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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 44

2024-08-12 19:36:36 | 日記
「私の魔法で……」
「でもその魔力をここで消費するのは」
 
 ミレナパウスさんはどうやら決定打に魔法を見込んでるみたいだ。まあけどそれはそうだろうね。だってミレナパウスさんが研鑽を続けてきたのは「魔法」だもんね。それならばその研鑽を続けた技術に希望を見出すのは何もおかなことじゃない。
 むしろ普通だ。当たり前といっていい。けどそれに対して勇者は慎重になる。
それもわかる。なぜなら、それはミレナパウスさんの魔力を心配してのことだ。なにせここはもう彼女の世界じゃない。つまりは……だ。つまりはその魔力を補充する手段が乏しいということになる。
 通常ならば、魔力とかはその世界に蔓延してたりする。もちろんその蔓延してる力をそのまま使えるわけじゃない。そんなのができるやつがいたら、きっと世界の英雄か、魔王とかになるだろう。
 
 けど大体はずっとその世界にいる中で馴染んでいき、世界の力を僅かずつでも取り込んで自身の「力」に誰もがしてる。つまりは周囲の世界の力を取り込んで自身の力に自然としてるのだ。魔力の補充とか、時間が経てば力が回復するとかは……そういうからくりがある。
 
 けどここは別の世界である。いや、世界ともいえない空間……か。つまりは馴染んでるわけはなく、外部からの魔力の補給はできない。高性能な勇者とかの体でも世界が変わればエネルギーの補給はG-01経由でしかできなかったんだから、ただの肉体しか持ってないミレナパウスさんが自然と周囲のエネルギーを取り込んで自身の力にする……なんてのは無理だ。
 
 まあ一応、魂から漏れ出る力――ってやつもある。世界から吸収する力と違ってその人の魂から生み出される力だから、それはどこにいようと世界が変わろうと自然と溜まっていく。
 でもそれは微々たるものだ。本当に微々たるものだから、あんまり当てにはできない。そして今は、それしかミレナパウスさんには魔力を回復する手段はない。いや、G-01で回復させる事できるけど……それだけに頼りたくないという思いもあるんだろう。
 
 そもそもミレナパウスさんは私……というかG-01のことを恐れ多い存在……と思ってるみたいだからね。
 
「いいえ、私が無理矢理ついてきたんです。ただ足手まといになんてなれません。やらせてください」
「なにか考えがあるんだね? 君の魔法は回復系が多かったと思うけど」
「そうですね。けど大丈夫です。やってみます!」
 
 ミレナパウスさんは聖女だった関係上、矢面に立つというよりは後方支援型の魔法タイプなんだよね。でもどうやらなにか策があるらしい。ならば見守ってあげるのも私の役目。
 どうせまたすぐに目玉はくるだろう……と思ってたら早速来た。ミレナパウスさん達も気づいたようですぐに構えを取る。


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