民法第941条には、次のように書かれています。
1 相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から3箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。
2 家庭裁判所が前項の請求によって財産分離を命じたときは、その請求をした者は、5日以内に、他の相続債権者及び受遺者に対し、財産分離の命令があったこと及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。
3 前項の規定による公告は、官報に掲載してする。
この条文は、少し難しい内容です。
相続債権者又は受遺者がいます。
例えば、500万円の債権があるとしましょう。
相続が単純承認だったとしましょう。
そして、その相続財産が500万円だったとしましょう。
そうしましたら、その500万円を（500万円の）債権者が受け取ればスムーズに進みますね。
しかし、単純承認ですと、相続人の財産と混じってしまいます。
もし、相続人には、資産がなく、1,500万円の負債（債権）が別にあったとしましょう。
そうしますと、相続によりまして、財産が500万円、負債（債権）が1,500＋500＝2,000万円となります。
つまり、単純承認によりまして、500万円の債権者は、500万円/2,000万円、つまり4分の1の財産しか受け取れません。
500万円の4分の1、125万円では、債権者は辛いですね。
そこで、相続財産を分離し、相続債権者や受遺者側を守ってあげましょうと書かれています条文です。
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つまり、単純承認によりまして、500万円の債権者は、500万円/2,000万円、つまり4分の1の財産しか受け取れません。
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