アダルトチルドレンの若者へ

2014-04-16 07:53:19 | 魂と心の成長

■ 読了 『愛情という名の支配』

この手の本は私は大概読まなくても主張も内容もよく分かっているので、たいていが素通りなのですが、この本はなぜかあっという間に読み終わりました。

愛情という名の支配

私は子供の頃、小さな大人でした。親の親をしていたのです… つまり、親よりもしっかりしている子供でした。アダルトチルドレンです。

日本では親孝行というのは、8割方、愛情という名の支配です。 

そうとよく知っていて、またそれが世間的に理解されないのも知っているので、そういう世間の事情は受け入れ済みで、特に私にとっては問題になっておらず、過去にすでに置いてきたものです。

が、問題は、今現在、私がある、壊れた家庭を知っていて、そこの若い19歳の男性のことをいたく心配している、ということです。この本はその心配が招いた本に違いありません。私は若き日の自分をこの若者に見てしまうのです。

以下は、その19歳の少年のように、「母親が愛という名の支配をしている」家庭に育った子、心優しくそれゆえに、親のために人生を考えているような子、のため の知識です。

≪正常な家庭ではないサイン≫
・両親が愛し合っているか? どちらかが片方を「愛」で縛っている → 正常な家庭ではない
・正常な家庭かどうか見分ける方法は、「愛」の代わりに「支配」という言葉を入れても、しっくりくること=正常でない
・夫婦の結びつきより、母子の結びつきの方が強い
・親のどちらかが、暴力、アルコール、仕事、その他のものに依存している
・その依存を残りの親は促進するような形になっている(共依存
・男親の存在感が希薄である
親が自分の人生を歩んでいない
・かつ、それを子供や環境のせいにしている
・子供が親よりしっかりしている

≪その場合、子供はどうしたらよいか?≫
一刻も早く自立し、親から離れる
・親を助ける必要は子供にはありません。子供の自立と幸福こそが親孝行です。
・親を助ける必要は子供にはありません。子供は5歳までですでに全生涯分の親孝行を済ませています。
・共依存は、親から子へと継承されます。つまり、自分も親と同じく子供をACにしてしまう親になるということです。
・暴力は治らない。
・暴力を受けた子供は暴力をふるう親になる → 自分が受けたことがあれば要注意です。目撃だけでもです。
・何かに対する依存症(酒、たばこ、恋愛、ギャンブル、女性、仕事)は、付き合ってくれる人がいなくなると治る

■ 親は子供を思ったより愛していない

私が確実に分かっていることは

親が子を愛す愛より、子が親を愛す愛の方が強い

ということです。 子はそれを知ると失望しますが、その必要はありません。

これまでの人生は、子を強くこそすれ、弱くはしなかったはずです。また

・子は自己犠牲しようとするが、そうしては決してならない

です。親ができる、もっともまっとうなことは、その子がいくら「僕が働いて家にお金を入れるよ」などとと言ったとしても、断固として自分のために生きるように言ってあげることです。

長期的に見て、このような親孝行は決して良い結果を生みません。自己犠牲は、大抵はする方にとっては大きく、受け取るほうにとっては小さいものです。たとえば、私は28の時、妹の生活の面倒を見ていますが感謝されたことはありません。受け取るほうにとっては、あまり大きなことでないように感じられるのです。特に家族間ではそうです。自己犠牲をする側はそうしたことを理解したうえで行う必要があります。

そして絶対的な真理は

人は自分の生き方を自分でするべきである

です。多くの人は良い子の生き方をしようとしますが、それは誰の生き方なのでしょう?

■ 親からもらった贈り物に感謝する

アダルトチルドレンの人は大抵が大変心優しい人で、その心の優しさを相手はよく分かってて、「愛情」という名の支配をします。

いくら「愛情」から出たことであっても、受け取る側が「苦痛だ」と感じていれば、それは愛情ではなく「支配」なのです。

選択肢Aも選択肢Bも選択肢Cも与えず、結局出口をふさいでおいて、ここしか道がない、という風に選ばせられるのは、要するに愛情という名の支配です。

ただこれは、日本社会では普通に起こることです。

たとえば、私は社会学的に分類すると大卒女子です。一般に大卒女子は、総合職など男性並みの仕事をすれば、「男の仕事を奪う」と言われ、かといって、一般職に行くと「この仕事はあなたには易しすぎる」と言われ、ならば家庭に入ればどうなるかというと「三食昼寝付でいいわね(暗に働け)」と言われます。何をどうしても「世間」を喜ばせることは基本的に決してできません。結局、男並みに馬車馬のように働きながら、男性以下の賃金しか要求せず、子供も産んで、なおかつ家庭を一切男性の協力なしで切り盛りするというスーパーウーマンしか存在を許されていないのが日本社会の現実です。(が、そんな人は世の中にいるわけがないので、燃え尽きてしまう人、多数です。私も30代はそうでした。)

こういう訳なので、世間から求めれる生き方をするのではなく、最初は非難や反対を受けても、最初から、親の経済事情とは関係なく、自分の生き方を生きるに限ります。

しかし、親の苦労を見て育った子は、親の苦労を軽減するにはどうしたらよいか?を最優先して考えるので、
・自分の本当にやりたいこと、
・本当に生きたい生き方、

などが分からなくなっている可能性があります。

なので、出来るだけ若い間に自分の生きたい生き方を生きることを開始するのが大事です。

そうした中で、親からもらった贈り物も実感するはずです。

≪私が親からもらった贈り物≫
1)親が何でもわかっているわけではないのだと8歳にして直感で理解できたこと
2)そのため、自分で考える習慣が付いたこと
3)人の魂は何歳になっても同じだと気が付いたこと 
4)美術館に展示の度に行って、一流の絵画に触れ、一流を見る目が養われたこと
5)本を読む習慣 (読書は若い日々には逃避だったと思いますが)
6)コーヒーが好きなこと
7)アメリカに対する愛 (母は団塊の世代です、チェゲバラのレコードを持つような)
8)凝ったお弁当を作らない、人の目を気にしない主義
9)服のセンスが良いこと (良いものを長く着る)
10)品の良い家庭環境 (母方・父方とも没落した地方の名士の家の出です)
11)教育に対する愛情

母は黄色いフリージアや黄色のバラが好きだったので、私もフリージアを買うなら黄色を選び、バラを買うなら黄色を選びます。

また母がビートルズ好きで子供のころから自宅ではビートルズですので洋楽派ですし、絵画については一般以上の知識があります。たいていの人は、アンセル・アダムスと言っても知らないし、ジョージア・オキーフって誰?でしょう。

バレエやクラシック音楽についての愛は、おそらく品の良い家庭に育ち、ほとんどテレビを見なかったからでしょう。私は「八時だよ全員集合」が暴力的で大嫌いで、自室に帰ってしまう子でした。バラエティ番組は全部嫌いなのです。その代りNHKの特集とかが好きと言う変わった子供でした。

そういう親からもらった贈り物を自分のアイデンティティの一部として愛着を感じられるようになったということは、、アダルトチルドレンとしての苦悩の期間が終わり、自分らしい人生を歩むことが、たとえベビーステップでもできるようになった、という傍証でもあります。

しかし、ここへ来るまでの道のりは、大変厳しいものだったということは付け加えておきましょう。

仮にもし、自分が親である方がいるならば、ぜひ、子供から手を放してあげてください。

親は家族をチームのように考え、成人した子供を他の子供を育てる戦力とみなしていると思いますが、それはあなたの仕事であって彼の仕事ではありません。

人は誰かの人生の手段として生きるべきではなく、自分の時間、人生を自分の人生を実現する手段とすべきです。

 


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2 Comments

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Unknown (えにぃ)
2014-05-07 12:16:08
初めまして、選択する記事から飛んできたものです。
現在一浪して文系私立大学4年生の23です。
高校生活をうまく送ることができず、浪人という形を選択いたしました。
私自身、大学を選ぶ際、最終的に学費の安さから選択いたしました。(中でも学びたかった法律の分野を選択はしています)
大学進学の際、両親は私に選択肢を与えたということですが
・父親の両親が父が高校の頃にともに死去
・父はしたくない仕事を長年続けてきたようです
・母親は私は仕事しながら頑張ってるのに、あなた達は学校に行ってるだけ。私は疲れているの。だから気を遣いなさい、お手伝いしなさい とこのような母なので、私は昔はとても嫌い(最近は私も多少精神的に成熟したのでそのようなことはありませんが)で母親の~しなさい、や~しておいて という言葉はさせられていると感じて断固拒否していました。
なので、両親に対して多少、自分を作っていました
現在就活中なのですが、父親が早期退職のため、精神的に追い詰められて、出だしが遅くなっています。
支離滅裂で申し訳ないのですが
私は両親への甘え方や頼り方がわかりません(相談の仕方がわからない。アドバイスはくれるが、前向きになれない)
し、また家計のために自分を犠牲にしてしまいそうです。
本題なのですが
自分の本心を確立するためには何を始めて見るのがよいでしょうか?
ずっと実家にいるため、両親の表情や生活から見て、家計を鑑みてしまいます、お金はありませんが家を離れるべきでしょうか?
できれば辛辣な表現など無しでおねがいいたします
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大変ですね、気持ちお察しします (Tanihachi)
2014-05-07 12:27:29
大変なご苦労をされていますね。

私の場合ですが、この年齢の頃は”自分の本心”が何か、まったくわかりませんでした。

分かるのに20年くらいかかりました。でも、何がイヤかいやでないかとかくらいは分かりますよね。

大抵の予想されるコースは、”本心”が分からないまま、”無難なコース”を進み、10年くらいして、”心身に異常をきたし”、過去を振り返って、”ああ、本心じゃなかったんだ”と分かると言うものです。

しかし、今分からないモノは分からないので・・・ こういうのは突然わかるようになるものではないみたいですし。

言えるのはすべての道は正解へ続く道、苦しいことも正解、Aという選択肢をとっても正解、Bという選択肢をとっても正解ということです。人生に間違いはありません。

〇〇すべき、というアドバイスはすべからく世の中では怪しいものです。 私も〇〇すべき、というアドバイスを差し上げることはできません。

けれど、ご両親のことを想う気持ちが、ご両親に伝わっているといいですね。 

心からそう思います。
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