オープンエアを味わいに大菩薩へ

2012-09-11 16:50:25 | 山、登ってきました☆
ミニチュアのように精巧に作りこまれた日本の山も、とてもみずみずしくてステキですが、広々とした空間でたまには深呼吸をしたくなります。何か忘れたいことがあったらリセットに行きたい場所…それが原っぱ。

友人はなんとなくストレスを抱えていそうだった…で、また大菩薩へいきました(^^)。正確には石丸峠。正確にはさらにその先の笹原(狼平)。

 上日川峠から入ってすぐの森。みずみずしいです。
この道は下に林道もありますが、ぜひ木漏れ日の中を歩くべきかと…。

 15分ほどで福ちゃん荘。やたらメニューが充実した小屋です。

ここからは岩がちなカラマツ尾根とのんびりした道の介山荘までのウォーキングコース的な道がぐるり一周、上の雷岩でつながっています。どっち回りでも良いですが、富士山を見るならば、カラマツ尾根から岩場を先に済ませてしまうと、下りで富士山を見れます。逆周りにすると背中に富士山を背負っている時間が長くなります(笑)

我々は今回は石丸峠のほうに足を伸ばす予定なので、介山荘のほうへ。

 ちょっとした小川。上に小屋があるので水は飲まないけど…

 コレコレ。この”すっっぽりと空がでかい”感。

 岩塊斜面の上に生えた木々の様子が大菩薩らしい感じです。

 振り返ると伸びやかな草原が。

あっという間に介山荘。

 いつもハイキングでピクニックシートでお弁当を広げる光景に出会うのですが、今日はのんびり。

 介山荘は置いているものが渋い。

 脇におじぞうさんが。





早速石丸峠のほうへ。



この道は整備されていました。前回は、暗く、こちら側に行くのは多少の勇気が必要な感じでしたが、今回は勇気不要。

今回は雷岩側には行きません。反対側の稜線を。今日はお天気が午後から曇りとありましたが…山ではまったくのんきで、のどかなものでした。甲府では夕方になってオドロオドロしい具合に雷様がゴロゴロ言い始めました… 雷岩という岩が大菩薩嶺にはあるのですが雷岩に雷は落ちるのかな(笑)?

■ ああステキ!石丸峠

 相変わらず伸びやかでのんびりしています!命名”スキー滑走路”を下る。南はガスだが… 

 こちら側は晴天。

ウメバチソウ。アチコチに咲いています。ありふれた花なのだそうです。

おにぎりのランチを食べ、コーヒーでリラックス。12時にはすっかりリラックスしていました。

昨日作った、葉とうがらしの佃煮と白い塩むすび。パリパリの海苔。開けた空。

本来は美しいお花畑が広がっていたのでしょう…今は一面の笹原。

急ぐ旅でもなし、のんびりして…。 人も来ない。ちょっと外れただけで人は本当に少ない。この稜線は、ずんずんと南下して歩いてみたい。

ここは来る度に不思議な気分。このあたりだけが草原なのです。小金沢山はすっかり樹林に覆われています。それに大菩薩嶺嶺のほうは岩場です。この違いは何によって生まれたのでしょう?ほんの小さなひとピークが隔てているだけなのに…。

ここは小鳥も多くて、遠めにしか確認できませんでしたが青い鳥が数回横切りました。誰かな~

さて帰るか…。


 枯れた木。いつからあるんだろう?

帰りに一組のご夫婦を追い抜きました。遠くで見て、峠あたりで少し躊躇している風でしたので、絶対に笹原まで出るといいよ、と言うと、足の痛いのも治った!と出かけて行かれました。やっぱりあそこはとてもいい場所です。岩の上でのんびりするのはとってもおススメ…

私はいつかここを黒岳方面に縦走してみたいのです…少し季節が落ち着いたら。

一緒に出かけた友人は大菩薩嶺は10年ぶりだとか。この”秘密のスポット”をすっかり気に入ってくれたようです♪ 湯ノ沢峠方面の白谷丸を薦めてくれました。
そういえば、仙人に憧れた話をしたら笹目仙人のことを教えてくれました…実在したのか!?仙人(笑)!

夏の一番暑い時期は終わったのでこうした低山は山シーズン開始ですね♪

 下りは石丸峠から上日川へ。途中2度林道を横切る。
後の林道を出たら、渡渉が3回。最初のは増水していると少々渡りづらいかもしれないが、後のはまたげるような小川なので問題なし。

 最初の林道に出会うところ。やっぱり大きく崩落中。この標高が高いほうの林道は一体何に使う林道なんだろうな…あまり使われていなさそうな具合だ。前回来たときと様子はあまり変わらない。

 最初の渡渉。前回来た時はここは通れないと教えてくれた人がいて、みんなで林道でバスに乗った。今回は楽勝。

 きのこ。

 道祖神?

 渡渉。

サクッと14時には下山終了です。

下山したらご夫婦が休憩中で少し立ち話を。昔は小菅のほうから歩いたという、つわもの夫婦でした。今はもう歩けないと。歩ける体があるうちに歩かないとですね。今の大菩薩嶺は昔と変わらないのだろうか…?

帰りは勝沼のほうによって、お野菜を買い、16時には自宅に。大菩薩はホントに手ごろな山ですね♪ すっかり生活と密着。

■ ”いつもの”山

前回は5月5日に来たのでした。

これで大菩薩嶺に来たのは、4回目になる。

1回目 5月22日
2回目 1月30日
前回3回目ヤマレコ。

宝永山

2012-09-04 23:26:58 | 山、登ってきました☆
今日は前から行きたいと思っていた宝永山へ♪

この山は曇りの日に行くべき山です! 決してピーカンの日に行かないよう(笑)

日差しからの逃げ場がなくて死にます(笑)


■樹林

富士山の良さは富士山の麓に広がる広大な樹林…美しい苔むした広葉樹の森です。

美しく、心癒される緑の光に包まれた、しっとりとした森…










標高をあがるにつれ、植生を失い…荒涼とした中にも強い芯を感じる景色が広がる…






そのコントラスト・・・それこそが富士山の味わい。そう思いました。

日本人の死後の霊の考え方は、霊は死んだ直後は現世のさまざまな思いをひきずり、それがだんだんと浄化されて
意識そのものになっていく…純粋な意識だけ。その意識が存在する場所は標高の高い山とされていたそうです。




だから、人は純粋なる意識に会いに高い山に登る…それが具現化されている場所が富士山なのだと思いました。



アサギマダラに導かれた裏三ツ峠-清八峠コース 

2012-08-26 19:17:00 | 山、登ってきました☆
今日はシカ柵設置のボランティアのハズだったのですが…寝坊により、裏の三ツ峠をぐるっと回って帰ってきました…(^^;) 起きたの遅かったからなぁ…失敗。

今の時期、三ツ峠はレンゲショウマです。


そしてアサギマダラが一杯。目撃10回を越えたところから数えるのをやめました…特に御巣鷹山の北西はアサギマダラだらけ!


■ 遅い出発

12時。北口登山口。遅い出発・・・とはいえ、1時間強で山頂に着いてしまう三ツ峠…お土産のスモモで遅くなったのを許してもらおう!

登山口では、小さな男の子を2人連れたパパに会いました。
「雲の上に富士山乗っかってたよ!」「ほんと~乗っかってたの~」「うん!!」
そんな会話を交わして、いい感じのスタート。子供はこの人誰~?って顔をしながらも返事してくるところが、面白い。好奇心なんだろうなぁ。

 ちょっとだけ赤くなっている、まむし草。
 ヒメシャジン。

実は寝坊したので、いくのはやめようかとも一瞬思ったのだけど、夫が行ったほうがいいよ、なんて言うので出発したのだ。

出かけてみるとやっぱりその通りで、幸せ気分満点の山日和だった。あ~、木陰ってやっぱりいいわ~といつも思う。

三つ峠は人に優しい山。ハイキングの山として年配の人が多い。でも実は高山植物がとても多い。花の山でもあるのだ。

来てよかったな~♪と思っていると、アサギマダラがスイスイと登山道を降りてきた。すぐに降りてきたおばあちゃんとおじいちゃん、男の子のパーティに、見ました?と声をかけたけど、気がつかなかったそうだ。男の子はまだ6歳くらいなのにしっかりして、祖父母を気遣っているのが可愛かった。

 気持ちのよい林道。来て良かったな~!

三ツ峠に花が多いのは、辺縁の山だからだそうだ。四季それぞれに色々な表情を見せてくれる。ちょっとこなかっただけだけど、夏は終わりだなと感じる。

6月にはびっくりするほど大きくて、これ以上大きくなったらどうするんだろうか?と思わせた矢車草も、あのときが最大のサイズだったらしく、巨大化はそこまでだったようだ。前に見たときとサイズが変わらないのでほっとする。

途中の団体さん2パーティ、岩登りの2人組みなど追い抜く。みんなアサギマダラには気がつかないようだ…こんなに何度も会ううのにな。山頂の三つ峠山荘までの道で、今日は4回も見た。

山荘に着いたら13時。山荘直下で、降りてきたメンバー達に「あれ~!もう作業終わっちゃったよ!」と言われる…(汗) みんな作業を終わって、お昼を食べ、今降りてきたところらしい。

はぁ~折角来たけど、戦力外でした(汗)

「じゃお土産だけ渡してきまーす」と言うことに相成りました(^^;)お土産はスモモです。先週道の駅白根で買ったもの。白根の道の駅はこの時期、超ねらい目です。スモモも桃もハズレがなくおいしい上に安い。

■ 清八峠周りで帰る?

山荘ではオーナーさんに挨拶し、ちょこっと世間話をする。「折角きてくれたけど終わっちゃったよ~」

 誰が作ったのか、手作りのウィスキーボトルランプ。
現役だそうだ。

折角来たのに…と気の毒がっていただき「清八峠周りで帰ったら?」と奨められる…そういえば、前から一度そっち周りで降りても良いなと思っていたので、清八峠周りで降りることに。

「だいじょうぶと思うけどね…」 あ、親父さん、ちょっと心配してるな…。今日はザックがエライ小さいからね… 

実は、私自身ふと考える…作業の予定だったので、地図を持ってきていないし、長靴に水筒の軽装で、背中のパックにはヘッドライトとレスキューシートくらいしか入っていない。だけど、なんとかなるか。3時間の道だし… 地図のほうは前に来た時、よく読み込んでいて、大体の山域の位置関係や道がそうないことなどは分かっている。

1回目 11月に…初めての地図読み山行。
3回目 雪の三つ峠
4回目
5回目
・・・何度も来ているので割愛。

仮に間違っても御坂山塊の稜線に出てしまえば、間違ったと分かるし。

…というわけで、出発決定。14時。

■ 御巣鷹山~清八峠へ
 
 小屋の裏にコオニユリが咲いていた。
 屏風岩と他のハイキング客。 みんなしっかり登山の格好。

 なんて蝶かな?今回はアサギマダラだらけだったんだけど。

 景色もいい。雲は多いけど。

 御巣鷹山方面。こっちへ回って降りる。

 アマドコロの実?

 レンゲショウマ。
 ヒメシャジン。

 吾亦紅と御巣鷹山のアンテナ。

 分岐。14:23.
 御巣鷹山西側にある清八峠方面の入り口。下り始めは少しだけ急。

 レンゲショウマ。この花は群落ではなく、パラパラと生えていてはかなげな花姿だ。
 清八峠への道はこ~んな快適な登山道。ステキ!ここはまた冬に来たい。

この辺りはアサギマダラが乱舞していた。おいで~おいで~かな?それとも、いらっしゃい~っていう歓迎の舞かな? あまりにも何度もみるので目撃10回を越えたので写真に取るのは辞めました(笑) きっと群れ?で来ているのですね。今の時期、蜜集めに忙しそうでした。

 すぐに出てくる道標。14:30
路傍の花。

御巣鷹山からは緩急のある下りが15分ほど続くと平坦になり、さらに小さなピーク(茶臼山)を登る。

 その下りの中ほどで、天然の社長椅子発見(笑)!

 一瞬だけ、三ツ峠は岩登りの山でもあることを思い出させるリマインダーが。ここは慎重に。

 平坦なトラバース。

コルに出た。15:00.ここは風が強い。左右は結構急に切れてる。風が強くてキレイに写らなかったが、トリカブトも咲いていた。

また登る。

 小ピーク上の道標。

下る。南北に長いピーク。巻く道とピークに乗る道に分かれる。
どちらも一緒のところに着くことは予想できるので、今日は時間に余裕はあまりないので左の巻き道をとる。

この辺で登山道をビックリしたように野生のキジが横切って行った。派手なオス…冬にカメラマンのおじさんに物乞いしていたキジなのだろうか???

さらに行くと 小さなピーク(大幡山)がまた出てくる。
大幡山の上。こ~んな道。小潅木をくぐる…冬は小人の小道みたいできれいだろうな! 東側にも薄い踏み後があったけど…誰かが使うのかな?

 お!開けてきた。何々~?

 立派な鉄塔でした(汗)送電線。

 鉄塔の東側にはこんな道が…

さらにいくと、こんな平坦地が。
 え、何々~?幕営地? 

じゃなくて駐車場らしい。
 ちょうどよさそうだけどね~。

道は稜線を行くのと広場を抜けて西側に折れる道と二つある。稜線を行くと、ヤナ沢の頭だったらしいが、今回は西側をチョイス。なぜなら、北口登山道の入り口に下りるなら、こっちの山の斜面から離れないはずなので…。結果的にショートカットを選んだようだ。

…がすぐにもう一つ分岐が出てくる。え~、こんな道あったっけ?
 

行かないでって書いてはあるけど…人の足なら通れる道?
今までは尾根を北上していたけど、そろそろ山肌を下りつつ南下するはずなので、この道を試してみる…

 なんだか荒れてるなぁ。林業の道? 何道?

 うーん、方角はこっちだと思うんだが、道はつながっていないようだ…足元にも4足歩行っぽい跡があるし・・・と引き返す。

ひらひらとアサギマダラが舞っていた。 こっちよ~と呼んでくれているのかな?

ま、この道なら、絶対車道につながっていることは確実だな。清八林道という道です。いかにもしっかりした林道で確実。

ちょっと心細い。以前地図を見ているとは言え…初めて歩く道。地図があるとうれしいな…山の斜面に入ったので暗いし。今何時なんだろう…(時計は持っていたのに見てない…)

でも、ま、多少違う場所に出ても、車道にさえ出れば分かる。何しろ道はそんなにないから、このへん。(←けっこう、いい加減)
 御巣鷹山が見える…合ってそう。

 作業されているらしい跡がある…。誰も通らないような道だけど密かに整備している人がいるんだなぁ…それにしても何用だろう?

 落石。林道ってたいてい尾根の終点近くを横切っているから、落石しやすいのは仕方がないな。尾根の下部って急だし。

後は見覚えのある林道… 合っているなと確信が高まって安心して降りた。冬にちょっと林道を遡ってみたのだ。結構、林道歩きが長そうな気配がしたので、面倒になり引き返したんだけど…

 やっぱり。北口登山道に出た。16:10.

下山終了。

清八峠周りの道は、ちょっと足を伸ばせば本社ヶ丸まですぐで、三ツ峠、御巣鷹山、本社ヶ丸縦走、なんてのもいいかもしれません。この道は登りより下りがよさそうでした。

■ 余禄

帰りは天下茶屋に寄り、ほうとうを食べて帰りました。
 天下茶屋。 

三ツ峠は山はステキなんだけど、食べ物で何も見所がないんだよな。同じ花の山でも入笠山はマナスル山荘の山菜そばがお楽しみにあるんだけど…。山小屋は2つもあるのに。 四季楽園は入ったことがないけど、なにかおいしいものを出しているのだろうか? 三ツ峠山荘はコーヒー450円。他の飲み物は自販機。

 今日の富士山。

おばちゃんによると最近は朝9時前までが最高とか…

 ほうとう1050円。 2人前?!ってくらい多い。

 富士山。

帰りはスーパーに寄って夕飯の買い物をして、本屋で山の本を終に買いました…『山梨の百名山』…。

百名山アレルギーとなんとなく山梨びいきを避けたい思いがあって、買っていなかった。

なにしろ、山の本は、近所の山の店に一通り置いてあるので、コーヒーを飲みながらパラパラめくるだけで、今まで用は足していたんだけど…。 そもそも身近な低山ハイキングにはそんなに興味がなく、アルプス的な山が好きだったし…。低山はアプローチは近くても、道迷いが多かったり、急で決して楽ではなかったりする。
基本的に山小屋のない山はそんなに行きたいと思えない…。

それに、私は山梨にいるから山に登るんであって 山梨の山に登りたいわけじゃないんだ!という思いも買えなかった理由の一つ…。いやいや連れてこられた土地について、自分の故郷より詳しくなるなんて、なんだかおかしい気がして…。でも、終に山の魅力に負け、お買い上げ。百名山はやらないけど、トレーニング用の山は必要なので。

この時期の、三ツ峠~御巣鷹山~清八山~北口登山口は、レンゲショウマとアサギマダラの道でした☆

こちらはヤマレコ




充実のソロテント泊@オーレン小屋 硫黄岳&天狗岳 定着テント泊山行

2012-08-23 20:56:26 | 山、登ってきました☆
■ 急遽、山へ

 夫:「あ、僕、今日飲み会~!」
 私:「じゃあ、私、山行ってくるね~!」

…ということで(^^)ソロで山に行ってきました。 久しぶりに充実した山でした♪ヤマレコ記録はこちら

どうしても夏にあの硫黄岳の烈風を味わいたくて硫黄岳へ。前に行ったとき、ものすごい風だったのです。あれは夏に味わえば最高だな!と。

折りしも火曜日はドがつくピーカンだったのに、夜に仕事があるから、と行きたい気持ちをぐっとこらえたところでした… 山梨は土日から連日の晴れ。お盆はどこも荒れて、行く山がなく、槍では落雷で遭難者まで出したのに、盆明けから急に晴天続きとはけしからん(笑)!というわけで…一泊2日のソロテント泊に行ってきました。

■ 企画

場所はもちろん硫黄なのですが、本沢からのルートはデート用にとってあるので、今回は2度目の桜平から。

折角、夫が晩ごはん要らないので、一泊。するとオーレン小屋しかない。オーレン小屋のお食事は山小屋にしては変っていて、泊まってみたい山小屋ではありますが、そうすると夫がかわいそうなので、ここは節約山行で、テント泊で。

というわけで一泊2日、テント泊で、一日目は硫黄岳、2日目は天狗岳へ行くことにしました。これは素晴らしいアイディアでした。バランスが良い山行。クタビレもせず、飽きもせず、楽しく歩けた。

単独でのテント泊は初めて。なので、荷物を背負うことや、独りでテントで寝ることなどに敷居は低く。それでいて充実した山歩きを。 

今回はかねてから歩きたかった根石岳と箕冠山を歩きました。以前から縦走したかった天狗岳と硫黄岳をつなぐ稜線です。冬に天狗岳から先へ足を延ばすのに、東天狗の直下がちょっと怖かったので、夏に偵察したかったのです。

結果は写真の数が如実に物語ります・・・なんと今回の2日で取った枚数は初日227枚、本日333枚…それだけ楽しく
余裕もある山だったってことですね♪




■ まずは お天気が良い!



オーレン小屋のオジサン情報によると、ここ4~5日、八ケ岳は朝にドピーカン、10時にはガスが出て、12時ごろはすっかりガスっぽくなり、それを待つと3時~4時頃ガスが晴れ、夜半はまた雲ひとつない快晴、というパターンが続いています。

この情報はとっても役立つ情報でした!

昨日は山に入ったのが10時。12時にはテントを張り終えて、夏沢峠に立っていたのですが、10時に山に入った時点ではガスっていました。ガスっているからとガッカリしてテントに篭らず、稜線を目差し正解。硫黄岳から赤岩の頭を一周しましたが、ランチを取った硫黄岳山荘で他の方とのんびりおしゃべりして待ち、気持ちのよい山歩きになりました。夏は2時から雷、というのが山の定石なので、みんな降りてしまって、山独り占めでした!

2日目はご来光のため、朝4時前から歩いて…ちょうど稜線に出た頃にご来光を迎え、誰もいない根石岳山頂どころか
誰もいない稜線の縦走路を眺めながら、ゆっくりとモーニングコーヒーを頂きました。こんなに素晴らしい山はめったにない、と思える山でした☆

いずれ冬に歩きたい稜線をのんびりチェックして、ついでということで黒百合ヒュッテで一息入れ、ピストンで折り返し。途中色々な人に出会い、次につながるアイディアも得て、気持ちよく帰ってきました。

■ DAY1 核心はアプローチ!

遅いスタート。夫を会社に送り出し、7:30スタート。10:00桜平着。ウチのカーナビはおかしいのか、高速道路を使わず下道で行ったのですが…夏沢鉱泉が出てくるから安心していたら、いつまでも諏訪方面に行ってしまう…アレ?ということでカーナビは頼らず自力で桜平に、かすかな記憶を頼りに行きました…。 ナビがあったほうが遠回りだった…(汗)。

運転している間は快晴で、胸が高鳴る感じでしたが、近づくにつれ、どんよりし…着いたらたらガス(汗)
でも、前日甲府から眺めた八ケ岳はそういう感じだったのに夕方には晴れていたので大丈夫だろうと思っていました。

そもそも、桜平からの山で一番の核心は、アプローチです! 桜平までのダート道!!もう車にも心臓にも悪い!!!

■ テント泊は重い? 

テント泊の装備と食事で、結局ザックは8kgほどにしかなりませんでした。背負ってみるとずっしり感は多少ありますが、背骨に負荷がかかって、その負荷がむしろ心地よいくらい。せーの!が必要な重みではありません。ただ38LしかないザックのSサイズは36Lなので…テントを中に入れてしまうと、もうパンパン(笑)。

パンパンだと、重そうに見えるのか、道行く人に「ザック、20kg~?30kg~」と聞かれましたが「そんなにないですよ、8kg」というと、みんな複雑な顔をします。褒めてあげようと思ったのに軽かったので(笑)。だけど、すこし羨ましそうでもあり(笑)…。「そんなに軽いなら私でも♪」という中高年のオバちゃんたちが増えるかもしれませんね。

前回、硫黄岳に登ったときは夫と2人だったのですが、こんなに簡単にオーレン小屋に着いたかしら?というくらい、背負った重さに対する気合が入った割りに、あっけなくテン場についてしまったのでした・・・。登山口からたった1時間半ですもんね。テントの設営を先にしてきて、空荷での行動は軽快でした。今回はランチはすべて小屋にお願いしたのでランチも持たず、水筒だけ。

■ 夏の八ケ岳は紳士的です!

ただ…夏の硫黄岳はなんとも優しい好青年でした。秋や冬とぜんぜん違う。あの息も止まるような風はどこ吹く風…髪の毛の中をバンバン吹き抜ける、着ているものの繊維を貫通するような風を期待して行ったら…とてもマイルドでした。ツマンナイ…。風ない…。

ただ夏山は2時から雷という定石通りにほとんどの人はまじめで、稜線を2時には降りてしまっていたので、静かで快適なひとり歩きが出来ました。広い山頂で寝転んで仰向けになり空を眺めながら、そう、私はこれがやりたかったのだ…と思いました。

翌日も朝6時の根石岳山頂を独り占めしたので、誰もいない山頂がこんなに充足している山旅もそうありません。

初日はそういう感じにのんびりと硫黄岳の広い山頂で幻想的雰囲気を味わい、秋に来たときには開いていない硫黄岳山荘を偵察するため、そこでランチ休憩し、テン場ではヨガをして過ごし、夕方は早めにゆっくり独りでテントに寝そべり、夜は夜で、穂高で見たほどではないものの…雲も月もない、夏の夜の星空を眺めました。新月からまだ経っていないし、月がすぐ沈むので星は見ごろでした。

夫がいないと家のご飯も簡単になってしまうように、山のお食事も独りだと簡単になってしまって…反省。今回はお食事は本当に手抜き。山小屋があるからいいやってね。それだけならまだしも行動食のことを忘れていたので、オヤツもなしの旅でしたが…それはそれで何とかなりました。持って行ってもザックに入らなかったかも?

アル添の日本酒しか置いてなかったのでワインを買ったのですが…ワインもどうも…。ぶどうジュースみたいなワインで、やっぱり家から持っていけばよかった…と思いました。

そういえば、メスのカモシカがテント場にやってきて食事をしていました。オーレン小屋のブログによるとクロちゃんというそうです。あまりに人に慣れていて驚きでした。

■ 朝の稜線

テント泊の強みは朝が早いこと。今日はヘッドライトを付けて夜が開ける前に出発。不思議ですね、ヘッドライトをつけて歩く暗い森に早朝から出かけていく…、初めてやるのがソロ登山において、なんて。

でも、なぜだか、まったく心細くなかったのです。あまりにもお天気の良いのを期待していたので期待のほうが勝っていたし、通いなれた八ケ岳は人の息吹が一杯で一人歩き安心の山。道迷いの心配はまずないし。むしろ大急ぎで喜び勇んで稜線へ。

今日は4時少し前から歩き始めました。失敗しちゃったのはすこし予定より遅れていたので、急いでいて、水のパックをザックに入れ忘れたこと…水を汲み足してから入れようとして置き忘れ…。おかげでまた喉が渇きました…。水タダなの知っていたから買う気になれないし。朝は意外に時間が掛かることを学習。

ご来光はギリギリ稜線に出れ、箕冠山から降りるあたりで…そのまま根石岳に登り、山頂で熱いコーヒーを湧かし、のんびりと素晴らしい朝を満喫しました。こんなに素晴らしい朝…朝が毎日毎日あるってこと、それ自体が人類の福音ですね。日の出は毎日あるのにそれを見ずに過ごすなんて、私たちはなんてもったいないことを日ごろやっているのでしょう…。

■ 天狗岳の二面性

根石岳から、目的地を黒百合ヒュッテに定め、北上したのですが、素晴らしかったのは、天狗岳が見せるまったく違う二つの顔です。

天狗岳は私たちにとっては冬の山です。黒百合平から見る冬天狗にはもうお馴染み。冬の天狗は、ハイマツと矮小化したシラビソが雪を纏い、小さな白い小人がぎっしり肩を寄せ合っているような、穏やかな表情です。

夏も当然それらの木々が青々として一層穏やかなのでしたが…それは黒百合平から見たときだけ。
反対側、南面は特に西天狗の南面はオーバーハングした岩がゴツゴツと荒々しく、南八ケ岳的な表情を纏っています。天狗は南から見るのと北から見るのでは男と女というほどに表情が違いました。

根石岳から天狗岳までの、なだらかで歩きやすい稜線は、その荒々しい岩に低く日光が当たって濃い陰を作っている迫力をずっと眺めながらの歩きです。足元はまったく難しいところがなく、稜線歩きもほんの小一時間ほどなので、もっと続いてほしい、と思うくらいです。歩いても歩いてもピークにたどり着けない南アルプスと大違い。

白砂新道の分岐があっという間です。白砂、というのはそこ辺りだけが白い岩が多いからですね。子供の頃、書ける石、と言ってアスファルトの地面に絵を描いて遊んだ、そういう石質の石です。拾って書いてみたら書けました(笑)

東天狗の南の稜線は一部梯子があり、高所恐怖症の人はちょっと怖いかもしれません。が、次々に出てくる鋭い岩峰と行く手に見える縞枯れたシラビソの深い森とのコントラストに目が離せません。

稲子岳のくぼみと二重の稜線も見え、遠くには浅間山も見え、北八つの深い森が広がり…今日は、ひとりなので舐めるようにゆっくりゆっくり行くのですが東天狗にはあっけないくらい簡単についてしまう。いいんでしょうか?と思ったら・・・ちゃんとアルバイトが用意されていました。

…そこから黒百合平までは、超めんどくさい。

冬しか歩いたことがなかったので知らなかったのですが、飛び石伝いに歩くほうが早いような家具大の岩が重なる登山道は…めんどくさいです…(汗)。夏の天狗岳の中山峠までの道はそんなめんどくさい道で、冬のほうがよっぽど楽、というのが本音。飛び石伝いの道は、バランスを崩すわけにはいかないので… 降りるほうが登るより難しいですし。

夏沢峠4:20、根石岳山頂5:30、東天狗山頂6:30 黒百合ヒュッテ7:40でした。長い休憩を取って、来た道を折り返し、根石岳山荘に10:00でコーヒーブレイク。

興味がある白砂新道を降りて本沢温泉に行こうか…とさんざん迷いましたが、腹八分目の原則を、と思い直し、次回の課題にしました。そのままオーレン小屋におり、お昼12時回る前に着き、ボルシチのおいしいランチを頂いて、小屋番のオジサンが「甲府なんだからもっとゆっくりして行けし」と言ってくれる声をありがたく頂戴しつつツも、さっさとテントをたたみ、1時出発、14:30に下山終了でした。

今日は本当に景色が素晴らしく、こんなに山を堪能できたのは久しぶりな気がします♪

■ 写真集 Day1


硫黄岳山荘からの眺め。


硫黄岳山荘のラーメン 800円。コーヒーも美味しい。500円。トイレ超キレイで100円。


硫黄岳山頂。


ガスっている山頂。


ガスが迫る・・・・

赤岳方面

硫黄の爆裂火口はあまり見なかった。



硫黄岳はケルンだらけ。夏沢峠からの登りは長く感じる。



夏沢ヒュッテのメニュー。今回は利用しなかった。


変な空だった。夏沢から少し先にて。


ギンリュウソウ。赤岩の頭~オーレン小屋の間で。峰の松目は次回にとっておくことにした。


テントサイトは下がすのこで快適。この日は7張りほど…。


今回もって行った本。1冊は硫黄岳山荘でお買い上げ。おねえさんが可愛かったから。




カモシカのクロちゃん。人間慣れしすぎなくらいでフラッシュにも動じず。


オーレン小屋は行事が盛んな小屋らしい。テント1000円。トイレ100円。宿泊者は無料。


オーレン小屋までの道。八ケ岳らしい感じ。


夏沢鉱泉。外人さんが宿泊していた。普通は上に泊まるよなぁ。


登山道を入るとすぐに快適そうな小さな滝と滝つぼがある。


でも沢の水は上流のをわざわざこうやってパイプで運ぶのだから、きっと沢のは汚れているね。


運転が大変な桜平なのに誰だ、こんなところに停める馬鹿は…

■写真集 Day2

朝。テント内でガスを使うのはNGだけど…ちょっとだけ。

フラッシュでたまたま撮れた面白い効果。

ご来光。






素晴らしい青空なのです…






硫黄岳方面。



自分の影。

ホシガラス君。




白い。



縦走路南側。



この梯子のところだけ多少怖い。

岩尾根。




西天狗&東天狗。

尾根を突き進むと間違い。

東天狗から黒百合平までの道はこんな感じ。飛び石伝いが良いのだけど…めんどくさい。



穏やかな天狗岳の北面。 


黒百合ヒュッテのメニュー。到着を遅くしようと出来るだけゆっくり歩いたけど、7時半に着いてしまい…
早く着いたせいで小屋のおねえさんは機嫌が悪い…(汗)


コケモモとホットココアで800円。

ククサも置いてた…5000円!!

飲み物。やっぱりワンカップはアル添。だからボトルで買うしかないね…(笑)




根石山荘のコーヒー500円。豆から入れてくれておいしい。

根石山荘にはテラスがない。ので階段でお茶。 そこから見た西天狗。お兄さんはいい人そうでした。


根石山荘は正月は開けているのだそうだ。歩けそう。隣はきれいな新築の建物だけど、トイレのみ。

箕冠山からオーレン小屋の登山道は八ケ岳らしい感じ。 冬はスノーシューでも歩けるそうだ。

人工的に手入れがされていそうだ。人工林?





オーレン小屋のボルシチランチ 1000円。これはおススメ☆


下山時の夏沢鉱泉ではよく冷えているようでした。紫蘇ジュース100円に惹かれるも…我慢して登山道整備の募金に100円。

下山の運転も高速道路を使わなかったので疲れたけど・・・節約成功。 締めて総支出6000円也。

■ 備考

オーレン小屋幕営料 1000円
トイレ 100円 (宿泊、テント泊者無料)
立ち寄り風呂 500円
ワイン 600円、
小枝 300円 
ボルシチ 1000円 (珍しい)
売店はあまり充実していない。
水 湧水&無料

根石山荘 コーヒー500円 (おいしい) むき出しの稜線にあり、ご来光が見える鞍部にある小屋。小さい小屋。

黒百合ヒュッテ カップケーキセット 800円
トイレ 200円
ご来光は中山峠まで歩く

硫黄岳山荘 ラーメン800円、コーヒー500円
トイレ 100円
この小屋もご来光が見れそう。きれいで大きい小屋。

夏沢鉱泉
トイレ 100円
風呂 650円
宿泊者送迎アリ。
登山道整備募金箱 あり

稜線の小屋はペットボトル400円。コーヒー500円、ラーメン、うどん、800円の協定料金?

稜線にある小屋では幕営できない。つまり、オーレン小屋以外は幕営ができない。さらに稜線の小屋だけに水がないのでオーレン小屋で水は調達すべし。夏沢峠からだとたったの徒歩20分。

敗退決定。雲の平

2012-08-17 19:04:12 | 山、登ってきました☆
雲の平は敗退にしました。

お天気悪すぎ&体調イマイチ。二重苦に打ち勝つメリットは登ることに見出せず(汗)。

■ テント泊 → 小屋泊

朝3時…寝ながら考えたとおり、テント装備を捨てる
 ・夫の体調が悪いこと
 ・天候の予報が悪いこと
2点により、テント泊を辞めました。

天気が崩れる予報は午後からなので、空荷でスピーディに双六小屋まで行き、そこで万が一、天気が悪いときは停滞の予定で。ここはカネにモノを言わせる作戦で(笑)。

 置いていった荷物。まるで嵐のときに船が喫水を維持するために捨てる荷物のようです…(ーー;) もとかくこれで2kgは軽くなりました。
軽くなるって言っても、もともと軽いのでそんなには軽くはならないんだけど…捨てたことで、ともかく気分は軽い(笑)。いつもと同じなら歩けるはず。

■ 天気はイマイチ
 朝8時前。奥飛騨の空はあまりよい感じではない。

 ともかく出発はしてみる。既に深山荘の無料駐車場は一杯で
6時間500円の有料に駐車するが、中は空いているのに周辺は路駐車で一杯。幸先もあまりよくない。

 山はきれいだなぁ…。

が、行く先はこんなん… 気分はどよ~んとしている。


 愛らしい野いちご。

 笠新道。とっても急そう。登り6時間だそうだ。苦行だなぁ。ココの上も縦走路がよさそうだったのだけど、この道を下山すると思うとそそられない。

かえる君。カエルとびをサボっているようだった。

 誰でしょう?

林道の緑は美しい。が…気温が高い。飽和状態の空気。お花もそうない。

最徐行中(笑)…小一時間。別になんてことはない林道を行くとわさび平小屋。周囲は崩落が目立つが林道自体は普通。



■ 下山決定のプロセス

今日は暑さと湿度の高さは予想できたので、アンダーはファイントラックのアクティブスキンにウールのロングスリーブ。上は寒いから&連日着たままだから臭くないようにウール。おかげで汗のほうは大丈夫だけど。気になるのはすれ違う下山者…

 噂に聞いていた野菜たち。

すれ違う下山組はみんなヨレヨレ…ウンザリ顔が多く、元気がない…(汗)。レインを着たまま降りてきている人もいる。上は雨だな。

上はどうですか?と聞こうか?とも思うが、「聞くまでもない」と思い返し、質問するのをやめる。なんか聞いたら悪いくらいみんなお疲れだし。

わさび平小屋では、これから登るらしいおばちゃん達がベンチに鈴なりだった。楽しそうなのはおぼちゃんたちだけで、その明るさがなんか浮いている(汗)。降りてくる人はみんな無言…。

私たちはトイレを済ませ、そそくさと水を補給して出発する。こんなところでマッタリしている場合ではない。今日はお天気との競争なのだから…

少し行くとパラツキ始めたのでザックカバーをかける。あーあ、降ってきちゃった。
…と思うも、まだ気にするほどでもないので先を急ぐ。


わさび平小屋から少し行くと渡渉がある。林道脇に自転車が捨ててある。すこし行くと崩落地のところから、足元は岩伝いに飛び石で歩くような登山道になる。この道の岩は花崗岩の岩より滑りやすい。





前をゆく人たちはちょうど私たちより少し若いくらいのカップルだった。会話が聞こえる。「ザック重い?」「ううん。予想より重くないけどやっぱり重いね。」「ちょっと僕たちには早かったかな?でも、まぁ登山に無理はつきものだよ」

そうよねぇ…。すこしは背伸びしないと。

見るとテント泊装備。

私たちもテント泊だったんだよなぁ・・・当初の予定は。辞めたのは軟弱だっただろうか???

私たちは朝、装備を置いてきた。彼らの装備はそんなに重そうでもないけれど、やっぱり私たちのほうが荷物が軽いだけにすぐに追いつき、彼らを追い越した。さらに進む。

こ~んなつまんない道で時間をつぶしている暇はないのよ、そんな感じ。

けれど、ついに雨が降ってきてしまった。「レインを着よう…」

暑いのでさらに蒸れるレインを着るのは嫌だが、今日はどうせこれから先、天候がよくなる見込みはないのだから、着るのなら早く着たほうが良い。ジタバタせずにあきらめることだと言い聞かせる。

私たちがレインを着出すと周囲の人もみんなレインを着だしてしまった。

でも…ここで敗退決定した。みんなが私たちを不思議そうな顔でみたけど…せっかくレインウエアを着たのに敗退決定?

なぜなら…夫のウエアが汗びっしょりだったから…。

変だけど、最近読んでいる本のフレーズが頭をめぐる。”被食動物は痛みを隠す”…(^^;)

動物はどういう風に世界を見ているか?に興味があって読んでいる獣医師の本。狼やタイガーは、群の中の弱ったヤツを狙う。それを知っている喰われる側は、狙われないためにたとえ傷を受けていてもそれと悟られないように隠すという本能が働いているのだそうだ。羊とか牛とか、痛みを隠す。

夫のアンダーを見ると、これはもう色が変わってしまっているくらいに汗びっしょりだ。別に夫は被食動物ではないけど…。肉食系男子ってよりは草食系男子だろうな。

この汗で濡れたアンダーの上にさらに蒸れるレインジャケットを着て歩く?それも”とっとと歩く系”で…?? 風邪ではないと自己申告してくれるのだけど気管支炎かもしれないし、ともかく体調は万全ではないことは確かだ。

小屋泊まりとはいえ、ここ数日の悪天候で小屋は停滞中の人で混んでいるかもしれない。たぶん決して快適とはいえない。その上、上は気温が低い。それで私はウールを選んだけど、彼はいつものロングの化繊アンダーにロングの化繊の山シャツ。暑かろうが群れようがいつもと同じなのだ。別に何も間違っていないけど汗対策が良いとはいえない。現に私のはぜんぜん蒸れていないのに、彼のは明らかにぐっしょりだ。

(ぐっしょり)→(冷える)→(疲れる)&(景色もない)&(混んでる)=(苦行度MAX)

これ以上登っても、何も良いことはないだろう…。何しろ景色を見に行くところなのだから…
 敗退決定地点から山頂方面を見る。暗い。

 下山を決めたらアサギマダラがひらひらと舞っていた。ヨツバヒヨドリが一杯咲いている。

■ 損切り

そうと決まれば話は早い。損切り決定なら、さっさと下ろう!

 この道はやたらペンキ印が多い。多すぎやしないか?それとも良く石が動くのだろうか?

この道は、南アルプスと違って、金庫くらいある岩でも良く浮いている。
特に問題なく歩けるけど、あら浮いてるわね、と思う。

 前を行く下山者…あっという間に追いついて抜いていく…
だって私たちはまだ3時間しか歩いていないから足取りが軽い…下りだし。

悔しいから奥丸山、というのも考えたけれど、そっちも別に楽しそうな道に見えなかった。

わさび平小屋でレインを脱ぎ、ザックにかぶせて乾かしながら降りる。降りているとどんどん、追い抜くので、尊敬のまなざしで見られる…(^^;) みなさん、すいません、違います…敗退決定したのです…。夫は肩の荷が下りたのか顔色が明るい。
やっぱりなんか暗かったもんな、今日。

大体、こんなに暑い日は山じゃなくて沢でしょ。今年は寒い日にしか行けなかったけど。

下山終了。まだ12時ちょっと。 下界は晴れ。

■ 余禄

 槍見館。

 北アさん、またね…

 悔し紛れに、2300円もする飛騨牛焼肉定食を…(笑)

結局、近所に宿泊しスパッと温泉の旅に。北アは縁がありません。ま、いっか。鳳凰三山楽しかったし。去年は山にはどこも行かなかったから、テント泊で鳳凰にいけただけでもすごい成長だ。

ああ~スパッと晴れた稜線を歩きたいな~。去年はあれほどにビギナーズラック続きだったので、2年目の今年は、神様が私たちの山Love度を試しているかのようです。

敗退を決めるのは難しい…。当初は鏡平小屋まで行ってから決める予定だった。でも良かったかもしれないとも思う。翌日の午前中だけは晴れの予報だった。でもどうだろうか?損きりは早いほど良いのだ。

何が最善だったかは分からない。欲を出すのは良くない。でも、根性無しですぐに物事を投げ出すのも良くない。こういう場合ガイドさんだったらどう判断するのだろうか???

ともあれ、楽しくないことをやるのは、心の健康にも、体の健康にもよくない。 

お山は逃げない。まだ来年も再来年もあるじゃないか。

以上終わり☆



夏の鳳凰三山+One 1泊2日テント泊縦走

2012-08-12 17:05:58 | 山、登ってきました☆
《Day1》 南御室小屋テント泊 (歩行時間:5時間) 通過:夜叉神小屋、杖立峠、苺平
《Day2》 鳳凰三山(歩行時間8時間)鳳凰三山(4時間)+高嶺縦走(1.5時間)+下山(2時間半)

ここはこの山行のヤマレコ記録

■ のんびりのDay1

甲府の我が家からなら、早起き不要の南アルプス!7時に登山口出発です。
 地図。

夜叉神峠登山口から夜叉神峠までは、もう既に通いなれつつある、つづれ折の登山道。カラマツの人工林で道幅も広く気持ちよいです。
登山口付近では意外に急と感じると思いますが、尾根にある登山道と言うのは尾根の下部の終点ほど急なのが相場。最初が多少急でも、登っていけば緩やかになってきます。
 予想より快適で、こんな道なら毎朝でも歩きたいな、と思う道…途中に5本松や炭焼き跡があります。

今日は5時間の歩き。でも初日ということで体力を温存するよう、のんびり歩きます。

小一時間で、目の前が開けてきたら、そこが夜叉神峠。小屋もあり、トイレは100円です。一息入れて、杖立峠を目差します。

杖立峠までは一旦下り、コルへ出てから、長い緩やかな稜線に乗ります。この稜線の先にある小ピークは大崖頭山と呼ばれているようです。この大崖頭山のピークを巻くトラバースまで来たらすぐに杖立峠です。歩いてみたら、この長い南稜は気持ちの良い樹林帯でした。視界はないが危険箇所も無い気楽で快適な道。
 西側をトラバース中。このトラバースは長い。
 少し先に行くと森の様子が親密感を増してくる。
 ピーク付近。


杖立峠には、西尾根に伸びた尾根もあり踏み跡があった。そま道なのだろうか?バリエーションに使えないのだろうか…。気になるけれど末端の状態がわからない尾根を下るスキルはまだ無いのだ!尾根の末端を確認して登るなら出来るけど。

峠で休憩してからさらに先を目差します。次は苺平まで。苺平から南御室小屋はすぐです。

苺平は先にある辻山ピークの東側にあるコルのことです。昔は苺が自生していたのかなぁ?

縦走路は辻山から派生している尾根を通ります。辻山へ続く、長い平坦な稜線に入ると、階段状に緩やかな登りと急な登りを2回繰り返すのですが、それぞれ急な登りの始まる地点はちょうど派生尾根が出ている頭のようで、その頭は緩やかになっているので、テント泊適地でした。
 幹から梢を出している立派な木。

 開けて北岳、間ノ岳、農鳥方面が見えるとうれしい。



 登山道で往生したらココにテントを張ろう!

 オダマキでしょうか。

 見えた苺平。

苺平に到着すると、千頭星山からの合流があります。千頭星山は甘利山につながっているそうですが、地図を見る限り長~い道。コレを歩く人こそ本物の山好きだろうと思います。人気がないから藪っぽいのかなぁ???森の中で冬は快適なのかなぁ???興味がありますが、夏に偵察にはちょっといけない。

さらに先を目差します。もう30分くらいで南御室小屋のはず。辻山ピークを左手に巻き、長いトラバースに入ります。

 コバイケイソウ(毒草)の群落とでっかいこぶのある木。

 小さな赤ちゃんの木が一杯のエリアです。

全体に苔むしたエリアです。山の東面は苔むすのかなぁ?西面の山肌より東面のほうが傾向として好みです。
 苔と小さくて愛らしいゴゼンタチバナ。

緩やかな下りが急になります…こんなガレ場。

するとすぐにコルに出ます。左手にある無名のピークをトラバースするとすぐ南御室小屋。小屋は2491のピークとその無名のピークとの間の広いコルにあります。
 12時小屋着。予定通り。予定通りでないのはバテ(笑)。

■ テント泊

 こんなエリアに張りました。

実は前日満員御礼状態のテントサイトのブログを見て、混雑を警戒し、人里離れていようというわけで出来るだけ個室状態になりそうな場所を選んだわけですが…
この日は空いていて、テントはたったの4張。な~んだ、杞憂でした。

森の近くは雨が降るなら雨を木立が防いでくれていいかな、と思ったのですが、
どうせなら日向のほうがあったかくてよかったかも。森のそばは虫が多い。

テントサイト選択のポイントは

・平坦
・乾いている
・人から離れている
・ベンチや岩などテーブルとして使えるものが近い

ですね♪

疲れたので早速昼寝。起きたら3時。ちょうど取材に来ていた雑誌の人が帰るところでした。小屋の人が快く送り出すのにビックリ。だって3時だと5時間掛かる道のりを行くには出発としては遅い。テントを持っていれば誰も遅い出発を咎め立てしないんですね~。私たちは小屋泊の習慣から頭が切り替わって折らず、途中登山道はテント泊禁止だし、3時だったら諦めて小屋で幕営料を払ってしまうでしょう…。 あの人たちはきっと今夜は路駐(笑)だな… 女性二人組みでたくましいと思いました。

我々は、晩御飯の準備。
 これはオニオンコンソメと奥が干し野菜たくさん入りタイ春雨スープ。タイスープは辛いけど美味しい。
ワインを持っていったのは正解でした。軽い頭痛ならワインで治る(笑)

この日、1年以上もったガスを使い切りました。ガス、結構持つ。というか今までお湯をたまに湧かすくらいしか使っていなかったからか。

※備忘録   
・テント泊によさそうな開けた草地が2箇所ほどある。一つ目は大崖頭山の北のコルから北上する縦走路に西からの派生尾根が最初にぶつかるところ。2つ目は2個目の派生尾根がぶつかるところ。
   
■ 大展望と花のDay2

朝は昼寝した上に、夕方7時くらいから寝ているので3時くらいには目覚めていたのですが…4時まで我慢。4時ごろ、トイレに我慢しきれず起きました。
すると真ん中に張ってたテントはもういない…。今日は早川尾根と言っていたっけ?でも早いなぁ…

こんな真っ暗な森に出かけて行くなんてちょっと怖い…。まだヘッドライトで歩いた経験がないので暗い森には少々怖気づきます…今年こそは、ムーンライトスノーシューしたいものです。    

結局5時近くに起きて、6時出発…運の悪いことにツアー客の後になりましたが
これは私たちが悪いですね。テント組はサッサと出発すべし!


小屋からは急登でスタートですが、それもほんの少し。すぐアップダウンの少ない縦走路に出ます。この急登のところは冬道と夏道があった。うーん、どっちも急だけど。夏道はトラバースなので雪崩を避けて直登?

すぐに薬師小屋にでました。愛らしい小屋。でも水500ml500円なんて!!
薬師岳まで樹林があるのですが、そこから先はすぐに森林限界を越え、ハイマツエリア。

 こんな岩があった。桃太郎岩?まっぷたつに割れている。

ど根性な木。一体どうして?という折れ具合。

■風化した花崗岩な縦走路

鳳凰三山付近はどこでも撮影適地でした。全体に花崗岩なので、砂地が多数あり、結果高山植物も多く、白根三山も眼前。晴れていれば富士山も見える。

花崗岩の山頂は岩が特徴的ですね♪ でも近くでは、1時間で登れる日向山で小規模ながら同じような光景が見れる。燕岳も山頂は似ている。ただ鳳凰三山は規模が大きいので景色を満腹できる。

この辺りは景色優先で。

 白根三山方面。雲が多いが…晴れてる。かさ雲?



高嶺ビランジ。





 こんな素晴らしい道。


 

白のタカネビランジ。
 コオニユリ。

ど根性だなぁ

 コレは何でしょう?がくが花のように見えているようでしたが…


 甲斐駒を背景に(見えていないけど)お地蔵様がズラリ。

 山頂。



※備忘録
・高嶺まで、ハイマツと花崗岩の岩稜帯が続くので日差しと風をさえぎるものがない。
・展望はとっても良い。
・稜線は夏の午後は2時から雷の危険がある。

■ プラスワンの高嶺のほうが難易度高め!

10時ごろに垢抜沢の頭の分岐に戻り、後は下山するのみ!と余裕のよっちゃんで下山を始めた私たちを待ち受けていたのは、高嶺でした…もう一度下って登るのは、めんどくさいなぁと思っていたら…縦走路の中ではココが一番難所でした。

 ながーい岩。

豆になりつつあるオヤマノエンドウ。

 
振り返ると地蔵が。結構大変な登りでした。登り1時間下り1時間って感じ。
 少し低いだけでハイマツの中を歩くことになります。
なかなか山頂に着かない・・・ランチは下山後は難しそうだと悟り、軽食を食べる。とすぐに山頂…。
 11時少し回ったところで高嶺山頂。
ガスは東面だけ。縦走路の上には来ない。

特に高嶺~白鳳峠間の下り。とっても急です。岩に対面するようにして3点確保で降りるところがある。午後になって気温も上がり、雨は一向に降る気配が無いし、無風で、暑くてバテました。

悪場での身のこなし方
振り返る。

オイスターシェルを思わせる岩のガレ場が出てくるとくだりは終点が近い。さらに小さな樹林帯に入ればすぐ白鳳峠で終了。
 

この峠の周辺は白いティッシュの花だらけです(汗)。

■ とっても急で荒れている急登:白鳳峠~広河原

この下山道はかなりの急です。それは知っていましたが、こんなに荒れているとは知りませんでした(汗)。

まずは、人の頭大のガレ場でスタート。やっと木陰に入れると思ったのに残念。


ガレ場が終わり、樹林帯に入ってすぐに大きな倒木が。 死してなお次世代を育てるの図。

最初はわりに普通。

中腹まできて道標がある。 ここで地図と実際の登山道が違うことに気がつく。

地図ではずっと尾根を行くのに、なぜか左にトラバースするのだ。沢の音がますます近くなり、おかしいなと思った。 トラバースは落ちたらちょっとのケガではすまなそうな感じだった。荒れているので複雑にケガしそうで。途中に巨岩のところもあり、周辺の根元がひっくり返っている木々を倒したのはこいつかも?と思いました。ともかく、観察より急いで下るべしなのでしたが…

 何これ?道?

と文句を言いつつ、仕方がないと降りる。縦走路よりよっぽど危ない。

梯子まで出てきた。





ここで元の登山道に合流。すぐ終わり。

2時間半のはずが、3時間掛かる。12時に白鳳峠を出発して、2:50分に林道着。

腹ペコでした…。下山に要する時間が5時間も掛かるとは見込み違いでした…
水も切れかけ、反省。

しかし、この道はエスケープだが、通常のルートより何倍も困難そうなエスケープルート…エスケープとして使いたくない道。登るのも下るのもちょっとね・・・

■ 岩

しかしこの道を使ってみて、今まで「岩は人柄が…」と思っていたことを反省しました。人柄が悪いのは岩ではない。小石や砂利だ、と。この道の樹林の部分は
小石が多いので、どこを踏んでも滑る可能性があり、斜度もきついので…気を使いました。神経張り詰め系。

一方、上のほうのガレ場は人の頭大から火鉢程度の大きさの石でしたが、長い下りの終わりには、まるでハリーポッターの動く階段のように、私を踏んでください、という天辺が水平になっている岩が見えるように・・・飛び石伝いで、トントンとリズム良く、階段のように下れるので、岩は人柄が良い(笑)

賽の河原とよく言われるようなガレは意外にも歩きやすい道かもしれません。コケさえしなければ。コケれば痛いのはどこでも一緒だし…。

急な道は登るより下りが体力的には楽だけど、神経を使うのは登りよりくだりで
お腹がすけば人間注意力散漫になるので…根気の勝負だった長い3時間の下りでした…疲れた(汗)

■まとめ

鳳凰三山は体力がいるので、片道3~4時間、往復7時間、休憩込みで一日の日帰り登山に慣れたらぜひチャレンジしたらいい山でした。 無理をすれば日帰りも出来る。(無理しなくてもいいと思うけど)

稜線歩きが素晴らしいので、稜線を楽しむべき。上は難しいところはなく、夜叉人峠からの往復なら、長いだけで難易度は高くない。

冬にまた再来したい場所でした。 2010年の冬は、雪の夜叉神峠から20分の高谷山で雪山を楽しみに出かけていたのに、今では夏山でも5時間も掛かる場所にこれるようになり、なんだか自分達の成長に感動です。




夏の鳳凰三山 テント泊縦走 1泊2日

2012-08-11 21:09:26 | 山、登ってきました☆

■学びの多い山行

この山旅は、3泊4日の北アがお天気イマイチなので代替案として出されたものでしたが、結果として神様の親切な忠告、とでも言うべきものだったかもしれません(笑)

神様:「君達、もうちょっとテント泊の練習したら?1泊2日で29kmってどう?」



そう、荷物を背負って長時間歩く前にもっときっと練習が必要だったのです。
食料計画も、1泊2日の場合と3泊もする場合とでは違うべきだし…何より重さを
背負ったまま、2日も歩けるのか?が疑問でした。(3泊目は空荷で散策予定)

今回の鳳凰三山は今まで行った山行の中では一番ハードでした。何しろ今日は9時間もそれも荷物を担いだ状態で歩いていたので…もう満腹(笑) 山が嫌いになるギリギリなライン。私たちにとって今まで一番ハードな山は、今年4月のツルネ東稜で、これは2日目の一日の歩行時間が朝5時半から夕方の5時と11時間くらい歩いちゃったのですが、基本的に空荷に近く、最後の2kmのそれも基本的に高低差のあまりない林道を少々背負っただけでした。

 美しい稜線の空中散歩。

なので、テント泊の装備一式を背負ったまま長時間歩く経験としては、今回が一番長かったのです…神様はきっと「3泊4日はちと厳しいだろうわい」と訓練を積ませるつもりだったに違いありません(笑)

その訓練山行…結果は「ああ~疲れた~!」

当初は楽々午後2時くらいに下山しているつもりでしたが、予定より1時間遅れ3時に下山…広河原の最終バスで帰ってくることになりました…(^^;)



それでも5時には定番桃の木温泉の風呂から上がって6時には自宅にいましたけど(笑) 遠方からの長期縦走の人たち…ホントタフですね!!

■ 今回の収穫と反省

① 荷物の重さ
今回の収穫は、夫が10kg、私が7kgくらい担いでもあまり歩行速度としては変わらないと言うことが分かった点です。 最近のGPSロガーは歩行速度まで出るんですね~!!さらにカシミールと組み合わせると、ムービー再生まで出来てしっかり反省会できます(笑)

私は反省しました。これまでテント泊の人がのっしのっしと歩くのを見て、「重い足取りね」と思っていました。違う。あれは”しっかりした足取り”だったのです!
足の裏をしっかり地面にこすり付けるようにして歩いているのは…そういう風にせずにふわふわ~と今まで歩いていたので多少早くて当然だったのです。今回はのっしのっしと登山靴のソールを全面地面にこすり付けるようにして歩いている自分がいました…誰だって荷物を背負うとそんな歩き方になるのですね…

② 快適歩行時間
あとは体力的な快適ライン。一日5時間は腹八分目、6時間でちょうどよい。7時間で満タン。8時間でもう飽きた。9時間でゴメンもうウンザリ。…そんな感じです(笑)

③ 水と食事
特に今回は2日目、天候が雨だと聞いていたので油断もあり、水を2人合わせて2.5リットルしか持たずに歩き、残り2.5時間の白鳳峠まで来たところで、残りの水が500ミリリットルしかない! 暑さのバテとラジエータがオーバーヒート。水は1人2リットル必要ですね。

さらに暑さであまり快適な場所がなかったので休憩も軽めでほとんどなく、ランチもおやつ程度。きちんと食べなかったのです。というのも、ランチは下山後の広河原で、と思っていたので…。 

急な下りは、そんなのどの渇きと腹ペコを抱えながら9時間の歩行時間の終了させる道としては少々酷な上、これが荒れた道で、かつあまり魅力が無く、ただただ私たちは罰ゲームのごとく、頑張って下ったのでした…

予想より下山が長く掛かったので15時で広河原に着いたら、ランチ用のご飯はもう売り切りれており、うどんが最後の1杯…山小屋のあんちゃんのご好意で食べれました。美味しかった☆

 一杯を2人で分け合い食べたうどん。夫は下山後500mlのペットボトルをがぶ飲み…よほど喉が渇いていたらしい…

④ 出発時間(早立ち)

せっかくテント泊しているのに、小屋泊まりの人と行動時間が重なってしまったためツアー客とぶつかりました。これは私たちが小屋泊まりの感覚しか持たないでいたからです。実は4時に目覚めていたのに…まっくらだし、まだお日様出てないね、みたいな感覚的な理由で2度寝。おきたのは5時。お食事を済ませ6時出発。

これでは折角のテント泊山行を活かしきれていないのだと今回悟りました。
テント泊のメリットは小屋の都合に縛られる必要がないことによるのです!
なので3時におきて、4時に出発すべし!そうすれば、2時間歩いてちょうど稜線で日の出を迎えられます。 そんなこと、誰かがしているのを盗み見するまで思いもよりませんでした。

早立ちは単に遠くまで歩く人がやるものだと…そうじゃなかった。快適さを最大化したい人もやるべきですね。

 明け方の小屋前。出発。

⑤ 寒さ対策

8月の山は秋でした。雨の予報だったので水に弱いダウンは・・・と今回はR2の
ベストだけしか持って行かなかったら…寝るとき寒かった。 マイナス17度の雪の中でも同じシュラフで寝て寒くなかったのに…。最初、レインウエアをシュラフの上にかけたのですが(どこかのサイトでゴアはシュラフの上が暖かいとあった)
ぜんぜん温もらず、足など靴下がしっとりとしているせいかまるで全身が湿気ているような感じでした…。結局、レインウエアを着込みシュラフに入り、足はザックに入れて寝ると、暖かくなりました。シュラフが化繊か、ダウンかの違いもあるのかも知れませんが・・・少なくとも化繊のときは寒ければゴアを中に着込むと暖かいです。結局空気の流通が少ないほうが暖かいようですね。

おきたら7月には無かった結露が水として流れるほどテント内にありました。寒暖差が大きいと言うことですね。雨の前の日だから湿度も高かったのかも知れません。

⑥ 山の感触

ここは実は冬に来たいと思って偵察もあったのですが…冬にも普通に歩けると核心が持てました。 冬は南御室小屋が正月にあけているだけですが。

薬師小屋がとても愛らしい小屋だったので小屋とまりで利用してみたくなりました☆

■ 今回つらかったところ

《地蔵岳分岐~高嶺~白鳳峠》
しかし、空中散策の稜線歩きも暑さには…ゲンナリ。地蔵岳を見終わったあと、
さあ後は帰るだけ!と思ったら…大間違いでした。高嶺山のピークと峠までの
下り、じりじり照りつける夏の日差しとブンブン飛び回る蝿。とても暑くてバテました。

やっと樹林帯に入ってホッとしたのもつかの間、長い下りがガレ場です…頭上に木陰を作ってくれる木はありません…暑い!そして、この道がすでにばてている身には最悪な感じでした。

《白鳳峠~広河原》
白鳳峠から広河原までの急な下りです。急なのは知っていたのですが…。どうも登山道が付け替えらたらしく、地図やガイドブック記載のコースより距離が長い?ただずいぶん前に付け替えられているようです。そして道は、ほとんど崩落痕という感じの、やーな感じの道でした。荒れていた。なのに急。それも梯子とか、鉄のならまだしも手作りの半分朽ちたようなのがたくさん。気を使う道です。



こうした道は基本尾根の縦走路のエスケープルートとして設定することが多いと思うのですが…どうなんでしょう? エスケープで使うような緊急事態には既に弱っているか、弱っている人を抱えていると思うのですが、そんな人を抱えた状態でとても使いやすいとはいえない、荒れた道でした。縦走路の快適さと対照的。

それに最後の2時間半、足の裏の豆のことが心配でした。靴はどんなに合っていても下りでは足が多少前のめりに動いて、靴底と擦れ、足の裏がかなり酷使されます。

去年5時間の下りを駆け下りたとき感じたことをそのとき改善しておかなかったので、今年は7時間以降の下りで、足裏の擦れがつらくなりました…あのときちゃんと中敷を工夫しておけばよかったのに… 豆がつぶれたら来週の山に支障があるのでつぶれないようめちゃくちゃ丁寧に歩いたので、歩行時間時速1.9km… 
来週豆が固くなって頑丈化して歩きやすくなっていると良いのですが…(バレエではポアント用の足の豆は育てておきます…笑)

■ お食事

お食事をどうするか?ずっと悩んでいましたが解消しました。

結論:2泊以上の縦走型山行は、マウンテンサイドピクニック山行とはできない。

ずっと荷物を背負ったまま歩くつもりなら、食事は内容より重さ!何しろ重いだけでかなり疲れます。

夫10kg、妻7kgははっきり言ってテント泊では軽いほうだと思います。(ものずごいウルトラライトな人で4~5kgというのを山雑誌で見たけど、普通はそんなに軽量化にお金を掛けられないし、その人はソロだった)

でもテントをベースキャンプみたいにして山頂往復するなら別だけど、ヤドカリの殻を背負って移動なら…軽くしないと楽しくない。飽きなどの多少のことは目をつぶり軽量化至上命令って感じです。特に重荷を担げる体力が無い人は。

■ まとめ

そんなこんなで今回は、大変学びの多い山行でした。夫はバテて既に就寝中…zzz…



お山はすでに1%くらい秋の気配で、色づいているナナカマドの葉もあるくらい、そして、高山植物は紫色系の花ももう咲き始め、確実に秋を感じさせられました。


ここはこの山行のヤマレコ記録


さわやか!夏の霧ケ峰

2012-08-04 04:10:20 | 山、登ってきました☆
昨日は年の離れた山の友人と霧ケ峰に散策に出かけました☆

素晴らしい晴天!! 風は肌に心地よく冷たく、お天道様は朗らかで、暑過ぎることなく、寒すぎることなく、素晴らしい一日でした。


友人は山に住んでいる人でしたので、山に関する関心を共有することができ、よかった。

霧ケ峰は、高さとハードさを競う登山と言う世界からすると、なんてことはない山ですが、地平線を見たくなったら行きたい山です。起伏の緩やかな丘がワインディングロードで重なる光景は本当に心休まります。絵本の中にいるようです。

大きな空。緩やかな曲線。そして太陽。心地よく頬を撫でる風。揺れる花。湿原は風にたなびく草原を作り、低地にはこんもり木々が木立を作り、見晴らしが欲しいときは、ちょっと丘へ。

日陰と風除けが欲しいときは、涼しい谷間へ。

水が欲しくなれば、キラキラと光を反射して流れる小さな小川へ。

冷たい風を浴びたくなれば、湿原の後ろが最適です。何もさえぎるものの無い湿原の上を駆け抜けた風は強く冷たく、帽子も吹き飛ばされそう。夏の暑い日には爽快です。

これらすべて、高低差のきつくない、緩やかにくねった小道でつながれているので・・・歩いての移動も楽ですし、目にも変化に富んでいます。

■ 雨と風と日差しと・・・

私の好きなローラの物語で、200年ほど前のアメリカの開拓時代に、土地を申請する場面が出てきますが、父さんが見つけた素晴らしい土地とは…?当時の人にとって価値ある魅力ある土地とは?

それは大きな沢地につながる南側の丘陵地…一面の草原です。木が無いことは開墾が楽なことを意味するのです。そして家を建てるには木材が要りますから木立が近くにあることは家を建てられることを意味し、飲料水用のきれいな沢があれば無料の上水道、そして、湖水は狩猟のための動物が生息しているところ。

それはこんな土地ではなかったろうか?というような場所が霧ケ峰。

私の心を揺さぶるのは、こんな物語を愛する子供だったからかもしれません。

湿地というのはその昔、家畜にやるための草を刈るには無尽蔵と言える草が得れる場所だったのです。
それに鳥達が舞い降りる水辺からは、真冬の寒さから身を守るのに最適な羽毛、ダウンが取れます。ダウンなんて今でも現役の天然素材ですもんね…。
日当たりの良い丘は、耕作地に。
雨と風と日差しを和らげる木陰は動物だけでなく、人間の住処に最適な場所でもありました。

…ということで、人と動物は住まいに適した場所をめぐってむかーしから、テリトリー争いをしてきたんですね。

八島湿原と車山湿原を持つ霧ケ峰はこれらの条件にぴったりのところ。

そして花! 環境がこれだけ多彩であれば、乾燥を好む花も、湿潤を好む花も、日陰を好む花も日向を好む花もあります。だからこうした場所は人間の居住だけでなく、花にも住みやすい場所でした。

花があれば蜂がいて、蜂がいれば蜂蜜が取れますね。甘味が限られた時代に蜂蜜は大変貴重な甘味でした。

■ 辺縁=もっとも暮らしやすかった場所 

今読んでいる本によると、狩猟採取で始まった人間の生活は、もともと山の裾野がもっとも住みやすい場所だったのだそうです。 なぜなら…獲物が一杯いるからです。獲物=食料ですね。

たかだか200年前でしかない近世でも、父さんもローラもアメリカ東部の森は獲物がいなくなったために西部へと旅をすることになりました。

つまり狩猟圧が高すぎると人は、動物は森から平野へ追われ、それを追って人も森から平野へ移動する。

それは何も外国だけの話ではなく、日本でだってどこでだって同じなのでしょうね。

霧ケ峰も実は黒曜石の産地であり、縄文の頃の暮らしの痕跡、尖石遺跡が近所にあります。

やっぱりここは、人が自然と寄り添った暮らしをしなくては生きていけなかった時代、もっとも住みやすかった地なのでしょう。

そうした土地は…今では観光地。 けれども、やっぱり人はそこに行くと落ち着くのですね。

もし昔の人が夢見る究極の豊かな土地、パラダイス、があれば、それはこんな場所ではなかったでしょうか。

素晴らしいお天気にも恵まれ、のんびりした楽しい一日でした。

霧ケ峰は真冬もおススメです。

9月の高原トレッキング 霧が峰1
9月の高原トレッキング 霧ケ峰2

9月の高原トレッキング 霧が峰3

超・掃除の行き届いている山小屋 クヌルプ・ヒュッテ

一日遅れのホワイトクリスマス♪
白銀のビーナスライン To鷲が峰ひゅって


鷲が峰ひゅって→八島湿原 散策は防風対策をしっかりと・・・

偽ピークにご用心

初めての沢の感想

2012-07-23 10:30:58 | 山、登ってきました☆

今日は沢の片付けで朝から洗濯しています。沢は山より後片付けがタイヘンということを学習中(^^;)。沢の水はおもったよりきれいではなかった。

沢には否定的だった夫が言うには… 「沢には達成感がない」

うーん、確かに沢ってのは、登山のように目標点がはっきりしているわけではない。

続きはこちら


初の沢☆

2012-07-22 19:50:53 | 山、登ってきました☆

今日は、初めての沢でした☆

うーん、お天気がイマイチでしたが…どっちにしろ沢というものは天候にかかわらず寒いのだそうです。予想よりは寒くないのでしたが…やっぱり寒い!終わりごろは歯がカチカチ言っていました。
ネオプレンは必要なものなのだと納得。ここはカネにモノを言わせるべし(笑)!

今回は初めてなので連れて行ってもらう旅…木風舎さんの沢ツアー。昨日よりは寒くなかったそう。
6時半にでたら8時半についてしまい、必要以上に早くついたので…近所のカフェでモーニングセットを食べて出発。

続きはこちらへ。


シカ柵設置

2012-07-18 22:51:48 | 山、登ってきました☆

今日はシカ柵を設置するボランティア作業をしてきました。

お山にはお世話になっているので恩返し(笑)。

 

キレイに張れてる! 実は対して戦力にはならなかった私ですが…


支柱にはもうトンボ!


尺取虫さん。

… ネジ締めは得意です。


登山道から仰ぎ見たお空は青かったものの…今日は午後から曇り。

でも、おかげでこんな不思議な虹が見れました。



まるで太陽の周りにブロッケン。


ヤマオダマキの花。

しかし…草原が50年前のままで保存されているってすごいことだな。戦後50年って…考えてみれば、
マテリアリズムの狂気の時代。 

50年後にアレはおかしかった、狂気だったと振り返るのは凡人にもできる。
が、狂気の時代の真っ最中に狂気だと分かっていたことはすごい…。 いまだ狂気の熱から覚めやらぬ人も多いのに・・・






北岳の高山植物

2012-07-17 23:38:35 | 山、登ってきました☆
2泊3日の裏北岳縦走、お花畑がキレイでした。花の種類はそれほど多くなく、ハクサンイチゲを大量に見ましたが…
キタダケソウは開花期を過ぎていました。ので運がよければ遅咲きのがあるかな…と思っていましたが見当たらず。
で、花の同定を。 

実は強風と光が余りなかったのが災いして、あまりキレイな写真が取れていません。稜線の花は基本的になぎ倒されていました(汗)

という訳で、あやしい同定…後で詳しい友人に見てもらおうと思っています…(^^;)訂正が入りますので
あまり信用しないように。


キタダケトリカブト? オヤマノエンドウ。
★トリカブトの花は上の花びらが烏帽子のような形をしていますが、マメ科は旗弁といって大きな衝立のよな形をしています。トリカブト類はキンポウゲ科なので掌のような葉をしていますが、オヤマノエンドウはマメ科なので写真のように羽状の複葉です。


イワベンケイ雌株。


ミヤマシオガマ。

縞々になっているお花畑…ハクサンイチゲが優占している。




コメバツガザクラ アオノツガザクラの群落。ツガザクラとよく似ている花で色が黄色。


ツガザクラ。


ハハコヨモギ。


キタダケキンポウゲ?? ミヤマキンバイ。★キンバイ類はバラ科なのでイチゴの葉っぱのような形のものが多い


風になぎ倒されたチシマアマナ。


キバナノコマノツメ。


タカネグンナイフウロ?ミヤマハナシノブ。 
★葉っぱがキーポイントです。花の下に見える葉は羽状ですよね。フウロソウ科の葉はキンポウゲ科と同じく掌状です。そしてちょっと分かりにくいですが、この花は花弁が下でくっついている合弁花類。フウロソウ科はバラバラの離弁花類です。


ミヤマキンポウゲのお花畑。右俣コースへの分岐点直後にて。


ハクサンイチゲのお花畑。縦走路にて。

あと、キバナシャクナゲも見ました。

《まとめ》
・キンポウゲ科は葉っぱが掌状
・豆科の葉は羽
・阿蘇で見られるハナシノブは絶滅危惧種。

うーん、花の同定は一度キチッと図鑑を頭に入れてみたいと思うようになりました★


北岳データ集 地図と標高

2012-07-17 09:23:56 | 山、登ってきました☆
ヤマレコで表示されたデータを拝借できないので、ベタ貼り。


これが全工程を地図上にマッピングしたもの。GPSデータより取得したので登山道が改変になっている箇所が分かる。

1日目の行程。 


7.5km 標高差200m 

2日目の行程。


10km 標高差860m

3日目の行程。


10km 標高差 1300m

狙いは… 

・日ごろ11時帰宅の激務でお疲れの夫の体にも優しく(つまり1日目は体慣らし)
・夏なのでそれなりに高い標高へ行き (2日目)
・できるだけ長く、標高差のあまりない縦走路を楽しみ…
・急な道は下山で使う。(3日目。だって急な場所は登りに使うより下りに使うほうがラクだし)

という訳で反時計周り。

こちらがヤマレコデータ。こっちで見ると3Dが素晴らしく山の全容が良く見えます。

霧の裏・北岳 (下山したらピーカン)

2012-07-16 19:13:52 | 山、登ってきました☆
さっき山から帰ってきました。今回は霧の中の空中散歩。

夫に北岳~間ノ岳の素晴らしい空中散歩を味わってもらいたくて行った山でしたが、結局天候が悪く、ずっとものすごい風の中の霧雨の中、稜線を歩くことに。結果、遠景は一切なし。至近距離50m先くらいしか見えない稜線歩き…(^^;)
そして…下山後はピーカン…(汗) まぁ”終わりよければすべてよし”な感じ(笑)?

■ Day1 出会いの両俣小屋

初日は両股小屋までたった2時間の歩きでした。林道は先週来たからもうサクッと。

海の日初日なのにバスは手際が悪く待たされ…10:12スタート。12:40小屋着。

野呂川出会いの支沢を見ると流れている水が茶色い…先週は透明だったのに。とはいえ、どんどん歩くと多少の水量アップ以外は不安な要素は見当たらない。


林道。曇りのほうが歩き安そうな道。野生動物の痕跡が多いのでクマ鈴を持つべし。

すぐ水場。
だれかの亡骸。



工事用のトイレが登山者にも解放されている。11:30.


元は車が入れたんだろうなぁ…

今は入れないだろうなぁ…

先週オコジョに会った地点で小声で「コジョ太~」と呼んでみましたが、コジョ太お留守。
夫にオコジョを見せてあげることはできませんでした…うーん、オコジョってどうやったら
会えるんでしょう???

両股小屋へは12時半ごろには着いてしまい、夫は日ごろ疲れているので昼寝。
それから続々(?)と人がつき、結局この日は12~13人いたでしょうか?両俣小屋、海の日なのにいいの?!という空き具合。やっぱり狙いどうりでした(^^/)。


両俣小屋。


半分くらい食べてしまった… 500円

「ラーメンとチャーハンください!」「ゴメン、ご飯切らしてるの」「じゃラーメン2つ」ということでラーメン。
野菜炒めが載ったラーメンでなかなかおいしかったです。赤岳○泉のよりおいしかった。

その後到着した人の中でスパッツが破けたという人がいて…なんだか見覚えがある人だと思ったら…今年の2月の天狗岳で会った人でした。また会った☆

食事もご一緒に。友人と登られているそうでした。両俣小屋は食堂がこじんまりアットホーム。ごはんがうまい!!
思うに他の山小屋は料理慣れしていない人が料理していそうな気がする…味がないことが多い。両股小屋の
食事は味付けがハッキリしていておいしい。

1階は6人で寝たのですが、魚釣りの人2人、山登り4人うち女性一人でした。お布団広々。コタツでマッタリ。
後はみんなとお話したり、『41人の嵐』などを読んだりして過ごしました。無理やり太陽礼拝を教えたり…(笑)

印象に残ったのは小屋番のオバちゃん…酒盛り?の後、8時の消灯で盛大にバッコーン!とコケていました。寝ていた私も起きたほどの音でしたので…豪傑なコケ方だったような(笑)?夫は助起こしに行こうと思って辞めたのだそうです(笑)おばちゃん頑強そうだったらしい。


■ Day2 赤ちゃんの木とシダの楽園の稜線道 (野呂川越~三峰岳)

朝はあまり幸先の良くないスタート。天気予報「曇りまたは雷雨」…。曇りはいいけど、雷雨はなぁ…。


両俣小屋の朝食。

コーヒー。500円。

出発5:30.両俣小屋から(野呂川越)までは、少々急な直登です。倒木が多い。稜線からいきなり強風。

こんな写真が取れた… 写真は朝早かったので暗くてあまりうまく取れませんでした。
ハイクアップ。5時半から(笑) この道の下部はウットリするような乙女な雰囲気の森でした。

野呂川越6:30。

(野呂川越)~(三峰岳)は、三峰岳、この道を通る人でなければ知らないような名前ですし、周囲が大きな山ばかりなので単なる小ピーク扱いですが…見過ごされた名山。よい山でした。樹林帯がとてもステキ。外国人を連れてきたらいいなと思いました。

シダがいっぱい。
しかし倒木は通りにくい。

自然が作った寄席植え。

探検気分。


海の日2日目なのに、本当に静かな山で素晴らしい道でした。


コイワカガミ。


植生が変わり標高があがったことがすぐ分かる。

途中仙人(勝手にあだ名。山のベテランさん)に追いついた…。かなり早い人で私たちの遅足で追いつくはずはない。
心配してくれたのかな?つかず離れずで一緒に歩いてくれました。


頭上。


幻想的だけど…ホントは大絶景のはずなんだな。

■ 強風(汗)
 
三峰岳~間ノ岳は北岳~間ノ岳と変わらぬ岩稜帯。なのにひと気ほとんどなし!


ハイマツ帯に入る。

ところがずっと霧の中。神様はよく計らっていますね。大平山を歩いたり、川苔山を歩いたり…、この日のこの山のためにあったんだろうなぁ…。おかげで心細くない。雨も平気。


見えません(><) 霧のせいでめがねは曇り、頭は結露?でしっとり。風は強く、はためいたレインウエアが
パタパタとまるでヘリコプターみたいな音を立てます。




塩見への分岐。9:37.


この辺はマジ大変でした。飛ばされそうでした…冬の稜線みたい。


9時半ごろ途中休憩一回。元気が出た。マジでこんな稜線で雷にあったらどうしようかと…ツエルトはないので
樹林帯に逃げこんでフライシートでも2人でかぶってよう…とかそんなことをリアルに考えてた(笑)心配性。


ハクサンイチゲ。


間ノ岳。10:42。 前に着たのにまったく見覚えがない景色と化していた。



雪渓。大きいですね。




素晴らしいお花畑なのですが…幻想的ですが…息もできないくらいの、まるで冬の八ケ岳みたいな風なのです。
思わず耐風姿勢とるほど。





一瞬の雲の切れ間。

北岳山荘には12時ごろ着。 

予報が”雷雨”だけにテントをはるかどうか悩みましたが結局張りました。夜の風は凄かったです。夜中は一時雨。
この日北岳山荘はおふとん1枚につき2名だったそうです・・・やっぱり張ってよかった。

MYホーム。すぐ昼寝。13:30。


北岳山荘の夕飯。生ビール900円がうまい!テント泊でしたが食事だけ山荘にお願いしました。これは大正解。ラクでした。逆に素泊まりで自炊の人はかわいそうで、自炊場が寝室にされてしまい自炊する場所がない…
食事は山小屋にお願いするのがよさそうです。

■ 大都会のテント場@北岳山荘

私たちのテント泊デビュー…”大パノラマの北岳”だったはずなのに…現実は”大都会の北岳”となりました(汗)




私たちが到着したのはそんなに遅くはなかったと思うのですが既に平らで人から離れたサイトは既に
埋まっていて、トイレ横の平坦地に張ったところ、どんどん、どんどん、隣近所が増えて…
人の声がにぎやかだと思ったら、宴会が始まり、そして演歌が流れ出し…(汗)

近所の中高年のグループは大酒盛りでした…。聞きたくなくても聞こえてきてしまう近所の会話。

「あのな、ゴアテックス洗ったことある?熱湯で洗うとええんやで、70度くらいの。」「(70度ってそれ熱湯ちゃう!)」などと思わず心の中で反駁してしまう…聞きたくないのに聞こえてくる隣近所…ああ~テント泊って長屋住まいだったのね…(汗)

私の理想は、ポツンと稜線に張ったテントの隣でコーヒー飲みながら夕日を眺める三歩さんみたいなやつなヤツだったのですが…。大混雑の北岳では無理でした。

それどころか天気が悪く、風はほとんど暴風でした…。山岳用テントって風に強いってことを実証しました(汗)。
夜中に目が醒めるほどの風。

近所に張っていたテント、なぜかビニールをフライシート代わりにしていたのか、それにしては中途半端な張り方で、ぜんぜん役に立っていなさそうでしたが風で煽られて、音を盛大に出す以外は何の効果があるのだろう?という感じでした。

朝起きたらストーブが点火せず…モーニングコーヒーが飲めない…ショックでした。濡れたからかな?


■ Day3 下山したらピーカン

最終日は下山するのみ。テントを撤収して気楽に降ります。のんびり。だってたったの5時間の
道だし、下山だけなので気楽です。


一瞬の晴れ間に朝日。5:08.

というか実はメインディッシュの北岳登頂はこの日だったのですが…うっかり北岳がメインの山行だということを忘れていました(笑)出発6:30.


お花畑。ハクサンイチゲばかりでキタダケソウを探しましたが今回はキタダケソウは見つけられませんでした。


行列。

日本第二位の高峰3193mの北岳登頂。7:30. 霧の中。何も見せません(汗)


これが私が両股小屋に興味を抱いた道標。この道は現在崩落により通れません。



でも、お花がとてもきれいでした。縦走路は混んでいて…やっぱり混んだ山は苦手でした。
混んでいる北岳山頂。

帰りは肩の小屋で一服。8:00.おしるこ500円、ホットミルク400円。

後は降りるだけ。下山は右俣コース~二股~御池小屋へ。下り始めたら天候が回復してきてしまいました…9時から晴れたらしい。





■ 下山 右俣コース~二股~御池小屋~広河原

右俣コースはおススメです。草滑りコースよりうんとラク。両方とも日焼けします。
去年下山に使った8本歯のコルからの下山より断然ラク。こっちは沢で日陰です。



雪渓。






さらに二股~御池小屋のコースはこんな混雑した山なのに途中誰にも会わず。美しい樹林帯。



ああ~こんなに晴れちゃって…。

もう・・・

御池小屋 10:30.予定通り。

御池小屋前のテント場。雪がまだこんなに。

御池小屋では高級ソフトクリーム500円を食べ…さらにサクッと下山。

御池小屋前の混雑。御池小屋は水がタダです。

樹林帯。
夏の日差しが強烈に照りつけ木陰が涼しげでした。多くの人が大樺沢コースを使ったのでしょう、あまり混んでいませんでした。
下山 12:30 予定通り。


広河原から北岳。なんでこんなに晴れてるの…

帰りは鉄板桃の木温泉で締めて帰りました。2時には湯の中。

スモモサービス中。スモモより”おにぎり”みたいなんだけど…(笑)

帰宅してテントを干す余裕までありました。

《備忘録》
・シーズンはじめ、バス輸送はかなり手際が悪い。
・バスより乗り合いタクシーがおススメ。奥の駐車場まで送ってくれる。
・温泉は桃の木温泉が源泉賭け流し(1000円)

《両俣小屋》
・2食つき8000円
・お弁当1000円
・水無料
・ランチ500円
・コーヒー500円
・夕食17:30 朝食4:30

《北岳山荘》
夕食1600円
テントサイト 600円
水 1L 100円
トイレ 寸志

《2泊3日 三峰岳・間ノ岳・北岳縦走》
1日目 2.5時間 野呂川手合~両股小屋泊
2日目 7時間 両股小屋~北岳山荘
3日目 6時間 北岳山荘~広河原

地図などはこちら

見た高山植物の同定

ヤマレコ投稿記事

麦草ヒュッテで薪割り体験しました☆

2012-07-09 19:02:09 | 山、登ってきました☆
今日は穏やかな心休まる日でした。

友人を麦草ヒュッテと白駒池に案内してきました。ヒュッテに着いたらまずはケーキセットを食べ…(笑)
なんていいヒュッテでしょう!ケーキセットがあるなんて!!

北八ケ岳の森…もうここを嫌いだったらどこの山も嫌いだろう…というくらい森らしい森、どっしりと人を包み込む包容力のある森です。北八つ、いつ行っても美しいです。


白駒の奥庭では、いわかがみが岩陰に咲いていました。

今日は友人は初めての山だったので、白駒湿原まで行きました。 


わたすげの花が咲いていました。ちょっと遠くて白くてうつむいた花としか見えなかったのですが…岐阜県でレッドリストの準絶滅危惧(^^;)

心配した雨も上がり、むしろ日向は暑いくらいの感じ。のんびり散歩です。


彼女はまったく山は初めてなのですが、自然歩きが好きなのです。私も自然を歩くのが好きです。

なんの花かしら? ゴゼンタチバナでした。

白駒池のほとりで一杯しゃべり…帰りは白駒荘でランチ。

おにぎりセット650円。 かけそば600円。セットのから揚げはあげたて。

食べていたらキセキレイを見かけました。尻尾をフリフリしている鳥を見かけたのですが誰だったのかなぁ?

それから薪割して帰ってきました。

この薪、ぜーーんぶ割らないといけないらしい…ぜんぜん戦力にはなりませんでした。スミマセン(^^;)

薪割り、うまく割れるとストレス解消になっていいかも・・・。以前間伐のボランティアをしたときももうまく倒れると快感でした。登山者がトイレ一回100円の代わりに薪割り1個とかなんないのかなぁ(笑)?


おみやげ。コケ丸クッキー。 スタッフが書いたイラストだったと思うのですが、コケグッズが一杯出来ていて
ビックリ~。 北八つの苔絨毯、キレイですよね~。

ちょうど車に乗ったら一杯雨が降ってきてビックリ。ちょうどいいタイミングで車に乗りましたが…
甲府に着いたらぜんぜん降っていませんでした。

《オマケ 山の初心者セット》
・歩きやすい運動靴。滑りにくく、そこが硬く、足を保護するもの。
・コットン以外の服装
・帽子
・雨カッパ
・水筒