ゴールドコーストでお宿を探す

2011-06-19 22:37:00 | 福岡&中野&メルボルン時代
■交渉力が必要なオーストラリア

妹が8月にオーストラリアで結婚式をするのですが、予約していたアパートタイプの豪華宿泊先Q1から、手付金を支払った後で”やっぱりパーティはダメ”といわれ、弱っているそうです。

オーストラリアビジネスがやりそうなことです~!プンプン!

あちらでの生活を思い出して、メラメラと義憤が湧いてきました(^^)。
オーストラリアは今バブリー。もともと消費意欲が高いことが背景にあり、あまり顧客を大事にしません。

予約を得るためにOKを出し、手付金を払ったところで”やっぱりダメ”っていう程度の”ミニチュア詐欺”は、日常茶飯事。 日本の消費者なら泣き寝入りですが、泣き寝入りなんてしないのが世界の常識。
そして一度ダメといわれても交渉を続けるのが海外式。今交渉は始まったところです。

実際、パーティを嫌がる宿泊先でも、”パーティ”というひとつの言葉に対して想定している事態は一般的な欧米人がやる、大音量で音楽を流して大規模なケータリングをしてのパーティを思い浮かべるなら、そりゃ誰だってお断りしたくなるのです。あちらでは、羽目を外したティーンネイジャーが、歌舞伎町あたりで酔いつぶれるサラリーマンぐらいの醜態をさらしています(笑)

実際、私が聞いた2,3のところでは、近所から苦情が出なければOKだそうでした。

こういう交渉力は日本にいるかぎり、どんなに英語ができてもつきません。日本の常識では考えられないひどい仕打ちを受け怒り心頭になるのが関の山。Thank Youを言い過ぎるのもダメ。最初に聞くべきことはしっかりと聞いてしまい、細部まで確認してからカネを出す… それが鉄則です!!


■ 海外の宿泊先探しにおけるFacts

① 日本の旅行者が出している一般消費者向け情報はほぼ役に立たない

《その1》
HISでジェットスターの見積もりを出してもらいました。往復で17万円越え!ま、ためしに頼んでみただけですが一切HISを介す意味は見出せない価格。 自分でやったら11万円くらいでした。(燃料サーチャージ込み)
イマドキ出張で東京大阪をANAなどで飛ぶのと同じ手順ですから、自分でやるべし。

《その2》
そして、ついでにホテルを探そうともらってきたパンフ。そして、『地球の歩き方』、一切役立つ宿泊先情報はほとんどないー。それは日本から出かけていく客が現地では散財することにしているから、のよう。

もちろん、バケーションとしてある意味ボラレにいく場合はいいのですが、長期滞在だとそうも言ってられません~。

オーストラリアは土地価格が非常に高騰しており、宿泊先も高くなりがちです。でも一泊$240ドルって日本の高級旅館並みは本当に高級です。 普通のビジネスホテルレベルで十分。大体旅行中で日中にそこにいないのならなおさらです。

しかし、日中も家にいることが多いのが長期滞在…

そういう用途には、一切役立つ情報が無いのが日本の情報誌。

② Googleを活用すべし

私のやり方は、Googleで現地の地図を出し、そこでキーワード検索をして宿泊地を探すというものです。

海外のGoogleは日本国内と違い、情報が充実しているのでかなり使えます。

《オススメキーワードリスト》

 ・Accomodation (宿泊先) → 一般的なホテルやモーテル、ホステルなど全部がヒットする
 ・Holiday apartment (ホリデーアパートメント) → 家族旅行で利用する一軒家やアパート全体を借りるもの
 ・Holiday Rental (ホリデーレンタル) →家族旅行向けの宿泊先探し全体
 ・3br rent → 3ベッドルーム、つまり寝室が3つある家を借りる
 ・Sublets → サブレット 一般市民が自宅を休暇中に貸しに出すもの
 ・Caravan park → キャンピングカーのキャンプサイト オーストラリアで安いもののひとつ
 ・Motels → モーテル 車で移動する人達用のベッドルームだけの住まい

これくらい叩けば、およそそのエリアにあるすべての宿泊可能な場所は出てきます。

日本ではホテル以外には旅館くらいしか選択肢がありませんが、海外では選択肢は多いです。

Hotelがもっとも格式が高く、豪華なホテルのスイートに泊まる気分で長期滞在向きなのがServiceApartment(掃除つきアパート)。
日本では外国人向けに提供されているだけですね。レオパレスみたいなものにリネンサービスや掃除がついたものと思えば、いいかもしれません。アメリカではコンドミニアム、と言われたりもします。ややこしいのは平屋方式のアパートを指す場合もあるのです。

モーテルは壁が薄いので日本の安アパートのようですが、車で移動するのに便利な場所にあり、とっても安く、ホテルの半額くらいです。一泊45AUDくらいでも泊まれます。

サブレットは貸している人がいたら、”もうけ”の割安な宿泊方法。しかし一般的には見知らぬ人に貸すのは難しいので友人つたいが多いです。あと、ネットだとシャアハウスのマッチングサイトでみることがほとんどなのでありがちなのはサブレットでは”詐欺”です。 住所に行ってみてかぎも何もなくて入れなくても、お金を払ってあったりして。サイトでもTrustedなどと書いてあるのは、逆に言えばかいていないのは詐欺の可能性があるということ。

現地に留学してしまう場合は、最初の数日はホテル、そこからこのようなサブレットやシャアハウスに移ります。

オーストラリアではキャラバンパークが充実しているとロンリープラネットにありました。わたしもまだキャンプデビューはしていないのでどういうところなのかまた知りませんが、確かにあまりにホテルなど高いので(日本で言うところの、一流ホテルばかり)ごく普通の家族旅行ではどうするのだろうか・・・というと・・・ホリデーレンタルらしいですね。FamilyRoomがホテルにあればソレがベター。それでない場合はキャンピングカーで移動してアチコチで停泊(笑)。キャンプは一般的でないそうです。

そして、お隣ニュージーランドと比べ、あまり充実していないのはバッパーです。充実もしておらず質もイマイチ。オーストラリアの安宿はほんとに安宿でちょっと清潔感にかけることが多いです・・・ニュージーランドでは一人旅も快適でしたが、オーストラリアでは少々割高を覚悟せねばなりません。私がバッパーが嫌いなのは・・・見知らぬ人と同室になるからです…多分、山と同じで人間が一番危険だと思うんですよね…。
最近友人にテントを借りたので、もういっそ冬のゴールドコーストでキャンプデビューするかもしれません(笑)。

日本から招待した家族を泊める宿泊先を、私が一緒に日本から宿泊先を探していますが、ホント、日本の一般消費者向け情報は役に立たない&ネット様サマです。

■ 役に立たないことの例

前回もネットで探して泊まった Baggs of Cunungra は『地球の歩き方』には載っていない。

ヒンターランドを歩こうと思ったら、オーライリーズ

ビナブラ

くらいしか『地球の歩き方』には載っていないが・・・

実はこれだけある・・・
Springbrook National Park スプリングブルック国立公園

Tambournine Mountains タンボリン山国立公園

英語が話せることの経費節減効果ってヤツですね・・・


利己的なオーストラリアとの交渉術

2010-10-04 13:47:18 | 福岡&中野&メルボルン時代
念願の久しぶりの海外、オーストラリア・・・とっても残念な結果に
終わってしまいましたけれど、良かったことは新たに友人を得れたことです。

オーストラリアの”?”な点は、現在のオーストラリア社会が、端的に言うと

「正直者が損をする社会」 「努力をバカにする社会」 「優秀な人ほど損をする社会」

になっているところです。

アメリカにも日本にだって、多少ありますが、”頑張っても頑張らなくても同じ時給なら、頑張るのはバカバカしい”・・・

それが誠実に努力したり、頑張ったりする人を見下す風潮(Hey、Relax!Enjoy Yourlife!)はあります。

歴史あるほかの国々は、景気後退や戦争など、試練を受けて、
「やっぱりそれじゃ社会が上手く行かないだけじゃなく、本人も楽しくないんだな」
となんとなしに、社会が不整合を感じているところがあると思います。 

それをアメリカは少しづつですが学びつつある。挫折が、国も人も強くするのですね。

ところがオーストラリアは、今の時点では、挫折を経験していません。
資源切り売りで中国相手にぼろ儲けできる。これは実は、何の努力も
伴わない成功なのですが、そのために過剰な自信にあふれています。

運良く、「努力なしにタダ乗り」できて結果的にラッキーだった、という過去の
移民ブーム世代が、あらたな搾取対象者になる新移民を後押しして、結果としては、消極的にサボりを助長し、
あらたに「努力なしにタダ乗りしたい」という下心を抱えてやってくる浅ましい人たちを
否定できず(カネさえ払えば移民できる)、世の中の常として、もっと能力がある人は
他国へ向かうため、カネはあるがそこしか行くところのない、という人たちの溜まり場の
ごとくなっています。

これはこの国では優秀な人材は他国へ流れて行っている、という事実が支えています。

ところが現実には、誰かが働かないと社会は回らないわけで、一番”押しの弱い”人から
割を食う社会になっています。その中で現在の移民は一昔前とは比べ物にならない
苦労を強いられています。サボる人数が多い分、背負う重さは重くなります。

一般的に日本人はどんな人も世界レベルでみれば相当な働き者なので、こういう場に
入れば、必ず多くを背負うを背負う羽目になります。

そうなりたくなかったら、自分も”サボる”側に入らなくてはいけません。

そういう究極の二者択一・・・ でも、消極的とはいえ、魂は売ってはいけない、というのが私の結論です。

私は選べるなら安心して努力できる国に行きたいです。


■ 「遅れてきた客には、食事は提供されません」

これはあるサイトからの引用ですが
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本の労働環境の問題を集約すると、「運よく正社員になった人が、生産性よりも高い給料をもらっていて、そのしわよせとして
採用抑制や非正規社員の不遇を生んでいる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これをオーストラリアに適用すると

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オーストラリアの労働環境の問題を集約すると、「運よく”経済成長前に移民してきた”人が、生産性よりも高い給料を
もらっていて、そのしわよせとして”留学生”や”新移民”の不遇を生んでいる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これを要約すると 「遅れてきた客には、食事は提供されません」

アメリカと違い、問題な点はオーストラリアでは日本のように努力して成功する人を
見下げる部分があることです。学校での授業は、出来の悪い人にあわせられ、
クラス全体が足を引っ張られることになります。 ある意味、個人主義が行き届いていない。

これは国の生い立ち・・・犯罪者の島流し・・・によるのかもしれません。
新天地を目指してきたというよりは、仕方なく来た、という感覚が
負け癖に対して、頑張れ、やればデキる!と素直にいえないメンタリティを
産んでいるのかもしれません。

結果、チャンスの国というより、不正に寛容な国になっています。


■ オーストラリアと学費の返金  公的機関に相談しよう!

最近、また学費の返還のことで、問題が浮上しています。 学校側は、返金のために
クレジットカード情報をよこせと言ってきています。 

うーん、カード情報をネットを介してやり取りするのは、一般的な商慣行なのでしょうか?
いやしかし、そもそも、カードで払っているのですから、情報は既に持っているのではないでしょうか?

そこで、Consumer Affair Victoriaにこの旨、確認すると、返金方法については
両者で納得のいく方法を合意するように、ということでした。

普通そうよねぇ・・・。やっぱり日本のビジネス常識は世界の常識。良かった。

ところが、相手側は「できません」の一点張り、それどころか、「そのほうが早く返金できます」。

”早く返金できる”の根拠が分からないので、再度質問を出していますが返事は来ていません・・・(汗)。


■ 利己的な交渉術? 

オーストラリアで驚いたビジネス交渉術は、どう見ても自分に否があるときに
決して謝罪しない。  

・・・のみならず、その挽回に当たっても、相手に恩を売ろうとすることです。

その方法は研究するに値すると思います。 なぜなら日本人も国際社会では、これくらい
厚顔に生きていかないといけないのかもしれない?からです。

実例で示したほうがわかりやすいと思うので、メールのやり取りを簡単に紹介しましょう。


①自分のミスをごまかす技 (下線部)

 A: How is the refund procedure going? 
    返金は進んでいますか?

 B: We have processed your withdrawal from the course, but please
    fill out the attached form if you wishto apply for a refund.
    入学取り消しの手続きはしていますが、返金が必要であればこの書類に
    記入して送ってください。
 
   ツッコミどころ: Ifって返金が必要ない人がいるでしょうか?
    またこの人とは返金について現地で話し合っています。
    この書類のことはおそらく忘れていたのでしょう。

 B: Please bear in mind that as per our refund policies, strictly speaking once
    you start a course you are not entitled to a refund at all.
    I am doing my best and this is a process that we need to go through.
    一旦講座をスタートしたら返金処理は通常できません(← 講座スタートしていません)
    私はベストを尽くしています。

 A: Thanks, but I must disagree...I know you are a much more capable man.
    You must have forgotten to tell me about this document because
    I asked you and you did not tell me, it is not like you.
    ありがとうございます、しかし、そうではないと思います。
    あなたは優秀な人だからです。この書類のことは忘れていたに違いありません。
    
② 自分がすべきことを相手に押し付ける技

 B:  Please see our website for more details on our refund policy.
     当社の返金についての案内をHPでご確認ください。

   ツッコミどころ: HPではなく、あなたに確認しています。何のためにあなたはいるんだ?

③ 直接回答を避け、相手に恩を売る技

 A: I am afraid what will happen if the money is not refund at all from the card
    company, or stolen by the third party.
    情報を提供したことで、返金されなかったり、第三者の盗難に遭うかもしれないと
    思うのですが?

 B: No need to worry as K is a multibillion dollar company and we would have
    no interest in altering the amount of your refund.
    Asking for the ccv number is standard practice in Australia and the refund
    would actually be quicker this way.
    大会社だから安心です。 このやり方のほうが早く返金できます。

 A: Can I ask how come the refund on credit can be faster? How fast?
    早いのはどうしてですか?どれくらい早いのですか?
 B: ・・・・・・・・


このようなやり取りにおいて、日本人は根負けすることが多いように思います。

しかし、それも自分を押し通すための相手の作戦の一部だったらどうでしょう???

ともかく 理詰めで攻める! これしかありません。

理不尽だと感じる要求をされたら、その理不尽さが共通の理解になるまで、粘るべきです。

上記の例では、カードでの返金以外受け付けない、というのは相手方の事情であり、
それを飲むからには、こちらはそれなりの事情説明を受けるべきです。

大体の傾向としては、オーストラリア人は短気です。粘っていると
相手があきらめないと理解するや否や、すぐやってくれます。

つまり、基本、人のことなめてかかってるんですよね・・・(汗)

彼らの”できません”は”やりたくありません”と理解すべきでしょう。





大学院留学セミナー 感想

2010-09-15 11:46:52 | 福岡&中野&メルボルン時代
この間は東京国際フォーラムでセミナーに出てきたわけですが、
そのセミナーの感想をアップしていなかったので掲載します。

■ どこの国に行くか?

このセミナーは、米、英、豪、を主流に、カナダ、ニュージーランドを視野にいれていたので、
それらの大学の傾向を知ることができました。 カンタンにまとめると

A) アメリカ 
  ・TOEFL IBT (IELTS)
  ・GREもあり
  ・実践的、即戦力向け
  ・ConditionalOfferなし

B) イギリス
  ・IELTS
  ・理論的
  ・1年で修士が取れる
  ・ConditionalOfferあり

C) オーストラリア
  ・IELTS
  ・アメリカプラスイギリス的
  ・入学基準が緩やか
  ・ConditionalOfferあり

D) カナダ
  ・アメリカに準じる
  ・教育水準が高い

E) ニュージーランド
  ・オーストラリアに準じる
  ・大学数が限られる

このABCDEの並びが人気順です。このセミナーでは、どうやって有利に入学するか?
つまり、入学することをゴールとすると、Cのオーストラリアの大学でコンディショナルオファーで
滑り止めを作っておき、その間英語力を上げ、本命のAやBの大学に合格する、というような
スケジューリングも可能になる、ということでした。

また国ごとに得意分野がありますから、特にビジネスではアメリカが、開発学ではイギリスが、
などなど、国の特性と自分の専攻がマッチすれば予想外に上位の学校に入学できるチャンス
も生まれるのだそうです。


■ IELTSかTOEFLか?

その際、一番の大きなポイントは、入学許可をもらうにあたって、IELTSかTOEFLで行くかです。
その際、知るべき事実は

・最近はどちらのテストもどこの国の大学でも大抵が受け入れる
・しかし、各大学のこの二つのテストの入学許可基準にはバラつきがある

です。 例えば、TOEFL100点とIELTS7.0が大体同じレベルなのに対し、大学はIELTS6しか
要求していない場合もあり、逆にIELTS7を要求しながら、TOEFLでは80でいい、という
大学もあるそうなのです。この溝が入学希望者には千載一遇のチャンス!というわけです。

日本人にとって一番のハードルは 以前 悲しき哉、英語力、ということですね。 

悲しいのはなぜってIELTS7は全然難しくないからです・・・
そんなことが問題になっている時点でもう悲しいのです。

■ ConditionalOffer

裏技のひとつにConditionalOfferというのがあります。これは入学前までに
語学力を満たせば、という条件付Offerです。 

これは入学前に語学学校へ入ることで、語学力を増強するものです。また、
それ以前に大学入学資格に問題がある場合は、Foundationコースというものも
あります。 (かなりレベルが下がるので入っちゃいけません・・・)

こうしてみるとあの手この手で海外の大学は学生の呼び込みに必死ですね。

ConditionalOfferの学生さんは、例えば、今回語学力のテスト(IETLTSやTOEFL)に
受からないと大学に入学できずに帰国を余儀なくされる、といって語学学校に通い詰め
の学生とかたまにいます・・・

こうなると・・・机上の勉強では語学力はつかない。語学力がつかないから、学校に行く。
学校では力はつかない。の堂々巡りコースに入ってしまう危険があります。

■ 語学力は自分でつける

こうした事態は避けるに限ります。

たしかにIETLS向けの特訓コースなど基本的なテスト戦略を教えてくれるコースは
役に立ちますが、実はそんなの自習本に書いてあるんですよね~。なので高い
授業料を払う価値があるか?というと個人的には疑問だなと思います。

まずは動機

一番良いのは、海外生活をしばらく実際にやってくることだと思います。
まず一回目の海外生活は、ショックでやる気を起こさせることなので、2週間でも
1ヶ月でもいい。単にバックパックを背負っての放浪旅でもいい。ワーホリでもいいと
思います。つたない英語でいいのです。これが英語を勉強したいという動機づけに
なります。 どんなことでも動機がないとできませんから。ここにかかったお金は
後で語学学校に行く分を考えるとすっかり元が取れてしまいます。

自習

そこからは、どんな力がどんな風に自分に不足しているのか既に自覚していると
思いますから好きなように勉強したらいいのです。 
ですが、成長は計らないと実感できません。そこでTOEICがオススメです。
ものさしの幅が日本人のほとんどをカバーする上、社会人になっても使え、
無駄がないからです。英検では日本でしか通用しない上、テストそのものが陳腐化の
気配があります。

あとはこの勉強してはテストを受けるサイクルをまわしていくだけです。

IELTS7.0はほんと、全然難しくありません。むしろ、大学の授業についていくことを
考えると易しすぎるくらいではないかと思います・・・。このテストが難しすぎて
あきらめる、というのはどちらかというとあきらめたほうが良かった、ということなのです。
後で挫折しますから・・・。

あと海外で気がついたことですが、難しいと言っている人はテスト
そのものを受けたことが無い人が多いです。その他難しいといい続け
現地に居住し続けることが目的の人も大勢います。 なので
最初から難しいものだと先入観を持たないほうがいいでしょう。
ほんと普通のことを普通にやれば、難しくありませんから。


■ 大学院レベルが不明なこと・・・すべての元凶

海外の大学に行く。大学院に行く。どこに行くか?すべての元凶は
どの学校が自分のレベルにあっているか分からない。そこだと思います。

日本なら大体学校生活で自分がどのヘンに位置するのか分かるものです。
ところが海外では自分の相対的なレベルが分からない。

結局、雑誌などが出している世界大学ランキングなどを参考にすることになるのですが
日本の大学は低く評価されている印象を受けました。

これは教育の伝統で、ディベートや論文、自分の意見を持つこと、を
あまり奨励されない学習のスタイルが日本の大学教育の世界的評価に
影響していると思われます。日本人は過小評価されている!

オーストラリアにいた中国人の大学生はまさに日本の大学生のごとく、
発言することそのものが苦手なため、発言すること第一で発言内容はその後
という感じでした。こうしたクラスは大学のクラスとしては大変幼稚に感じました。
私が行こうとしていた大学は決して低いランキングの大学ではなかったにも
かかわらずです。

しかし、大学のレベルはその年、その年、クラスメートの質、教授の教え方でも
変わるため、ミスマッチを避ける方法は実はありません。

これが前提にあるため、結局、ミスマッチを避ける方法は、ミスマッチがあったとしても
我慢できる方法、ということになります。

・本当にやりたい勉強をやる

です。 学歴を作りにいく。この発想は日本だけだと思います。学歴よりやりたいこと。

でなければ大学をドロップアウトすることになります。どんなにいい大学に行っても
合わないものは合わないものです。南方熊楠は東大中退、ビルゲイツだって大学
中退です。

ましてや、英語でつまらない勉強をしてまで卒業する苦労に見合う
学歴なんて海外にあるでしょうか?それなら、日本の東大に入り
直したほうがいいでしょう。

日本の大学は、論文の書き方や授業の受けかたなど、スタディスキル、
という分野の強化が弱い気がします。これが海外から評価されにくい
理由です。また学歴だけが問題にされるため、入ることに主眼があってあまり勉強しない、という一面の事実もあります。

そこが日本の大学生がイキナリ大学に入っても上手く行かない理由ですがこういう人たちでも海外に出るとスタディスキルを身につけ、
驚くような高レベル校にも通うことができます。

そういう意味では、日本の大学の学歴主義に辟易している人には
海外の大学は大変オススメです。ワンランク上が狙えるでしょう。

しかし、一方社会人はもう学歴がどうという年齢ではないですし、
どんな勉強をするにしろ、勉強そのものが目的です。

そういう意味では、テストテク、入学テクはあまり意味がありません。

実際にどんな人たちが、どんな思いでそので学んでいるのか、
そういう情報のほうが重要なわけなのです・・・

というワケで、私にとってはイマイチだった留学セミナー・・・
でも海外には一度は出たほうが日本での生活にも納得感が
出て、楽しく生きられるようになるというのが持論です。



Mega City

2010-09-09 09:47:01 | 福岡&中野&メルボルン時代
■ 世界の動向をみるためにはどの都市に注目すべきか?

『クリエイティブ都市論』 では、人口・経済活動・イノベーション・科学者数などを
複合的に組み合わせ、”メガ都市”を取り上げています。

これらメガ都市は、その都市だけで他国1国以上の成果を上げている地域であり、
世界経済を牽引している、とされます。

つまり、これら地域の動向を追えば、世界の動きを要領よくカバーできる。

さて・・・それらがどこか?って。 ちょっとデータが10年前なのは気になりますが。

著者のサイトはココなのですが同じようなデータの最新版は見当たりませんでした。
http://www.creativeclass.com/

■ メガ都市

1)経済規模
 2兆円を越える都市圏 (00年時)
   1) 広域東京 2.5兆 
   2) ボス・ワッシュ(ボストン~NY) 2.2兆

 1兆円越え
   3)シーピッツ(シカゴ~ピッツバーグ) 1.6兆
   4)アム=ブラス=トワープ (アムステルダム~) 1.5兆
   5)大阪・名古屋 1.4兆
   6)ロン=リード=チェスター(ロンドン・マンチェスター) 1.2兆

2)イノベーション総数(特許出願数)
  トップクラス都市 
    東京、NY、サンフランシスコ

  セカンドクラス都市 
    ボストン、シアトル、オースチン、トロント、バンクーバー
    ベルリン、パリ、ストックホルム、ヘルシンキ、大阪、ソウル、台北、シドニー

3)科学者数
    アメリカ東海岸、アメリカ西海岸、シカゴ、ロンドン、アムステルダム、パリ、東京

■ 国内何位かより世界何位か?

ここには出てきていませんが、日本で3番目に大きな経済都市は北部九州です。
九州は他国一国(例えば最近までのオーストラリア一国)ほどの経済規模がありながら、
なぜか自信がない。
田舎だという意識が根強い場所です。 
東京の10分の一、と考えるより、世界ランキング何位か?と、考えるほうが自信がつきます。



仕事より家族をとりました

2010-09-04 14:48:39 | 福岡&中野&メルボルン時代
■ 仕事 < 子供

先日は懇意にしている外資の人材紹介業の人が仕事を紹介してくれました。
どーも、可哀想にと情けをかけてくれたっぽいんですよね(笑)

仕事は東京。 まぁ甲府からでもなんとかならない距離ではありません。東京暮らしは私にピッタリなんだし。しかも、日本法人設立
直後のスターティングメンバーでリサーチの仕事、とバリバリ私系。

しかし、この仕事を請ければ、私は子供を持つ機会をさらに失うことは
確実でしょう。 

だから、断りました・・・。良かったのか悪かったのか?35歳以上は採用しない
が定説の日本で、もうアラフォーの私にまともな仕事が無いのは分かっていましたが、
どうせ仕事がないのなら、本番40まで行ってしまっても同じかなって(^^;)

”すべての道が正解へ続く道”と信じるしかありませんね。

■ 英語はOK

メルボルンでは、15年ちかく昔に得た”杵柄”も十分通用しました・・・って
いうか杵柄、前よりシャープ? 

日本にいることは不利じゃない、と確認しました。ひと安心。

実は、私の人生はまだ予習、なのです。来るべき本番に向けて爪を研いでいるのです。

サンフランシスコにいた当時、大学教授の家に住んでいました。
あるとき、彼女の同僚が日本から最近やってきたという男性同僚と連れ立ってやってきて・・・
そして、私に耳打ちしたのです・・・「あなた、大学でやっていけるわよ、それだけ話せたら」

これが私が海外留学の夢を持つに至った理由です・・・。あのときの日本人男性
大学職員はよほどしゃべれなかったのでしょう・・・ しかし、罪作りな(笑)

このとき、耳打ちしてくれた彼女は知らなかったのです。私が英語を話せる理由は
「生活しているから」なのだとは・・・。話せるためには留学体験ではなく、生活体験。

日本にいる日本語ペラペラの外人さんも机にかじりついて勉強なんてしていない
でしょう・・・ そーゆーことです。言われてみればそうなのですがみんな分からない
んですよね。

■ 留学未遂事件

しかし、今回の”留学未遂事件”でキレイさっぱり、留学への夢を断ち切れました。

海外の留学は 
  ・日本より質の落ちる教育
  ・日本よりコスト高
の可能性もあります。 

例えば、私が行っていた会計学だと、日本ではCPAの資格が半年程度で終了する
通信講座で、試験合格すれば取れます。しかし海外大学院は同程度の内容が2年です。
授業時間は短く(週4回、1時間半)一年のうち3ヶ月はお休みです。
授業料は4倍。

■ 日本と海外の教育の違い

海外では授業時間が少ない。これはドリルなど自分でできることは勝手に自分で
やってね、ってことです。一方日本では授業に出さえしていればなんとかなるのが
勉強ですよね。

海外の方式だと、授業時間が短いので、勉強せずに遊んでしまえます。
一方遊ばないで自習することもできます。”自分で自習”できる人とバイトしてしまう人では
大変大きな差ができてしまう。 これが人によって成果が異なる理由です。

しかし、逆に常に”自分で自習できる”人にとっては”授業が邪魔!”になります。

正直言って先生が教科書棒読みのクラスに出るのは時間の無駄でしょう。

しかし、移民が主体のクラスではこのようなクラスが多いのです・・・(汗)

誰も発言しないクラスに出るのにどんな意味があるというのでしょう、ホント・・・


■ 若者にはオススメ

しかし、何より”自立”が最重要課題の若者には海外留学はオススメです。

”自立”が日本よりカンタンなのが西洋社会♪ 

留学の成果としては
 ・知らない人とも積極的に話せるようになった
 ・トラブルを自分で解決できるようになった
 ・海外で電話に出ることが怖くなくなった
 ・行動力がついた
 ・我慢強くなった
 ・見違えるほど明るくなった

などです。どうです?ほとんど、これができないのは
”日本では自我を周囲から押さえ込まれているから”というような理由ではないでしょうか?

これは日本で育つ若者が抱え込む、永久に変わらない日本社会の欠点でしょうから、
その弊害を小さくするのに数ヶ月や数年海外で暮らすのが役立つなら、
どんどん行ったらいいんじゃない?というのが私の意見です。

しかーし!すでにそうしたスキルを持っている大人の留学では
そうしたことはもう既に解決済みの問題です。 

■ 大人の海外留学に 失敗は無い

・記者の鳥越さんが留学後記に書いているのは「結局アメリカ人もおなじ人間だった」でした。

・英語教員を長くしていた女性は「ネイティブはどう英語をマスターするのか見れた」でした。

・日本語教授法で留学したプロ野球選手は「プロへの敬意」を海外で実感した、でした。

・難聴の女性がろうあ学校へ行って「互いに成長しあう関係」を実感した、でした。

・・・とココから見えてくることは、大人の留学成果はすべて、個人的だということです。
つまり、大人の海外留学に失敗は無いのです・・・

ちなみに、私の留学成果は
 「海外の男女、職業事情は良いように言われるが日本と大差なし」
 「海外の子育て事情も評判ばかりで、日本と大差なし」
 「海外は表現が上手なだけで結局社会の進化度合いとしては日本と大差ない」

でした。結局、日本人の「プレゼン下手」が確認できた、のです。
逆に言うと日本は自己評価より「悪くない」。 

日本人、ひいては日本の自己肯定感が著しく低いのは既知のことでしたが、
それを実感として感じることができました。対策も見えてきました。

■ 海外という鏡に映すと見える日本の姿

これらの「個人的な成果」から見えてくるもの・・・・それは何でしょうか?

すべて 海外にあって日本社会に無いもの、なのです。
だから海外まで行かなくてはならない・・・。

例えば「アメリカ人も結局同じ人間だ」という実感は、青い目で金髪であれば
それだけでもてはやされる日本では実感できないでしょうし、
プロであっても日本では現役引退後は引け目を感じるでしょうし、難聴というだけで
凄いハンデを背負っているように感じさせられるはずですよね。

海外生活という鏡で映し出される日本の本当の姿は、
”自由”も”平等”も本質的なところでは実現されていない社会です。

だからこそ、海外へ出て、しっかり自分の中に”これが正常だ”という世界を
取り戻してみんな帰ってくる。

これは海外へ出ないと、どう転んでも分かりません。
日本が自由でも平等でもないということはピンと来ないのです。そりゃそうです。
長年のやり方として、不平等も不自由も大幅に看過されているからです。

社会人になるということは、こうした社会に順応するのと同義なのですから。

しかし順応していても、不自由や不平等の”苦しみ”は襲います。
順応してしまっているゆえ、”理解しがたい苦しみ”として認知されます。 

そういう時は海外へ行くのが一番です。理解しがたかった苦しみの理由が
分かります。 

理由が分かる苦しみは、理由が分からない苦しみよりもうんと対処がしやすいものですから・・・。

これが「大人の留学」の最大のメリットです☆







「暇人」 vs 「時間リッチ」

2010-08-31 12:04:40 | 福岡&中野&メルボルン時代
■ 中庸 と バランス

おなじような違和感でずっと温めていたもの・・・
それは「英語で中庸、中道って何て言うの?」というものです。

「中道」が何て言うのか?それだけに1年くらい考えているんですよ(笑)? 暇人すぎ?

極端に走りすぎず、中庸を行く・・・これが大事なこと、といいたいとき、
どう英語で表現します?

これは、「バランス」です。 バランスが大事、といえば、極端に走らないと
いう意味だとわかってもらえます。

「中道」 なんて辞書を引いても、聞いたこともない単語しか出てきません。
でも、「バランス」なら誰だって知っている普通の単語です。

日本人がせっかく単語を一杯知っていても、英語として使いこなせない、
それは、一つ一つの単語の持つ、使われ方、発想の起点を知らないから、もっと言えば”英語の論理”を知らないからだと思うんですよね。

英語の論理を知るには一度どっぷり英語に漬かって、日本語を
忘れてみる、ということが必要な気がします。

バランスって言ったら日本語では、平均台の上みたいでしょう?


■ 暇人 vs TimeRich

「暇人」は「Time Rich」といいます。  なに!この否定的な日本語の響き(笑)!

いつ「暇人」ができたのか知りませんが、ここにはキョーレツに
「暇」=いけないこと、という響きがあります。

暇人と呼ばれ続けているかぎり、時間がある人は肩身の狭い思いを
し続けることになります。

それと比べていかがですか? タイム・リッチ。 リッチなんですよ?
「時間お金持ち」、”お金持ち”にはちょっと揶揄した響きがありますから、
「時間リッチ」にしましょうか・・・

「暇人」 vs 「時間リッチ」・・・(汗)

一方、仕事ばかりしている人は「Time Poor」 です。 

どうです?仕事ばかりしてうれしい気分になります?
これは「時間が無い」ととても似ていますね。

みんなが「時間リッチ」になれるといいですよねぇ・・・



「傾向と対策」 vs 「分析と戦略」

2010-08-31 11:32:39 | 福岡&中野&メルボルン時代
■ 違和感

英語と日本語には不思議な溝、違和感がある単語が多くあります。

一言、「辞書の弊害」と言って岩波あたりの責任にしてしまうことも
できるのですが(笑)、考えてみると面白いなぁ・・・といつも
思います。

例えば、ビジネスでおなじみの”傾向と対策”の”対策”って何よ?

もちろん、対策、を英語に直すことはできます。でも、”傾向と対策”が
使われるような場所で使われる単語じゃないんだな・・・。格調が高すぎる。

もっと普通な感じ・・・で、普通はなんというかというと Strategyです。

”傾向と対策”はさしずめ”Analysis and strategy”がピッタリです。

でも・・・これを和訳してしまうと・・・”分析と戦略”。 全然違うニュアンスになる。格調高くなってしまう。英語はもっと平易で小学6年生にもわかる単語です。


■ 英語は主体的ナノダ

「傾向と対策」 の対策は、相手が起こしたアクションに対し、自分はこう
対策した、という意味で、他者依存、相手次第です。

一方、「分析と戦略」の場合は、相手のアクションを待つことも含めて、
自分はこうする、という主体的な行動を意味します。

対策は・・・相手が△したから、自分は○する。 行動の起点が相手。
戦略は・・・相手はこうであろうという分析(仮説)に基づく。行動の起点が自分。

「傾向」と「分析」を比べてみても・・・「傾向」は分析の結果。 「分析」 には
結論未満の感じがあるでしょう。 総合的です。一方「傾向」には、有無を言わせない
響きが。

結局中身は同じようなことをするんです。でも、「これが傾向だ!」と断定して
から「相手の動きを見て対策」するのと、「分析」を踏まえて「戦略」に基づいて
行動するほうが、しっかり一本の糸が通った感じがしないでしょうか・・・?

「こういう傾向があるからこう対策しました」は対症療法的だし、
「こういう分析結果を踏まえてこう戦略を立てました」だと包括的です。

小さいことですが、言葉がもつ力ってあるように思うんですよね。

■ バイリンガルな使い道

「傾向と対策」だと「傾向」がでてこないかぎり、いつまで経っても「対策」へ進めない。

 しかし、一方マーケティングやビジネスでは相手を優先することが
成功の鍵です。こういう場合は分析して戦略で攻めるより、急がず
傾向を見極め、対策を施すほうがあっているような気がしますね。
対策が日本がお得意のカイゼン、なワケですから。 

ストラテジーにはカイゼンのニュアンスはなく、あくまで自分勝手にやっている感じ。ストラテジーは頼もしい反面、外すリスクもあります。

「傾向と対策」が生きるのは、他者優先する場面。→ビジネス
「分析と戦略」が生きるのは、主体性が必要な場面。→ 人生、国策

こんな風に考えると、日本人が働くのはお得意でも、自分らしく
生きるのが苦手なのがなんとなく納得できないでしょうか・・・。

これからは 傾向と対策より、分析と戦略で・・・



視野が狭いというのはどういうことか?

2010-08-30 12:19:47 | 福岡&中野&メルボルン時代
先日テレビを見ていたら・・・旅館業界の衰退の話がありました。

旅館業 たしかにヤバイ感じですよね。どこも流行っていないというか
流行っていないことに”納得”するような廃れ具合。

こりゃ客が来なくて当然だな、と誰が見ても分かるのに分かっていないのは
旅館側だけなのですよね。

その旅館たち・・・ビジネスが上手く行かないわけは、一目瞭然。
隣の温泉地同士、地元同士でいがみ合い、片方が「○○温泉」と書けば
他方が「元祖○○温泉」と書く・・・。消費者から見たら、内輪揉め。

確か九州の農業も同じでした。九州全体で農業を効率化できないわけは
「おらが県が一番!」と各県が対立し、協力するということが事実上不可能だから・・・。

この人たちが上手く行かないのは当然なのです。それは温泉宿を経営している
のに一度も他の宿に泊まったことが無いから・・・・

広い視野、なんて言葉はまったく念頭にないでしょう。
それに消費者がどう思うか?ということもないでしょう。


■ 新しい田舎

海外で出会う若者の多くが「どうして海外に出たの?」という問いに
「視野の狭い大人になりたくないから」と答えてくれます。
確かにそうだなぁ・・・と思います。 

しかし今日本に帰国してどうでしょうか?かの旅館業界が視野が広く
なった若者を受け入れる器があるでしょうか?ないよなぁ・・・

だから彼らは帰ってきたくても帰ってこれないんですよね。

今は”農ガール”などもてはやされ、日本でも田舎暮らしブームで
回帰が始まっています。 

でも、良く考えてみると、高度経済成長期に都会へ出てきた若者が捨てたもの・・・。
それはこうした視野狭窄、「田舎モノ根性」だったんですよね。

今でもそうした世界はしっかり残っていて、TVにだって出ている。

興味や関心が自分の半径5メートルしかなく、隣人の生活を詮索し、
足を引っ張り合って生きる、小さな”監視社会”。

今の地方都市に生まれ育つリスクというのは、そういう意味で世界が狭くなることですね。
だから、地方都市の人は一度はきちんと世界なり、都会なりに出て行くことは
意味があると思います。

ただ時代的なメリットでインターネット一本で色々と情報が入ってきますから、世界が狭い人になりさえしなければ、弊害は小さくできる。

そういう意味では世界のどこかにワーホリしたり留学したりすることは
小さな世界で大きな視野を持つためには仕方がない代償と言える
かもしれません。しかし、一旦視野が広がった人にとっては、
都会から回帰して、またとない生活チャンスかもしれませんよね。


■ 国際感覚とは何か?

もし 世界中で誰もが好きなところに住んでいい、となったら一体どういうことに
なるのかなぁ・・・なんて想像してみます。

日本は移民政策を持たないので、関係ありませんが、移民政策を持つ各国は
まさに人気投票です。

そういう視点で自分の国を見てみたことがありますか?

日本なんて、誰もが大挙して押し寄せてきちゃって大変なことになると思うんですよね・・・

理由1 土地と気候 ・・・無償のインフラ

なんてったって水が一杯。遭難したらまず何を確保します?水でしょう?
人間が生きていくのに不可欠なもの・・・それは水。 
そして、暑すぎもせず、寒すぎもしない気候。
それによって生産可能な食糧とすぐに再生する自然。

日本の気候や自然を人間に例えると、新陳代謝が早い若者みたいです。
雑草を根絶やしにしようとしても無理!ってくらい、力強い。



理由2 国土が狭い ・・・有償のインフラ  

これは低インフラコストにつながります。日本ほどインフラ集積が容易な土地
はめったにないのでは?光ファイバー網はあっという間に日本を席巻しましたが
アメリカやオーストラリアはどうでしょう?

国が大きいということはインフラの質の部分は妥協が必要ということです。

小さいおかげ、は他にもあります。 都市が集積していることでインフラコストが
小さく住みます。本来それで浮いたコストは、労働力短縮などに向けられて
しかるべきだったのでしょうが、モノの豊かさに向いたようです。

日本人は物質的には世界でもまれに見るおモノ持ち。個人の消費生活は豊かです。

それから利便性です。おかげで、海や山まですぐ。
甲府なら2時間もあれば八ヶ岳についちゃいます。東京からだって4時間。 
アメリカやオーストラリアなら、ちょっとしたお出かけが500Km!
5~6時間車に乗るのが普通です。


理由3 平和

最近の世界は物騒です。メルボルンではコロンビアの人が親しく話しかけてくれたの
ですが、コロンビアでは殺人犯の検挙率が低く、100人に一人殺されているそうです!

んな物騒なところ、誰だって住みたくありません。


理由4 人種問題が無い

というのは本当は、当てはまらないかもしれません。というのはジェイソンの事例があるから・・・。

ジェイソン君とは、東京のIELTS会場で知り合いました。フィリピン系日本人の彼は
やっぱり日本で生きるのはつらく、オーストラリアに移住するそうでした・・・

ただ一般的な話で行くと日本では特定の人種を狙った狙撃事件などは無いはずです。

日本ではこうしたMigrationStudyについてはほとんど認識が無いので、これはメリット
というより、恥ずかしい無知かもしれません。

以前カンザスで出張中、人種的な差別を受けたのに、同僚達はそれに気がつかないという
おめでたさも実感しました。


というワケで、日本は相対的にかなり豊かな国です。知っている通り。

しかし、問題は日本的ペシミシズムにあります。








 





オーストラリア 留学は今はオススメしません

2010-08-27 12:56:16 | 福岡&中野&メルボルン時代
これは現地の留学エージェントの言葉です・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

他のオーストラリアの学校にも当てはまる事ですが、多額の金額を要求する割には、
留学生の扱いがきちんとしていないと思います。

Educationが国内第3位のオーストラリアの産業であるにも関わらず、各スタッフが
それを理解していない。現在は移民法の変更に伴い、この業界も大打撃が予想される中で、
初めてそれに気付きだした学校が少しあるという状況だと思います。

学費が高い、質も良くない、永住権も難しい、というのであれば、オーストラリアで
勉強したい人が激減するのは当然だと思います。それでも、大臣は、この留学生の激減で、
本当に勉強したい人だけがくるので、コースの質の向上に繋がると考えているそうなので。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オーストラリアでは留学が移民とセット販売。そのため、学費が高い、質が悪い。それでも誰も文句を言わない、という結果になっています。

もっと問題なのは、今現在留学をスタートする人にとっては
『空約束』に終わる気配が濃厚だということです。

ただ、これらは入ってみるまでは分かりませーん。そして一旦入ったら出るのが
難しいことになっています。 

今現在学費の返金に格闘中です(汗)。

さらに今現在留学が不適なワケは、移民法が大幅改正になり、
来年当たりは学生が激減予定だからです。

学生数最大のときと激減後では激減後のほうが質の良い
留学体験ができると思います。 行くなら来年。

また自己防衛としては、入学前に学校(授業)を見学することです。

生徒の発言がほとんど無い。生徒が出席していない。
クラススケジュールがコロコロ変わる。先生が来ていない
など・・・日本では考えられないような景色が見えてきます。

見学を嫌がるところはまず最初から行かないことだと思います。

■参考
Local ‘backlash’ and overseas fears strike at Australian sector

http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?sectioncode=26&storycode=413247&c=1


海外英語難民 増加の社会的理由

2010-08-26 11:57:38 | 福岡&中野&メルボルン時代
うーん、今日も毎日暑いですね・・・

■ 勉強する環境はどこか? 
メルボルンには超やる気満タンで行ったのに、大失敗でした。
何がって、メルボルンは『勉強する環境』ではなかったのです。

『集中』ではなく、勉強以外のことをしたい人がいくところが
都市ですね。つまり集中を阻害する邪魔だらけなのです。
そして待ち受けているのは非ネイティブの弱みに付け込む商法。

オーストラリアへ行く人は都市部ではなく、田舎を選んだほうが
良いかもしれません。都市部はレモン市場に近いことになっています。
(レモン市場とは、悪貨が良貨を駆逐するような状況のことを言います)

個人的にメルボルンで得たものはといえば、自信、そして友人、
そして失ったものといえば大量のお金です(^^;)。

海外は短期留学で英語アレルギーを乗り越えるのには良いのですが
それ以上のレベルアップはかなり厳しいです。というのは今現在、
中国やインドからの”英語初心者”が多数流入していて、語学学校では
大量の初心者を捌くほうが最優先課題になっています。

大学や大学院なら大丈夫かというと、留学生が多いクラスは約8割もが
留学生で占められており、必然的に語学を一緒にマスターしたいという
ニーズにこたえられる状況ではありません。

語学のマスターには誰か個人的にチューターを買って出てくれるような
親切な人の助力があるかないかが決定打になってしまっています。

これは世界中どこでも同じかも?友人に確認したところ、
アメリカでは同じようです。世界的に人口増を経験している国から
人があふれているんですよね。

よく「日本人だけでつるむから」が”海外英語難民”の理由に挙げられていますが世界的な『英語初心者の大量流入』が各学校のレベルを押し下げている社会状況については誰も語っていないようです。

というワケで初心者以外の語学を学習するのに最適な環境は日本の
それも都市部ではなく片田舎のあまり邪魔が入らないところでは
ないか?と思います。 というワケで山梨でいいのです(笑)

■ 翻訳・通訳

当初、私は、通訳・翻訳のコースを検討しており、多分そうしたコースではやる気の高い人が集まっていて、きちんと勉強できそうだと思っていました。 しかしデメリットがいくつかあります。

・クラスメートがほぼ全員日本人
・就職は日本のほうが良い
・コース内容の違い
・高い料金設定

メリットは
・クラス外で英語に触れる生活

通訳になりたい人なら日本で勉強するのが総合的には近道の
ような気がします。というのは、普通ビジネスで訪れる人は
日本で通訳を雇うでしょう・・・逆はほとんど見受けられませんよね。

日本で補うべきなのは英語に触れる機会の少なさです。
これはもうどうしようもありません。

しかし・・・昔友人で中国系のルームメイトと暮らした結果、
中国語なまりの英語を身につけてしまった人がいました。
そういう結果にならずに済む、ともいえます。






オーストラリア不動産事情 2

2010-08-21 15:22:14 | 福岡&中野&メルボルン時代
経済と法律というのは、社会を動かす二つの要素ですが、大まかに見て、
経済がエンジンならば、法律はステアリング、舵のような役目を担っています。

メルボルンへ行ったときに感じたのは、危うさ。というのは、暴走列車に
近い感じでした。つまり、エンジンを吹かせているのに誰も舵を握っていない、
そんな状態です。

大学教育はむしろ”押し寄せる”人口を捌くのに必死だったように思います。

ずいぶん前ですが、タイへ行ったときには経済成長著しく、生き生きしている、と
いう印象を持ちました。当時中産階級が成熟し、やっと消費社会を迎えたところ
だったのです。

ベトナムでは経済成長の夜明け、という感じで”やってやろうぜ!”とでも
言いたげな意欲を感じました。

カンザスのオーバーランドシティでは、資産の運用利益で十分喰っていけます、
とでも言いたげな圧倒的な裕福さ・・・全米3位の豊かな地域だったので、
それこそ有閑階級でした。

振り返って短期間の滞在による、端的な印象程度ですが、印象を得た後は
私はいつも裏取りをするので、大体の印象と大きく変わらない結果だったなと
思っています。

日本でも何がしかが行過ぎる時、法の整備が後手に回ってしまっていることに
原因を求められるときが多いように思います。例えば、偽装請負にしてもそうでした。

メルボルンは今度の選挙で、ギラードかアボッツか、という感じですが、
緑の党のBobBrown氏に私は好印象を持ちました。

メルボルンの人口問題で、矛盾しているのは、難民には難色を示しているくせに
移民には積極的だったということです。表向き経済成長には人口が必要だ、
という理由を人口増容認派はとっていますが、それは決してホンネではなく、
移民にくっついて流入する外貨の獲得が主なる狙いではないかと思われます。Brown氏は難民の受け入れに積極的でした。

オーストラリアの闇は、日本のようなワーキングプアに難民をはじめ、資産を
持たずに流入した移民1世が陥っていくこと、そして、アボリジニをはじめとする
既に落ちこぼれた人たちへの救済がほとんどないことです。

食いものにしているのは一体誰でなのか?何なのか?もう少し勉強しないと
見えてこない気がしますが、ひとつには資源をがぶ飲みする巨大なインフラ設備が
あるのでは?と疑っています。 アメリカでもそうですが、イギリスから難を逃れた人たちの
”空間”に対する渇望感は激しく、多くの人が抱く夢は郊外の一戸建てですが、
日本の一戸建てが5件分くらいの豊かさを意味しています。なので、インフラに
かかる投資は単純に考えても日本の5倍です。何もかも大きいちゃ大きい。
そのコストを誰が払っているのか・・・?

住宅ローン金利が8%のかの国ですが、友人に確認したところ、30年ローンが
主流だそうです。 100が8%で毎年成長すると30年後には931になります。
うーん、9.3倍。1億円の家は実質9億円ということです。実際には
元金が少しずつとはいえ減るので9倍まではいかないかもしれませんが
2-3%程度の金利でも35年ローンで家を買えば実質総額は倍です。
この9倍が実際にありえるとは思えないので、実際はどこかに着地点が
あるはずです。

友人は早くに返せたようなので問題ないと言っていますが、実際ローン完済
せずに転売益を狙うのが正しいようです。オーストラリアではキャピタルゲインが
非課税なのです。まず良い物件を選ぶ。そして転売に良い時期が来たところで
売って自分はより安い家に転居する。こうすると一応自宅は資産、と言い表す
ことができます。

また家計が赤字状態だと税制上優遇措置が与えられますから、実際には住宅ローン金利が税の役目を果たしているようです・・・。

家が大きいという以外は物質的には何も買えない生活をある意味
住宅ローンによって強いられる。一方預金には課税されますから、
お金を貯めるよりも住宅ローンに節約できるすべての金を突っ込む
のがもっとも合理的になる。それがオーストラリア不動産の実態の
ようです。

基本的にキャピタルゲインがエグジットということは、家を所有
している人にとっては、不動産価格が上昇局面にあってくれないことには破綻する、ということ、それとできるだけ早く上がってくれ、と
いうこと、そして、上がり続けるというのはこの世の中ないわけなので
ババを引く人にできるだけ早く手渡ししてしまったほうが良い、と
これはバブルを誘引する要因として働きますよね…

一体ババは誰が引くのか・・・


集住計画の現代的課題-都市と住まい のメモ

2010-08-20 15:15:57 | 福岡&中野&メルボルン時代
今日も暑いですね~。

今日はあれ!という面白い放送大学の一授業がありました、例外的!

放送大学っていつも授業名で面白そうだと思って実際見ると、ほんと面白くない!(笑) 
講義してくれているエライ先生たちご本人もほんと面白くなさそう!
これはもうどうにかならないのでしょうかっ?! 情熱が無いのは
この職業に置いてはもう罪ですね。
学生が勉強に面白みを見出せないのも仕方ないなーという感じです。

しかし、今日は「住まい論 第12回 集住計画の現代的課題-都市と住まい」を見ました。面白かったんです!これが・・・
これは今私が人口論に興味があるからでしょうか…役立つ情報満載でした。

メルボルンの不動産は今高値どまりなのです・・・日本の不動産価格は今だ底値圏にいるので対照的ですよね。どういう流れなのか、日本の住まいのコンテキストが概略的に分かって助かりました。第12回に続き、第13回も見たけど・・・面白くなかったです・・・(汗)本で読んだほうが早いな、とか考えてしまいました。

面白かったので備忘録としてまとめておきたいのですが、途中から見たので、大事な”日本の住まいの変遷”の図をメモし損ねました・・・ なので、分かる範囲で。まぁ仕方ないですね。

■ 概要

<日本の住まいの変遷>

「住宅不足」 高度経済成長期 

「量より質の時代」 

「ストックの時代」 

現代のライフスタイルで、日本は今第三ステージに入っている頃ですね。

この分野の海外文献(バイブル):
 まもりやすい住宅空間 Oscar Newman 
 The Death and Life of Great American Cities by Jane Jacobs

■ 住宅不足 団地

戦後復興の「住宅不足」時代には”団地”が時代をリードしていたんですよね。
日本では”公”が住みやすい集合住宅の形成をリードしてきた歴史がありますね。

海外では団地、つまり”HousingProject”は極貧層(例えば難民とかの)、社会の最底辺であり、ドラッグや犯罪との関連が深いのです・・・大きな違いですよね。

■ 量より質 分譲マンション

「量より質」の時代で、団地から分譲マンションへ主役は移ります。
だから分譲マンションの基本形も、団地とソックリなんですよね。
途中のエポックメイキングな出来事といえば「オイルショック」です。
成長拡大一辺倒から、安定した成長への転換点。年200万戸を越える開発から
年100~150万戸へ転じます。

そして、「ストックの時代」へ。現代では既にある建築物をいかに有効に活用するか?が問われる時代です。そう・・・居住空間は余っているんですよね・・・。問題視されているようですけど、いいことですよね。
家広くなるんだし。 このサイトでは面白い指摘がありました。

役立つサイト
http://www.37sumai.com/housing/history/2007/02/post_28.html

キーワード:コープオリンピア、信濃町マンション

■ ベッドタウン

日本では賃貸生活、あるいは長屋に見られるような集住生活が過半数の
人の住まいの在り方だったのですが、一方で戸建という選択肢もありますよね。

戸建といえば「ベッドタウン」。電車通勤と家を計りにかけてバランスで決定
するのですから、ベッドタウンの発展には「効率的な公共輸送システム」と
セットで語らなくていけませんよね・・・メルボルンで痛感しました。
ちゃんと電車がないとツライの一言です。

戸建と言えば、「宅地開発」 都市部郊外へ宅地が拡大し、「乱開発」「環境破壊」
が問題に。 これらはS40年代に法整備され、1968年に制定された新都市計画法
により規制されていることがポイントだそうです。開発の結果は、「画一的住まい」。

たしかに郊外の住宅地ってどこも似たり寄ったりの家が並んでいますよね。
私が大学を卒業したころ、富裕層の住む住宅で有名な間谷住宅でも
さらにその後ろに山を切り開いて新たな宅地を開発していましたが(モノレールが
来るから・・・という理由で)当時も不動産市場は不況でしたから、地元住民からは
反対の声がありました。確かに時代を見据えた選択というよりは、”時代遅れ”の
開発ですよね。実際、付近は高齢化もあり、閑散としています。

キーワード: ボンエルフ(例:コモンシティ星田)、SI住宅

■ リノベーション

「ストックの時代」と言われる間でもなく、今現在日本でもっとも先進的な取り組みは
やっぱり「リノベーション」でしょう! 

リノベは「大量生産」「量より質」の時代を経た結果、問題となってしまった「画一的住まい」
への回答、「個性・多様性」を提供するものでもあるのです。

実はメルボルンでも住宅はどれも似たり拠ったりでした。それにサンフランシスコも
正直大して個性という面ではどうかしら?という感じですが、「画一的住まい」だから
反省しようという方向性はないですね(笑) 

海外では画一性は「都市景観の一部」として容認されています。
日本では「画一的住まい」なのに「都市景観的にはバラバラ」なのは何ででしょう(笑)?
非常に興味深いと思いませんか?

それに日本の都市の住まいを「うさぎ小屋」と断罪するのもどうかと・・・。だってパリを見てくださいよ?パリでは建物の階立てが
平均5階建てなのに、東京は2階建てを少し越える程度。つまり
東京は集積が足りていないから延々2時間の通勤になったわけです。
そして土地が高いから家が小さくなってしまった。ちゃんと縦方向に
伸びていれば(笑)多くの人に適度な広さで近距離の住まいが提供
できたはずなのです。

そういう意味では東京や大阪は都市近接住まいの失敗例?
でも今後はその失敗を取り戻せるのではないでしょうか?
充実した公共輸送は既にあるし、都心の地価は減少中だし。
私たちの大阪の家は都心で通勤30分でしたし。

ところで、海外では、リノベと言えば「古い家を快適にするため」ではなく「自宅の資産価値を高めるため」
日曜にお父さんがDIYショップへ通ってやるものです。日本もそうなっていくといいですよね。

■ コーポラティブと超高層タワーマンション

また、「画一的住まい」へのもうひとつの解答として、コーポラティブもありますよね。

これは何家族かが集まって集合住宅を一緒に建てる、というもの。濃い近所づきあいが魅力です。

大体、生活の質を高めているつもりだったのに、結果プライバシーはあまり無い癖に隣は何をする人かも分からなくなってしまったのが日本・・・(笑)

どうしてこうなっちゃったのか? 日本の集合住宅の歴史が教えてくれるところによると
結局、経済効率優先で、人を置いてきぼりにしたわけなのですよね。
目的は”住居”の供給ではなくて、”幸せに住める住居”の供給だったわけですが、ついウッカリ、モノ志向に走ったということなのでしょう。 

これは日本人だけではなくて、現代人すべてに共通するメンタリティのようでメルボルンでもかなり感じました。

モノ志向。Materialismが現地では横行中でした。
カネで頬の撫でるまでは行きませんが、中国マネーの流入もあって、住宅市場はバブリーな様相です。

この不幸の源、『経済効率最優先』という価値観はどうも突っ走る癖があるらしく、結果、それはバブル景気時代の超高層タワーマンションに端的に現れている、と講座では位置づけていました。郊外の無価値な土地でさえも投機買いを引き起こした不動産バブルの時期に生まれたからなのですが、出生のいかがわしさ(笑)はともかく、タワーも都市型の住まいとしては大変正しいのではないかと思います。

大体、通勤2時間もかけて郊外に住むと”住んでいる”んではなくて”寝に帰っている”だけになってしまうし。
郊外生活もタワー生活もどちらも、「超忙しい生活」を表現しているのは確かでしょう? 

キーワード: リビングアクセス、コーポラティブハウス千駄ヶ谷、HOPE計画、中曽根民活

■ 今後の課題

今後の課題として挙げられていたのは以下です。

<今後の課題>
1)ストック型社会 
2)高齢化社会への対応:バリアフリー、MIX住宅、賑わい、コミュニティ
3)エコ :断熱、環境共生、低エネルギー住宅

キーワード:求道学舎プロムナード多摩

結論: 私的には、今後の日本は「効率」ではなく、「人間性」じゃないのかしら?と思えます。
今東京で激戦中のシェアハウスでも、勝ち組は「交流重視」組でしたし。

日本人にとって回復すべき課題は「人間関係の希薄さ」ではないですかね?



住宅ローン地獄のオーストラリア?

2010-08-19 17:33:13 | 福岡&中野&メルボルン時代
うーん、行って見たら、オーストラリア、というかメルボルンの住宅市場はとても庶民には買えない、というくらい高かったです。
現地の日本人も困っている人が多かった。

オーストラリアはお給料も高いのですが、それを上回る住宅価格の高さで、生活が楽なイメージは早々に打ち消されたのですが・・・住宅がAffordableではないという指摘は毎日のようにTheAge紙に載っていました。
http://www.heraldsun.com.au/money/city-of-houses-out-of-reach-in-affordability/story-e6frfh5f-1225907137417
こちらは一例。

特にメルボルンは高く、シドニーに迫る勢いです。スコットランド人の友人が住みやすさを力説してくれましたが、彼が移住した時期と今では状況が異なるのではないか?と思いました。

しかし、メルボルンの住宅の買い時は、どうでしょうか?

データ、データ・・・ と手ごろな日本語資料を探してみました。
去年(09年)のですが・・・これで概況はつかめるでしょう。
http://www.mizuho-am.co.jp/static/reportColumn/005003_2009081001.pdf

資料では住宅価格は緩やかに上昇を予想していますが、
実際には予想外の上昇のようです。住宅価格は3年前の2倍、という声を聞きました。

<Facts 上記資料より> 
・住宅が不足している 
・住宅ローンの基準が米国よりも格段に厳格
・住宅ローンの借り入れが資産を持つ高年齢層に集中している
・オーストラリアでは住宅以外の資産にも差し押さえが及ぶフル・リコ
ース型が中心
・そのため住宅価格がローン残高を下回るような場合でも、借り手はローン返済に努める
・オーストラリアの住宅は国際的に見ても割高
・住宅価格の家計の平均所得に対する倍率は米国(3倍)の概ね倍で6倍。
・オーストラリアでは家計の借入比率が高い

う、なんだか嫌な感じですね。まず住宅は高い。年収の6倍。
そしてローンを組んだら、家を売り払ってもローン残金を払い続けることになる。つまり、払い終えるまではずっと大変です。

しかし、何年ローンを組んでいるのでしょう?だってあちらのローン金利は半端なく高いのです。
http://www.boq.com.au/todaysrates_homeloans.htm

8%金利で日本のようにのんきに35年ローンなんて組んでしまえば、どうなることでしょう!
100万円は35年後には1360万ですよ?しかし、かと言って頑張って
短期で返せるほど安くない。
・・・という事情の実態が、”資産が既にある高齢者層がローン主体”という部分ですね。 たしかに知人も私くらいの年齢の息子さんに家を買い与えていました。

あるニュースによると
Average monthly mortgage repayments in Sydney are $3430, and $3291 in Melbourne.

平均的なローン返済額が$3000以上!日本円にしても24万円。
これで家買う気になります??? いや~オーストラリアでは大変ですね。これでは他の消費材に支出が行かないのが当然ですね。だって
ローンだけで$3000ドル。

じゃあ大家業はどうでしょうか? 大家さんも儲からないようですね。
ローン金利よりは賃料利回りのほうが低いので買うより借りるほうが
ラクですね。

・賃料が大幅に上昇しているにも関わらず、賃料利回りは低い
・賃料利回り 約5%
・実物商業用不動産の賃料利回り 約7%
・豪州REITの配当利回り 約10%

むしろ、オフィスビルなどにしないと利回りは出ないですね。

さらに08年の同内容の資料では、住宅価格は低下を予想していますが
大ハズレですね・・・(^^;)しかし、観ているとこれ以上、上がれなさそうな気がしてくるのも事実…だって家計がアップアップなんです。
http://www.mizuho-am.co.jp/static/reportColumn/005003_2008050902.pdf

<Facts>
・米国の住宅価格はこの20年間で3倍
・オーストアリアでは5倍に値上がり
・平均的な住宅価格の可処分所得に対する割合は2倍近く跳ね上がった
・そのほか、住宅を賃貸に出した場合の投資利回りは戸建で3.1%、アパートで4.4%まで低下
・弊社の推計では、豪州の住宅価格は適正価格より30%程度割高
・住宅価格は家計の借入の増加を伴って上昇
・借り入れの所得に対する割合は、ここ20年強で主要国の中で最低からトップ近くに上昇
・賃貸市場では住宅不足の傾向がより鮮明

うーん、大家さんとして戸建を貸しに出すのが一番不利なようですね。
利回り3.1%。ローン金利との差、5%を大家さんが負担することに。
適正価格より3割も高い家をみな買っているんですよね・・・

なぜ住宅価格が上げ止まり感があったにもかかわらず上がり続けたのか?それは新規住宅購入者に補助金が出たんですよね。$12000ほど
だったそうです。しかーし、120万上げるから3割高い家を買ってと
言われても…やっぱり買えないでしょう。

まぁ今現在、価格は天井を打っているようです。
http://www.abc.net.au/news/stories/2010/07/30/2968809.htm?section=business

賃貸市場では住宅不足がより鮮明、なのに利回り3%って納得
いかないですよね?
つまり何が起こっているかというと・・・

結局賃貸の人たちは、低水準の住まいに甘んじているのです。 高い賃料より低い水準の住まいを選ぶ。 っていうのはどういうことか?というと例えば、2BRの家(ベッドルームが二つなので2人用)に3人や4人で住むわけです。例えばリビングはベッドルームで無いのに住んでいたり、などです。 一人で250ドル払えないので2人で住んで一人$130づつ
払う。大家さんはそうしないと入居者を見つけられないのです。

<指摘されている原因>
・制限の多い宅地供給方針
・高度な都市集中化

要するに、宅地を政府が放出していない、という不満は、一般市民の間にも根強いです。 都市集中化は特にメルボルンが顕著、何しろ人気がありすぎです。人気というのは人口増です。

■ 共棲が解決策

結局どうなっているかというと、古い大きな家が空いたら、それを5戸連結のタウンハウスにして売り出す。これまで一人が住んでいたエリアに5家族が住む。

また、戸建を買ってしまった若い夫婦はローンが払えないので、結局
自分たちの居住エリアを節約して、部屋貸しやホームステイなどを行います。

定年退職者の中には、下宿してくれる人の賃料で生計を立てている人も・・・

こういう面では賃貸生活者が住む場所を見つけられない、ということは
ないのですが・・・日本的な意味で自立した生活をしようとするとそれは高くつくなぁということになります。

まぁだから親元からなかなか巣立たない若者が多いのですが、
結婚するまでシェアハウスで過ごす、というか過ごさざるを得ないのですよね。
そして結婚してからもシェアしてくれる人に住んでもらう。

他人と住む、共棲がありふれているのはこんな事情なのです。

しかし、住宅価格が高止まりしている今、住宅を買うよりも
人口政策がどう行き着くか見極めてからのほうが良いかもしれないですよね。

しかしデベロッパーは儲けまくっているのでしょうか?

これだけのカネがどこに流れているのか?それが気になるのでした。



オーストラリアの有望市場?

2010-08-19 13:34:07 | 福岡&中野&メルボルン時代
面白いサイトを発見したので、ちょちょっと情報を拾って見ました。
http://www.buyusa.gov/australia/en/

私が見たメルボルンは、

・生活必需品が高い (消費意欲はあっても誰も買わない?買えない)
・公共建設主導の景気誘導 (なんか日本で見た景色に似てる・・・)
・ボッタクリ横行 (消費者保護の未熟さを感じる・・・)
・キー産業がない (資源産業って・・・何も作ってないし、人間で言ったら売血のようなものじゃ・・・)
・スキル労働者不足 (医師、看護婦、会計士、建設エンジニア)

となんとなく、実力より評判が勝っているような気がしてしまうポイントが多かったのです。 
だって資源産業って産業?何も生み出して作ってないし・・・。確かに
プロフィットを出しているのは確かですが、雇用は生み出していないのよね。

逆に医療やインフラなどは人が生きるために必要なもの、ということで
どちらかというとコストセンターのような?

そして残るはサービス業で国の7割がサービス業による収支ということはお互いの面倒を見合っているだけの話なのです・・・
サービス業ってのは見えないGDPの「見える化」のような面がありますよね?例えば自分の家を掃除してもGDPにならないが、他所の家に掃除に
言って賃金をもらうとGDPに加算される。 そういう意味でサービス業
ってタコ足食いみたいな感じです。

このアメリカ政府系サイトのオーストラリア市場概観によると・・・
http://www.buyusa.gov/australia/en/

Australia is the world's 15th largest economy with a GDP of over US$1 trillion and is forecast to grow more than 2 percent in 2010. Australia’s per-capita GDP is among the highest in the world (US$41,982 in purchasing power parity terms)

とあり、オーストラリアは世界15位の市場で、GDPはUS1兆ドル(って100兆円。日本は大体500兆円なので5分の1) 成長率は2%。

一人当たりGDPはUS$41,982。って日本はというと、
ここに凄いサイトを見つけたので、グラフを拝借。

[世] [画像] - 一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、オーストラリア)

とまぁこのような状況になっています。一人当たりGDPでは完全負け。

でもやっぱり規模では5倍。日本は著しく自信を失っていますが・・・・。最近、中国に世界第2位の座を明け渡しましたことだし・・・
でも実感としてはオーストラリアより、日本のほうが豊かなような…?これは2004年ごろに出張に行ったときの感覚とは間逆なんです…
当時はかなりバランスの取れた良い国に感じたのですが、ここ数年状況が逆転していたのでしょう…。オーストラリアは生活でアップアップ感漂っていました。

しかし、日本のGDP、日本の国土サイズを考えるとなんとも
凄いことですよね・・・まぁアメリカと比べてもいいのですが・・・。

オーストラリアは国土的には広いので”大国”への野望 BigAustralia)も捨てきれずにいるようでそれが大量移民政策への推進力となっているようでしたが・・・

中国、アメリカと違い、オーストラリアにないのは水!! そして製造業!(笑)
GDPの7割はサービス業です。これは日本の地方都市の様相と同じです。
ただしサービス業でも賃金は高く維持されています。

[世] [画像] - 名目GDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、オーストラリア、中国、アメリカ)

■ オーストラリアで売れるもの?

結局、生産拠点としてはあまり有望でないので、消費地としてどうか?ということで、どんな市場が有望なのか・・・とチェックしてみました
このサイトによると
1)自動車
2)建設機器
3)医療機器
4)掘削機器

なーんだか、一般消費市場としてはあまり魅力がないような・・・だからGAPもZaraもHSMもオーストラリアにはないのかしら・・・?9月にGap1号店が開店しますが オーストラリアの一般消費財市場は、どーも魅力に欠けました(^^;) 

あ、いい!と思って手に取ると、カナダの品だったり・・・どうも物欲天国ではないのです。まぁそれは良いことだと思いますが、じゃあ一体高い一人当たりGDPを何に使っているのか?という疑問がわきますよね?
消費していないなら…。で何に使っているかというと家賃です!断言!
住宅ローン金利が8%の国ですから一般家庭のカネはほとんどが
家賃に消えて行くのです。

平たくいうと”着たきりすずめで1億円の家に住む”のがオージーの姿なのです。

さてと、唯一個人に関係がありそうな、その自動車市場ですが、オーストラリアでは車は大変高い買い物です。

<2009年10月の市場シェア>
Toyota (21.1 percent)
GM Holden (12.6 percent),
Ford (10.3 percent)
Mazda (8.3 percent)
Hyundai (7.1 percent).

お、トヨタ、マツダと2社も!ぜひ健闘していただきたいものです。規模は小さくても価格が高いので一台あたり利益が大きいのではないかと思いますが、どうなのでしょうか・・・。オーストラリア仕様なるものがあるのかどうか分かりませんが基本オージーは水不足なので車を洗いません。新車でピカっとしたのに乗っている人は少ないです。まるで靴、といわんばかりに汚れたまま使っています。

オージーにとって車は生活必需品。
何しろ、オージーが1000人あたり600台も車を所有しているのです。車は
平均10.3年式。 日本では10年式の車なんて50万円くらいで買えますがオーストラリアでは全然古くありません。

エコ意識が高いのですが、あまりハイブリッドは見かけなかったような?
あ、ガソリンも日本と同じで高いです。広大な土地なので500Kmとかを日本と同水準のガソリン代で走る・・・それがオージー。可処分所得はガソリンにも消えていますね。

GM Holden, Ford, and Toyota have manufacturing facilities in Australia.

そして、GM、Ford、トヨタは現地に工場があるそうです。

The aftermarket for replacement parts and accessories is a significant element of Australian component producers' total sales.

友人も部品が高いとこぼしていましたが、新車市場よりも有望なのは、部品市場です。
何しろ新車が高いので、みんな長く乗る。と修理コスト、ランニングコストに敏感になります。まずは壊れない車。壊れても部品が安くつく車がいい車。

This part of the market is estimated to be worth approximately USD 5 billion for replacement parts and USD 6 billion for accessories

部品は50億ドル、アクセサリーは60億ドル市場。(大体5000億円、6000億円、明石海峡大橋一個分)だそうです。

自動車部品といえば、日本では新車製造向けですが、中古部品、
修理部品という分野は進出の余地が一杯あるのかもしれませんね。

■ 建設機器市場

そして建設機器は、輸入品の独占市場だそうです。
Imported construction machinery dominates the Australian market.

日本ではコマツさんの活躍が有名ですよね。たしかに日本企業名のついた建設機器をたくさん見ました。こちらでは土木建設業は盛況です。
ガテン系職種は日本の日雇いのようなものではなく、非常に手厚く
遇されています。ねらい目職種?(笑)

<主な建設機器用途>
公共交通インフラ
資源鉱業
電力設備
携帯基地設備
上下水施設
その他 公共プロジェクト(港湾など)

この市場の規模は1兆USドルだそうです。

<この市場に参入している米国企業>
Caterpillar
Case New Holland
John Deere
Ingersoll-Rand
Bobcat
Vermeer
Manitowoc
Terex,
Ditch Witch.

うーん、キャタピラー社くらいしか聞いたことありませんねぇ。しかし、オーストラリアは公共系のインフラが未整備なのは伺えますね。
まだ国を作ってる途中。

この未整備さの目視確認してきました(笑)。メルボルンは通勤ラッシュが凄いです。日本並みに混んでいます。おまけに地価が上がったので長時間通勤は避けられない・・・と日本的苦悩がまんまメルボルンに。オマケに日本ほど電車システムが優秀でないので(日本の私鉄がメルボルンに進出してくれたらいいな・・・)待ち時間の長さ、も深刻です。
結果、ストレス社会になっています。

この建設機器市場では、日本勢、ドイツ勢も優秀なそうです。
Japan and Germany are key, third-country suppliers.

<日・独の競合企業>
Komatsu
Hitachi
Kobelco
Kawasaki
Kubota
Sumitomo
Kato

Lieberr
Demag
Bomag

日本7社、ドイツ3社。 日本、頑張れ!でも、米国企業以外に不利なルールなのです・・・(汗)

The 2005 Free Trade Agreement between the U.S. and Australia (AUSFTA) has eliminated import duty on construction machinery from the U.S. The import duty rate from other countries is five percent.

2005年に、アメリカからの輸入税は撤廃。日本、ドイツは以前5%課税。

ひどくない?

■ 医療機器市場

もうひとつ個人に関係ありそうな市場が医療関連。基本はサービス業
かと思いますが、そこで使われる医療機器がモノを消費する場として
有望です。95%が輸入品市場。市場は成熟しているそうです。
アメリカ、EU、日本が3大プレーヤー。 GDPの9%を医療関係に消費、とありますがこれは大半が人件費に消えていることでしょう・・・。

<オーストラリア医療機器市場の米国企業>
Bard, Baxter Healthcare, Boston Scientific, Cook Medical, Johnson & Johnson Medical, Medtronic, St. Jude Medical, Stryker.

うーん、日本企業の名前は上がっていませんね。

日本の医療機器メーカーはパッとしないのですよね。日本でも
医療機器は米国製が多いので・・・。私は一時期、医学文献の
翻訳などの仕事をしていたのですが、日本はアメリカ企業の
大お得意さまと認識されていました。 国内で製造して国内で
消費できれば問題なさそうな分野ですが、日本のメカ好きたちは
あまり医療系には関心がなかったのでしょうか…?

医療に関しては、日本とオーストラリアは大変似た立場。
というか、アメリカも同じでしょう。基本が人材不足・予算不足、
供給が需要に追いつかない状態です。早急な改善にあまり
前向きそうでないのも共通…

なんだかねぇ…似なくていいところは似てるんですけどね。





日本的閉塞感の正体

2010-08-18 08:01:49 | 福岡&中野&メルボルン時代
日本に帰ってきたら・・・なんと熱中症で人々が死んでいました!
っていうと大げさですが、死者が出るほどの暑さ・・・暑いです。

こちらに帰ってきてニュースを聞いていると、日本は”アドバンスト”な国だという実感が沸いてきました。

■ 最近の日本の話題 

日本の最近のビッグニュース・・・熱中症、非実在老人・・・と、まぁびっくりしました。

日本は長寿国ですが、こんなにいい加減な本人確認では、まったくどれくらい長寿が本物か怪しいものです(笑)。 こうした年金制度悪用にいたった原因を人心の崩壊に求め、世も末だ、と嘆く声が強く聞こえてきますが、そうでしょうか?

どんなに素晴らしい社会の中にも一定の制度悪用者がいると考えるのが現実的な
路線でしょう。大体、生存を確認しないまま、年金等を支給するという点でそもそも
”手抜き”。制度悪用というより、単なる制度の欠陥だと思われます(汗)。 

■ ”日経ビジネス的” 視野狭窄

むしろ、私が今回、日本独特の現象として、気がついたのは、こうしたニュースに対する
必要以上の『深読み』、という現象です。

日本的現象として、特徴的なのは『嘆きたがり』です。つまり、必要以上に社会問題を『心の問題化』します。その結果、問題は解決不可能となり・・・、『悲観的』にならざるを得ません。

これは日本人特有のメンタリティのような気がします。欧米でこうした事例が発見された際、多分世論は、『嘆き』より悪用した人への『糾弾』に傾くような気がします(汗)

まぁどちらも問題解決へ最短距離ズバリではない、という点においては、どっこいどっこいなのですが、その二つの反応が導くものはちょっと違います。

嘆き → 閉塞感  ウチにこもったもやもやとした感じ
糾弾 → 怒り    相手を責めるエネルギー ソトへ向かうエネルギー

日本がこんなにも充実した幸せな社会であるにもかかわらず、閉塞感満点なのは
こうした日本的条件反射にあるのではないでしょうか?

この『嘆き症候群』、注目点は結局、得られるものは閉塞感以外無い・・という点です。 

制度の欠陥は改正すれば是正されます。スッキリ!是正の後はなんとなく前進したようなスッキリ感爽感が漂うでしょう。

しかし、原因を人心の崩壊に求めた場合どうでしょうか?
結局何も解決しないため閉塞感のみが残ることに。 こうした『不必要な深読み』が日本が陥っている閉塞感スパイラル特有のメンタリティだと思われます。