたらその答えがそれ……なのかもしれない。
そうつまりはメタリファーがなんでこんな意味わからないことをしてるのか……ずっと疑問だったそれってもしかしたら……
「楽しいから?」
なのかもしれない。私達との戦闘、この世界での行動……それらを実は楽しんでる可能性があるかも?
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